美術館

2017.06.20 (Tue)
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前回の流れで、このまま『インド紀行』の記事に突入しようかと思ってたのですが彗星絵具箱さんのブログでシュールレアリズムの話があったので「そういえばシュールな写真、最近撮ったな」と思い出して予定変更して書いてみようかなと。
薄荷グリーンさんは私の好きな写真家さんで、写真も好きなのですが書き添えられたその文章もまた読んで楽しい。流れるように書き連ねられた言葉は私の探り探り、時によどみながら書いているそれなど足下にも及ばず、まるで流暢という様子をそのまま書き起こしたようで、あんな文章書けたらいいなといつも感心してしまう。今でこそ達者なおしゃべりの部類に入る私ですが、聞くところによると幼いときは多少の吃音があったとのこと。そういえば子供のころは絞り出すようにしゃべっていたような記憶がうっすらと残っています。
ところで、そのシュールな写真なんですが、確かに写したはずなのにどこをどう探しても見当たりません。



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で、どんな写真かというと、山梨の長坂にある『アフリカン アート ミュージアム』というところで撮った写真なんですけど、その建物の入り口に大きな3メートルはあろうかという鳥の巨大な木像がどんと控えてございまして、その真っ黒なシルエットがシュルレアリズムの画家、マックス・エルンストの描く『怪鳥ロプロプ』を連想させる素晴らしいものだったんですね。写真自体がシュールってわけではなかったんですが、皆さんに見てもらおうと思って写したあるはずの写真がどうあっても見つからない。
これってある意味、シュールな展開なのでしょうけれど。





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みたびの登場
仕方ないですね、写真撮れってうるさいものだから、貴重な二枚を使ってしまった。
この美術館、写真二枚までなら自由に撮影できるんです。

入場料は700円、こじんまりしててたまたま通りすがりに見つけて。時間つぶしにはいいかな程度で入ったんですけど、これがなかなかどうして、舞踏や儀式に使った木製のマスクを中心にアフリカの西海岸の美術品を展示してあるのですがその造形のユニークで自由なこと、その辺の西洋美術館など軽く凌駕する迫力です。私はアフリカの芸術に触れるのは全くの初めて。きっとアフリカの芸術を初めて目にした先人の芸術家達も、ピカソだったりエルンストだったり、当時のシュールレアリストだったり、彼らがその造形に魅了され大きな影響を受けた理由を身をもって理解することができました。
エルンストさん? きっとあなたは、アフリカの怪鳥の像、見たことあるんじゃないですか?かれの作った彫刻はここにあるものにまるでそっくりです。




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で、なんで山梨の北杜市でアジェイと一緒かというと彼はついこの前まで長坂の『長坂自動車教習所』で免許合宿してたんですね。本当は諏訪の教習所が近くてよかったのですが「外国人は受け付けてません」なんてケチなことを言うからこちらで見つけて入学させたわけ。仮免の学科も英語の問題用紙を用意してくれたから何とか卒業できました。でも、その間二回も落ちたもんだからそのたびに教えろだの助けてだの泣きが入って、行ってみれば温泉つれてけ、観光がしたい、肝心の試験どーすんだよって怒ってもどこ吹く風、ま、何とかなったので良しとしますがね。



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男根と女陰石。これ、長野の富士見町、信州だとこういうオブジェ?がよくあるです。古からの信仰の対象、芸術作品ですね。
実は私は芸大受験を目指してました。長く油絵を描いていたのですがデッサンで利き手を伸ばしてカンバスに臨むでしょう?長時間右手を挙げていると反対の左肩が痛くなるんです。結果、腱鞘炎みたいになって手が上がらなくなって、そんなんで気力も続かず断念してしまいました。
学生当時、美術館は行きまくりましたね。大きな展覧会は欠かさずに。休みの日は毎週銀座の画廊巡り。刺激的だったな。シュルレアリズムの画家が来れば必ず見に行きました。ダダイズム、シュルレアリズム、ぞくぞくしましたね。自分にとっては芸術に目覚める登竜門みたいなものだったです。





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縄文式の竪穴住居
諏訪郡富士見町の『井戸尻遺跡 遺跡公園』にあります。敷地内には井戸尻考古館富士見町歴史民俗資料館があって通券で大人300円、この手の資料館って入ってみると大概がっかりする内容だったりするのですが、こちらの二館は今まで訪れた小規模資料館の中では断トツ、あまりの楽しさに写真を撮るのを忘れてしまいました。敷地内には縄文時代の作物を栽培してる畑なんかあったりして秋には収穫祭で雑穀がゆもふるまわれるそうです。近くに寄ったら是非一度行ってみてください。






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ところでシュルレアリズムとは作品を作り上げるうえでの制作手法ですから、それぞれの作品を横に並べて眺めてみれば同時代を共有する共通の雰囲気というものはそこに多少感じることはできますけど、個々の絵画、彫刻、映像、音楽はバラエティーに富んだ多彩なものです。意識の開放、無意識の探求という意味ではその多彩さはある意味、シュルレアリズムの芸術史における成功、必然だったのでしょう。
ただ、彼らの作品をどん欲にむさぼりくらいついていた当時から感じていたことなのですが、美術館に並べられた目の前にある作品からは多少の古臭さというものを感じていたのも事実。ダリやキリコやマグリットの絵を見るたびに感じていた一種の黴臭さ、過ぎ去ってしまった祭りのおしまい、ノスタルジックな過去の芸術、コンセプトが先行した全てのものが抱えるある種の宿命なのでしょうか。夢を解説する為の作られた夢、無意識を理解しようとする意識、狂気を模倣する理性、時間を語るのに私たちは時間の中でのみしか語り得ない、そんなアンビバレンツが彼らが手法を探求すればするほど逆に浮き彫りになってしまう。






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実験映画の上映会にもよく顔を出しました。ルイス・ブニュエルの映画を見てシュルレアリズムを表現するには映像が一番かななどと思ったりしました。
シュルレアリズムの作家からちょっと時代が下がって、ムーブメントの本流からは少し外れますが、フランシス・ベーコンが好きです。シュルレアリズムとは全く関係はないですが作家の内田百閒が好きです。
夢とうつつのはざまで語られる百閒の語り口は何らかのヒントを私に教えてくれているようです。

上の写真は有名な水煙渦巻文深鉢、教科書なんかにも載ってましたね。切手の絵柄で有名です。全く自由な造形、こんなところで見れると思ってもいませんでした。





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井戸尻考古館、本日の目玉
日本で初めて絵画というものをあしらった土器、日本初のイラスト、デザインですね。ガラスの反射で見ずらいですが下の部分に分娩する女性の姿が描かれています。






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再び北杜市は長坂町に戻って、アフリカンアートミュージアムのすぐ近く、こちらは清治芸術村、清春白樺美術館にあるラ・リューシュ / La Ruche と呼ばれる変わった建物です。
オリジナルはパリのモンパルナスにあるアトリエ兼住居、若き日のモジリアニ、シャガールが住んでいました。La Rucheは「ハチの巣」という意味、エッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェルの建築だそうです。老朽化が進み取り壊しが決定してるところを買い取ってこの場所に移築しようとしたところ、そんなことならばとフランス政府が保存に動いたとのこと。結果、移築を断念して全く同じものをこの敷地に再現したのがこの建物。
まるでブリューゲルのバベルの塔のよう。キリコの絵にもこんな赤い塔が出てきましたっけ。






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とても不思議な場所です
広い敷地に美術品を収蔵する建物が点在しています。
美術に全く興味のない人でもきっと楽しめる癒しの空間






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シュルレアリストの残してくれたもの、それは創作に対する自由な発想、芸術の原点。
考えてみれば現代の生活というものも、日々とてもシュールな時間なのかもしれません。

 「解剖台の上での、ミシンと雨傘との偶発的な出会い」

今まで出会ったことのないものが普通に出会う時代、そんな時代を毎日のように体験しているのが私たちの現代なのかもしれません。






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久しぶりの美術館
薄暗い教会に掲げられた大好きなルオーの銅版画、敷地に点在する不思議なオブジェ、静かな館内に展示された難解な現代絵画。
芸術に没頭していたあの頃を思い出します。芸術とは何なのか?創作とは何なのか?日々問いかけて街をさまよっていたあの日。そして今日は、
解らないものはわからないなりに、理解できないものは理解できない通りに、自分というプリズムをあるようにして、理解できないこと自体をそのままに楽しんでいる。
こんな贅沢な時間の感じ方は久しぶりかもしれない。






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閉館15分前にもかかわらず対応していただいた館長さん
閉館時間を優にオーバーしての滞在、その上案内までしていただいて本当にありがとうございました。
そして、清治芸術村を教えてくださった峠のギャラリー ぶらりのオーナー様、楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました!





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Robert Wyatt - Amber And The Amberines



Robert Wyatt - At Last I Am Free



Robert wyatt - memories of you





今夜も前の記事に引き続きロバート・ワイアットで










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