Pokémon GO

2016.07.25 (Mon)
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京葉道路
片側三車線の中央分離帯の植え込みの中
母親を必死で呼ぶ子猫の鳴き声が聞こえる

側道に車を止めて信号を渡り
ヘッドライトが行きかう幹線道路の真ん中で
植え込みの切り取られてとがった枝の中に顔を突っ込んだ

ミルクと猫缶を乗せたお皿が二つ
隣にタオルが広げてある
同じく鳴き声を聞きつけてやってきた人がいるみたい

大型トラックがクラクションを鳴らしながら地面を揺らし
信号待ちの車の窓からは、まるで気違いを見るようにこちらをのぞき込む

騒音にかき消された小さな声は私の足元から逃げてゆく
日は落ちて、植え込みの中は真っ暗で、もうすでに何も見えません

国道14号線、錦糸町の近く、江東橋交差点の植え込みの中
みんな、携帯片手に血の通わないつまらないものを追いかけている場合じゃないよ




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ポケモン
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とら

2014.07.10 (Thu)
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猫にまつわる不思議な話。
みんなもひとつふたつあると思うんだ・・・・・





 もう、何年も前になるが、福岡に仕事で住んでいたことがあって、明日東京の本社で会議があるから書類や資料をそろえたり旅の準備をしていた。
空港に向かう途中、ケイタイが鳴ったんだ。


なぜかわからないけど、
「あ、これは、トラに何かあったな」
て、瞬間感じたんだ。
着信を見たら母親から。出てみると案の定涙声で、トラがトラが、って。

もう駄目みたいだって。もって一日。
ちょうど今からかえるからって母親に伝えて電話を切った。

トラはもう何十年も前にもらってきたきじトラのオス猫。あれ、何歳だったっけッて考えてみたらどう数えても25歳。20年だってずいぶんな長生きだけど。
名前はボクが付けた。ちっちゃなぬいぐるみを投げると犬みたいに持ってきた。何時も追っかけまわしては、顔から尻尾からこねくり回してた。きっと僕のことは苦手にしてたんじゃないかな。きれいな端正な男の子だったよ。

東京について、一日会議して、久しぶりだから会社全員でカラオケに行って、本当は帰ってトラを看取ってやらなきゃならなかったんだけど、怖くてね。トラが死んでいくのをみるのが。
それで、そのまま夜明かししちゃったんだ。でも、酔えなかったな。あんなに呑んだのに。
朝の電車で、実家に帰って、いよいよ家のドアの前。もう死んじゃったんだろうな。悪いことしたなって、家に入ってみたら家族全員がみんな立ち上がって集まってる。

「お兄ちゃん!早く早く!!」

そこには、箱の中にバスタオルを敷いて、まるでせんべいみたいにペッちゃんこになったトラが横たわっていた。
「早く早く、トラまってるよ!」
ペッちゃんこに変わり果てたトラ。でも、10秒に一回くらいでそのぺちゃんこのおなかがふっと膨らむんだ。
ゴメンねゴメンね・・・・なでてあげたらもう氷のように冷たくなってる。においだって、あの太陽のにおいじゃない。死臭というんだろう、腐ったような甘い匂いがしてる。けど、時折、浅く、フーといいながらおなかが膨らむ。一生懸命まっててくれたんだ。
ゴメンねゴメンね・・・・・家族に言われるままに抱っこしてあげた。冷たくなった体。紙のように軽い。目をつぶったまま力なく抱かれるトラ。とら!とら、!聞こえてるかい。帰ってきたよ!待たせてごめんな・・・・

トラは僕の腕の中で、三度、力なく呼吸をして、最後に大きく息を吐いたら、そのまま動かなくなった。抱きかかえてほんの30秒。苦しかったんだろうな。そう思ったら涙が止まらなくなった。待っててくれてありがとう。みんなが声を上げて泣いた。


一番嫌われてたと思ってたんだけど。
最後まで意地悪しちゃったな。




それから一ヶ月。じつは、不思議なことはこれだけじゃなかったんだ。

またケイタイが鳴った。今度はチビか?例のとおり嫌な予感がした。
チビは、真っ黒の女の子。トラよりもずいぶん若くて、気が強い美人さん。いつも、トラとけんかしてご飯のときでも男のトラを差し置いてがつがつ食べちゃう。みんなあんまり仲がいいとは思ってなかったんだ。

「チビ、死んじゃった」

母親はもう泣いてなかった。
話によると、あれからまったく食事を食べなくなったらしい。見る見る弱っていってトラのあとを追うように今朝亡くなった。それがちょうどトラがなくなった一ヵ月後。同じ日の同じ時刻。

まるで作り話。でも本当なんだ。

猫って、薄情に見えて、実はずいぶんと情が深い、優しいこなんだな。





犬の散歩 / 少彦名


妄想・ドイツ機甲師団 第2話

2013.06.12 (Wed)
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それは、師団司令部の司令室で師団長と戦況報告を兼ねた会議を行っているときのことだった。
けたたましい装甲車のエンジン音とともに、一人の伝令が飛び込んできた。


『あんたんとこの田んぼ、大変な騒ぎになってるぞ!!お目さんシラネーだか。稲の回りさ、ひえでいっぱいだー!!』

すわ、出撃!!

私は、司令官の命令も終わらぬうちに部屋を飛び出していた!目指すは、敵の最前線、頑強なトーチカと、張り巡らされた塹壕の待つ地獄の戦場だ!!

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敵塹壕の前に広がる障害物と地雷原。わが隊は無傷でここを突破することが出来るのだろうか・・・・


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国防軍の誇る新兵器。無人突撃戦車Sd.Kfz.303ゴリアテ


砲弾の飛び交う中我々はゴリアテを先頭に敵正面の強行突破を試みた。荒れ狂うエンジン音、巻き上がる粉塵、少彦名の顔は泥しぶきを浴びたちまち真っ黒だ。

戦闘は二日間に及んだ       P6121064a.jpg

私にはこの戦闘が永久に続くのではないかとさえ思われた。

激しい戦いの末、ついに敵トーチカは沈黙した。美しい山々が再びわれわれの前に姿を現した。

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任務を終えたわが機甲師団。今日はもう動きたくない。次の任務に向け、ゆっくり体を休めよう。




田んぼの雑草が伸びていたのは2週間前から知ってたんだな。ころあいを見計らって草かきする計画だったが、近所の人に言われちゃ仕方ない。農家って結構人の目を気にするのね。ソンでもって『イヤーそんなの前から知ってましたよ』なんて口が裂けてもいえない少彦名だった。


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