台風一過

2017.09.18 (Mon)
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昨夜は久しぶりにすごかった
台風が来てもこの辺は山の中だからでしょうか、そうそう、恐ろしいことにはならないのですが昨日の嵐は家がゆさゆさ揺れるほど、このまま屋根でも持ってかれてしまうんじゃないかと思うほど激しかった



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それでも、もともと災害の少ない地域らしく、被害といえばビニールハウスが二、三件破れていたり、背の高い作物が所々で倒れてたり。私のところも上野大根のマルチが少し剥げた程度だったので安心しました。
倒れて農道をふさいでいた杉の木は、朝見回りに行った時にはすでに切られてましたし。



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台風に何とか持ちこたえた村のゴミ捨て場
手が空いたら直さないといけませんね



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稲も倒れることなくあとは刈り入れを待つのみ
去年は秋の長雨のせいで例年にない出来の悪さ、田んぼもしばらく休んでいた初めての場所だったので端からどんどん倒れてしまってそれはひどいものでした
刈入れ目前にして大水にやられた映像をニュースで見る度、どんなに切ない思いをしているだろうかと、去年の倒れた私の稲を眺めただけで嫌になってたのを思えば想像もつかないほどの気持ちだろうな




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今年はお米にとってはいい年だったと思います
今から自分のお米を食べるのが楽しみです
百姓を初めて4年、実はこんな気持ちになったのは鞄を鍬に持ちかえてから初めて
もともと食には頓着ないほうで何食べても「おいしい~」で済ませちゃうのですが、こんな気持ちになってる自分が、少しは百姓らしくなれたのかなと内心ひそかに喜んでいる



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田植えの時期、悩みに悩んで、今年は除草剤を使わずにお米を作ることにしました
草が生えたら生えたでいいや、夏が来て草だらけになっていつもの通り泥だらけで田んぼを転がることになったとしても、ああ、バカなことした自分が悪いと後悔先に立たず、愚かな自分を恨めばいいや
半ばやけっぱちで完全無農薬に臨んでみたのですが、これが不思議や不思議、たとえ薬撒いたとしても必ず毎年稗で目が回るほどの思いをさせられるのに今年は一本たりとも伸びてきません。お隣の田んぼは稗育ててるのか米育ててるのかわからないほど盛大に草が伸び放題だというのに、結局、梅雨前に一回草取りしたっきりであとは何にもしないで済んでしまいました

そうそう、写真の伸びあがった巨大な草は雑草じゃないんですよ
マコモダケ、田んぼの空いたところに試しに十株ばかり植えてみました
来年、これを親株にして少し大きくやってみようと思ってます。



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なんで稗が生えなかったのか?
これさえわかれば百姓は本当に楽になるんですけど

通りすぎた台風、裏山の納屋も無事でした
いつ壊れてもおかしくないほどひしゃげたあばら家
でも赴きあるでしょ?東京にいた時はこんな小屋が自分のものになるなんて思ってもみなかった






Mungo Jerry - In The Summertime 






1970年、イギリスのバンド、マンゴ・ジェリーの世界的ヒット曲
夏の日差しに誘われて街に繰り出す田舎の浮かれたあんちゃんこ


さあ、夏はもう終わりです。







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アイヤッパへの道 vol.11

2017.09.14 (Thu)
政府転覆 第一節

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泊めてもらった友人のアパートはチェンナイの超高級住宅街。
隣にはインドで知らぬ人がいない映画俳優のお宅が。すぐ裏にはタミルナードの首相 の豪邸が控えています。




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政治家や映画俳優、軍関係者や企業の社長など、国の要人や著名人が居住する一等地。区画の入り口にはバリケードが設置され警察官が常時、警戒に当たっています。



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特にここ一か月は警備も百人単位で増員され、町中が警官だらけ。見るも物々しい超厳戒態勢です。

というのも、2016年12月4日、時のタミル・ナードゥ州総理大臣、友人宅の裏手に居を構える Chief Minister 『 J・ジャヤラリタ /J. Jayalalithaa 』が首相在任中に病気で死去してしまったからです。
その日から彼女の邸宅のあるこの街には何百人という警官たちがあふれ、日々報道陣がカメラをもって首相宅の門前に押しかけてきました。



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J・ジャヤラリタ女史
元タミルの映画女優、国民からアンマ・お母さんと慕われ、14年にわたって首相の座に君臨した大物女性政治家です。
政治に興味がなくともインドに行った方なら一度はその顔を見かけたことがあるかと思います。チェンナイを訪れれば街のあちこちに彼女の肖像画を見かけることができます。彼女は元女優、タミル・ナードゥの伝説的ヒロイン。彼女に限らずインドの政治家は映画出身者が非常に多く、彼女が所属した『 全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党 』の創設者、MGラマチャンドラン / M. G. Ramachandran も往年の映画俳優、銀幕の大スターでした。




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AIADMK歴代党首、若かりしときのお二人

インド人は映画が大好き。それも私たちが理解できないほど熱狂的に。スクリーンを見つめる観衆達は物語の主人公とともに悪党をバッタバッタとやっつけて、弱きを助け、絶世の美女と恋をする。初めてインドを旅した時に感じたのは彼らインド人はもしかしたら映画やテレビに映る架空の物語とニュース報道やパキスタンとの戦争の映像をごっちゃにして見ているのじゃないのかと、家族みんなでテレビの前に集まり瞬きもせず食い入るように見つめるそのまなざしには一種の恐怖すら覚えたものです。そんな彼らには画面に映し出された俳優たちを、主人公さながらに神格化してしまうのはお茶の子さいさい、映画スターのブロマイドがシバやビシュヌ、ブッタやキリストなどの神様達に交じって一緒くたに売られている。一度走り出したらもう手が付けられない、群衆の力の一端がその瞳の奥に垣間見えるようです。




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さて、彼女の死後、そのどさくさに紛れて党首の座に就いたのがこの人。ジャヤラリタの付き人で古くからのお友達、『V. K. Sasikala / サシカラ・ナタラジャン』です。過去、全く実績のない一介の秘書、元チーフ・ミニスターの身の周りのお世話をする単なる付き人だった彼女が、亡くなった女性首相のお友達だったというだけで突然州のトップに躍り出たのだから当の世間は大騒ぎ。国家の式典や記念行事、ことあるごとにテレビ画面に登場し、亡くなった前首相の弔いにさめざめと泣いて見せるその様子は部外者の私が見ても痛く滑稽で至極胡散臭く見えてしまう。この期に乗じて民衆たちは各支持政党に結集し、統一された真黒な衣装に身を包み、各地でデモ行進を繰り広げ気勢を上げる。たちまちタミルナードの政治は混乱の極みに達し、テレビの報道は日本さながらワイドショーの様相を呈してゆく。赤と黒を基調にした各党の党旗が町中を埋め尽くして、一触即発の事態のようです。

党旗のもと集まり来た群衆の周りを縫って走る白い車列、政治家が乗る車には赤や青のパトライトが付いていて、政治家御用車は緊急車両と同じ扱い。パトライトを点滅させれば信号無視もスピード違反も天下御免、警察や政治家、軍隊などの国家権力はそれはそれは絶対で民衆にとっては守ってくれる存在というよりは恐れおののく強大な暴力のようにみえます。



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インドの政治はしばしば暴力事件に発展します。インドの政治家はマフィアより怖いと友達は言います。
そういえば、何年前だったか、その友人が突然帰国することがあって、何かあったのかと聞くと彼の友人の政治家が殺されたから。今回のこの騒動でも、私が帰国した後のことですが、IADMKの議員がついに狂暴の犠牲になってしまったそうです。殺人の映像がネットにアップされているとかいないとか。ショッキングなものに耐性のある方は自己責任で探してみてください。

書いてるうちに私も暴走してしまったようです。今回のこの記事は独断、私見もかなり混じっているので、皆さま、すべてをうのみにすることなく、客観性を若干欠く部分もあるかとは思いますが何分実際に見てきた事柄をそのままの体温でお伝えしたいとその辺を重視しての筆の誤り、ご承知の上ご容赦のほどを。
さて、政府転覆第一節、初めての二部構成でございますが今夜はこの辺でお暇を。続く第二話も相変わらずのダークなトーンでの書き出しになりますがちょっと長いトンネルだと思って皆様しばしのお付き合いを。






The Au Pairs - it´s obvious








The Au Pairs - it´s obvious

あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる
あんたらは平等、でも違ってる

そんなの見え見え
そんなのバレバレ
そんなの見え見え
そんなのバレバレ


           訳 少彦名









アイヤッパへの道 vol.10

2017.08.03 (Thu)
第10話 インド人の日常

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連日のパーティは乾いた朝の光の中に溶けてゆき、遠方からやってきた親類、友人たちはまたの再開を誓い三々五々ホテルを去ってゆく。

写真は笑うブッタ / Laughing Buddha 日本でいう七福神の布袋さんです。流行しているのか、いろいろなところで目にします。
私たちも誰もいなくなったホテルを後に、チェンナイ市街の友人の家に移動します。




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リビングで就寝中の友人
アイヤッパ巡礼が終わるまではベットの上で寝てはいけません。
でも、巡礼云々に限らずインドを旅行していると普通に雑魚寝している姿を目にします。というか、ちゃんとベットで寝ているほうが珍しい気がします。

ということで、今夜はインドでよく見るインド人の日常、少彦名が見たインドのあるあるをご紹介いたしましょう。






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“朝起きると知らない人がたくさんいる”

家族なのか親戚なのか、はたまた友人なのか。入れ代わり立ち代わりたくさんの人が何食わぬ顔で普通に出入りしてます。そのうえ見ての通りに我が家のごとくにリラックス。どこからどこまでが家族でどの人が友人で、あ、この人はドライバーさん?主人も奥さんも特に気に留めるでもなく一緒に食事をして一緒にテレビを見てくつろいでおります。
赤いギターは私の旅の道ずれ、私が旅してきた国々を一緒にめぐって見分してきた気心の知れた相棒です。








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お手伝いさんの娘さん。
特に遠慮する様子もなく、家族のように接していました。
朝、一緒に朝食をとってこれから学校です。










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“テレビのチャンネルが500以上ある”

インドは 29 の州と、7つの連邦直轄領に分かれています。当然テレビ局もそれぞれがそれなりに放送していますから、全部まとめたらととんでもない数になるわけです。子供たちが楽しみにしているアニメはほとんどが日本製、ハットリくんもボタン一つで、タミル語からマラティ、ヒンディー語とバイリンガルで放送されています。
でも、どの地方の放送でもやっぱり決め台詞は『ニンニン』でした。

家で退屈しているときは大概 NHK を見てました。日本で見る番組よりも外国人向けにより日本色を前面に出した番組ばかりで、私も知らない日本があったりしてなかなか楽しめました。それにえらくおしゃれな構成で、美しい映像ばかり。おかたい日本の番組とは大違いです。日本食のクッキング番組には早見優さんがレギュラーで活躍してました。
番組と番組の間にちょっとしたコンサートのコーナーがあるのですが、それがまた出色のプログラム。海外のヒット曲を日本の楽器で演奏するのですがそれがまた誇らしいやら美しいやら、涙が出るほど素晴らしいのでちょっと一つだけご紹介しましょう。





Stairway to Heaven-Led Zeppelin
Japanese Cover-Nijugen-Koto



天国への階段  レッド・ツェッペリン 


それでは
お琴の美しい音色を楽しみながらお話の続きを










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“インド人は日本が大好き”

『一般参賀で集まった国民に手を振る天皇陛下御夫妻』
他国の元首のニュースが普通に新聞の記事になっています。取り立てて何があったわけでもないのに天皇陛下の写真が頻繁に新聞に掲載されます。もしかしたら日本の新聞より登場頻度が高いかもしれません。ちなみに、「私は日本から来ました」と答えると間髪入れずに「スーパーカントリー!!」と笑顔で叫びます。





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“笑顔が素敵”

もう、これは皆さんもよくご存知ですね。





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“南インドのほうが食事がおいしい”

これ、バックパッカーの常識。日本で普段目にするインド料理というといわゆるドロッとした北インドスタイルがほとんど。油が多めのこってりしたものを想像すると思いますが南インドのカレーは油控えめ。さらっとさっぱりした味付けが特徴。ハーブ系のフレッシュスパイスも多用して疲れた胃袋にも優しいさわやかでヘルシーな料理です。
南インドで定食を頼むと基本食べ放題です。お皿が空になるとつかつかっと小僧がやってきて無言で無造作にカレーをお皿に放り込んできます。もういりませんといわない限りこの無間地獄は続きますのでインド旅行の際はどうかご注意を。
スパイスは北に比べると辛い傾向にあって中には私でも食べられないのがあったりします。もし辛いの苦手という方はイドゥリやドーサなどを頼んでみてください。全くスパイスを使っていない食事もたくさんあるのでインドにつかれたときは南インドで胃袋を休めます。



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売り上げに貢献しないとね





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“インドのお菓子は甘い!”

甘すぎます!!砂糖の塊を食べているようです。手も口もすべてのものがベタベタになります。でも、慣れてくると無性にそれがたまらなくなります。乾燥した気候のせいでしょうか、熱風に吹かれて当てもなくさまよう体には即効果のあるカンフル剤です。





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“太ってます”

特に南インドの人は。お金持ちになればなるほどおなかが出てきます。そして太ってる人は、もてます。映画でもタミルの女優さんはふっくらしてます。ヒロインとしてはたぶん日本だとアウトのレベルです。でも、私は好きです。ふっくらしてる女性のほうが落ち着きます。
先ほど南インドの料理は油控えめでヘルシーとお話しさせていただきました。でも、あれだけ食べたら太るのは当たり前です。そのうえ夕食は就寝する直前に食べることが多いです。深夜、おなか一杯のまま布団に入ります。




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“非常に信仰深い”

誰もが知ってるインドのイメージですね。写真は友人のマンションにあるガネーシャの祠、インド人の生活はすべて宗教を中心に動いています。インドという国は地方で言葉も文化も人種も違う様々な国の寄せ集め、でもそれを一つにまとめているのが宗教。生活習慣からものの考え方から倫理観まで、すべては宗教を基本にしています。ヒンドゥ教=インドといってもいいかもしれません。インド人ならばイスラム教徒でもキリスト教徒でも、根底に流れるのはヒンドゥの教理のようです。
だからと言って日本人の私たちが彼らに引け目を感じることなどありませんよ。インドに行くたびに彼らと接触するたびに、私は日本人の持つ宗教性を深く感じることができます。私たちが普段意識することのない日本の日常にいきわたった良き日本の神々、「日本人は無宗教だから」などと脅しを使って近寄ってくるカルト信者にはくれぐれもご注意を。





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カーリーが憑依した人、みんなからお賽銭貰ってました。



“幽霊を異常に怖がる”

これは日本とインドの環境の違いからじゃないかと考えてます。
だって、インドで闇夜に山の中歩いてたらトラに食われるか蛇にかまれるか象に踏んづけられるかして死んでしまいますから。






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“カメラを向けるとポーズをとる”

別にあなたをとってるわけじゃないんだけど・・・








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“カラスが小さい”

というか日本のカラスがでかい。








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“ポトスがでかい”

おなじみの観葉植物、人の顔ぐらいあります。でも、これはまだ小さいほう。雨期になるともっとでかくなって子供一人乗れそうです。



ほかにも、シャワーは朝浴びるとか、朝起きたら忙しくてもチャイは必ず飲むとか、う〇こは左手で拭くとか、お金は右手で渡すとか。
インドのことがなんとなくわかったところで、最後に、インドの食事風景をご覧ください。お皿はバナナの葉っぱ、右手でひたすらにぎにぎしています。食べ終わった後はまるで舐めたかのようにお皿の上はピッカピカ。よくも指だけであんなにきれいに食べられるものかといつも感心します。
インド人の食べる様子を見ていると日本でよく話題に上る『カレーとご飯は混ぜるべきか』という議論がいかに不毛なものかよく理解できる事でしょう。そう、カレーの食べ方にはルールはないのです。けっこう、左手も使ってるし。





カレーを食べる人








松本城ビールフェスティバル中止

2017.07.31 (Mon)
緊急報道

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松本市教育委員会は今春改正した松本城公園の使用許可の運用を定める内規に基づき今年九月に開催される予定だった「ビアフェス信州クラフトビールフェスティバルin松本」の自粛を要請、中止に追い込んだ。
イベントの中止を決定したのは教育委員会の構成員
たった5名のロートル



『飲酒を伴うイベントは、史跡の品格にふさわしくないと判断した』



品格あるお前ら、一生酒飲むんじゃねーぞ!





教育部 教育政策課
〒390-0874 長野県松本市大手3丁目8番13号(大手事務所4階)
電話:0263-33-3980 FAX:0263-33-3934

追記
松本市教育委員会に電話で問い合わせたところ中止の理由をお堀周りの通路の拡張工事とイベントに伴うテントの造営等で一般の観光客の写真撮影等に支障をきたす恐れがあるため中止要請をかけたと説明を受けた。『品格』という報道はあくまで誤解で本意ではないとの言い分だった。
ビールフェスティバル開催予定日の一か月後、『信州・松本そば祭り』は予定通り開催される。あの説明は嘘のようだ。ある特定の文化を標的に圧力をかける行為はファシズムの何物でもない。






Throbbing Gristle / Hot on The Heels of Love



長野県は『教育県』 進学率が全国で29位。下から数えるほうが早い






アイヤッパへの道 vol.9

2017.07.28 (Fri)
第9話 Kabali

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マハーバリプラムの町は相変わらず鄙びていてそれでもバーだとかヨーロピアン好みのお店が増えました。
本当の一人旅なら一週間くらいはここで沈没してるでしょう。




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あてもなくバスに揺られているのは気持ちのいいものでインドのバスの座席はとてもリラックスできるしろものでもないですが、やっぱり帰りも学生さんたちが群がってきてゆっくり寝かせてはくれません。
退屈しないあっという間の二時間のバスの旅。






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初めて来たときはホームレスの子供がわんさかいたのですが今回はそう言った風景をほとんど目にしませんでした。
たぶんそんな場所にあまり行かなかったせいもありますが生活水準は目に見えてよくなっているようには思えます。





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夜はいつものようにいろいろな人が来て飲んだり食べたり歌ったり




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時には高級ホテルで映画界のセレブ達と優雅なお食事
同席したのは誰もが知ってる芸能人、そしてテーブルに並んだ高級料理は・・・やっぱりカレーなんですけども






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タミルナードのビール
なぜか金魚が「強いでっせ!」とプロデュース。インドのお酒に共通するのですが、発酵が中途半端なのか穀物の甘みというか雑味というかのど越しがあまりよくないんです。インドのビールはアルコール度数が高めでどれも鼻に重い香りが残ります。『British empire beer』 ラガービールで度数は6度。







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映画関係の人が多かったですね。
それもかなりの有名人、俳優さんだったり女優さんだったり、作曲家だったり監督だったり





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Ramya NSK タミルナードの有名歌手


ここでちょっとタミルの映画事情などを一つ
この方はインドでもとんでもなく有名な人のご家族。インドのチャップリンとまで言われたインド映画創世記のコメディアン、クリシュナン / N S Krishnan のお孫さん ラマヤ NSK です。
祖父の N S Krishnan は1950年代に活躍した俳優、歌手で初期のタミルナード映画界において重要な役割を担った人です。The Nadigar Sangam / South Indian Artistes' Association、南インド芸術家組合の初期会長も務め、その活動は芸術分野にとどまらず政治活動にも深く及んでいます。実際、何度か殺人を含む事件に巻き込まれ彼自身も刺されるなど相当危ない思いもしているようです。タミルタイガーという名前で思い出される方もいらっしゃるでしょう、彼が深くかかわったスリランカの内戦問題。当時のニュースだとタミルタイガーはタミル人の民族主義的テロリストと報じられることが多かったようですがタミルの人から聞く限りでは残虐の限りを尽くしていたのは当時のスリランカ政府、ジェノサイド『民族大虐殺』と非難されてもおかしくない状況だったようです。テロリストが乗っていると称して女、子供でいっぱいの難民船を襲撃、皆殺しにしたりタミル人の集落を襲っては焼き払うなど極悪非道の行いは日常茶飯事、一年間に5千人以上のタミル人が虐殺されたという記録も残っています。彼らタミル人の言を総合すると私たちが新聞やニュースの報道で見てきたものは偏向報道の度をはるかに越えている感があります。というのもインドの中央政府はデリーにある北インド中心、彼らにとってはスリランカ、および、スリランカをバックで支援するアメリカ、イギリスなどの欧米諸国と事を構えるよりもパキスタンのイスラム国家との紛争のほうが重大事案であり南インドで起きていることを国際問題として大きく取り上げることはあえてしなかったようなのです。要は日本に伝わる情報はすべてスリランカからの発信で、殺されてゆくタミルの民衆の声は世界には届かなかった。ともあれ、インドの映画界は政治とは非常に深いかかわりがあり、特にタミルナードは昔から政治的な関心が強い場所、もともとインドに古くから住んでいたドラビダ人の国、インドの古い伝統を担う誇りと中央政府との軋轢が特殊な政治観をこの地域に生み出しています。実際、私がインドにいた時も国を揺るがす大きな政治的問題がいくつも同時に起こっていて、先の俳優クリシュナンさんが会長を務めていた South Indian Artistes' Association に赴いて政治的支援に参加する羽目になったことはタミルナードという土地がインド国内でどういった位置にあるのかを改めて認識させられる出来事だったと感じています。
ちなみに、インドは29の州に別れ、タミルだけでも一億を超す日本よりも大きな国。インドとはそれぞれに言語文化の違う独立国家の集合した共和国と考えたほうがしっくりくる場合が多いです。

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タミルナードを知ってもらうためにちょっとばかり話が脱線しましたが、宴会はとても和やかに。彼女もプロの歌手で映画などで活躍する芸術家、おじいさんの歌った歌をみんなで合唱しました。








ENGHKEY THEYDUVEYN / N S Krishnan




アイヤッパ寺院への巡礼の旅、マイクロバスの長い長い道中の間、何本もタミルの映画を見せられました。言葉もわからず長いし退屈極まりなかったのですが何本かは見ていて、なるほどなという作品がありました。印象としては昔のようにただ歌って踊って恋をしてというファンタジー的なものよりもよりリアルで時には残酷でやるせない気持ちにさせる物語が多くなってきているようです。『太陽がいっぱい』を下敷きにしたのでしょうか、優しかった父親の死後、浮気を続ける母親と浮気相手が密会している自宅に火をつけて焼き殺してしまう子供、更生施設で十分な教育を受け出所した直後、ひょんなことで他人の名をかたりなりすまして大学に通うことになる。ルームメイトの大金持ちとは親友の中、しかし彼に自分の素性がばれそうになった時、もみ合って倒れた友人はテーブルに頭を打ち付けてそのまま死んでしまった・・・・思いがけぬ事件が重なり追い詰められてゆく孤独な一人の青年の一生を描いた悲しい物語。あいにく旅の都合で最後まで見ることができなかったのですが、この映画だけはもう一度見ておかないとと思ってます。題名は・・・・忘れました。


最後までしっかり見れた映画といえば日本でも『踊るマハラジャ』でおなじみのラジニカーント、セリフがわからないながら一気に退屈することなく見れた2016年、去年大ヒットした映画『カバリ/Kabali』です。スーパーヒーローの今回の役柄は、なんとダーティーな暗黒街のボス、冷酷非道なマフィアの親分です。『ロボット/Enthiran』などの以前の映画では、おとぎ話の主人公、完全無欠のヒーローを演じていた彼ですが、今回のこの作品では年齢も彼の実際の年齢そのままで、リアルちょい悪親父、等身大のラジニカーントを堪能できると大いに話題になりました。インド版リアル任侠やくざ映画です。死んだはずの人が生きていたり思いもよらない人が自分の子だったりとストーリー的に「ン?」てところも多少ありましたが、北野武のアウトレイジでも見ましたか?というほど殺し方がなかなかえげつない本格バイオレンス。次回作撮る気満々のエンディングもなかなかスタイリッシュでインド映画に全く興味のない映画ファンでも十分楽しめる力作に仕上がっています。巷の若者の間では「カバリラ!」が合言葉のようになっていました。





さて、今夜はちょっと、観光から離れて映画の評論の真似事などを。内容もいつになくハードな、初めての映画レビューでした。
それでは等身大で復活したスーパースター
「ラジニカーント」の活躍をお楽しみください。





Kabali / Rajinikanth / Neruppu Da






インドの友人はラジニさんとちょっとした知り合い
一度お会いしたいです




アイヤッパへの道 vol.8

2017.07.24 (Mon)
第8話 Mahabalipuram


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旅の途中で出会った美しい人、中国は上海のSandyさんに別れを告げ、後ろ髪を引かれる思いで少彦名は独り、マハーバリプラムの丘を登ってゆきました。
再び彼女の写真を載せた理由ですか?それは単なるアクセス稼ぎ、私のような世のスケベ紳士が放っておくはずはありません。

さてと、気を取り直して




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抜けるような青空、とにかく暑いです
海から近いので風がしっとり湿気があって暑いといってもまだまだいいのですが、それでも病み上がりの体にはこの直射日光はさすがに堪えます。



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7世紀から8世紀の古代遺跡、マハーバリプラムの寺院は岩山を切り出して作られています。それはそれはすさまじい熱意と労力です。

さて、今夜はこの少彦名がインドの名跡をガイドいたしましょう。
『マハーバリプラムの歩き方』 ささ、皆さま、くれぐれも私からはぐれないように。




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まずは牛の神様 『ナンディ』 
どこのお寺に行っても大概出会うことができます。第4話の乳海攪拌で生まれた牝牛と聖仙カシュヤパの子、シバはこの牝牛に乗って移動します。






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クリシュナをまつった洞窟寺院です。
クリシュナはビシュヌのアバター。維持の神、ビシュヌの化身の一つ。この寺院に描かれているのは、インドラとクリシュナの戦いの物語。古い神、雷神インドラを人々が恐れまつる様子を見て、そんな自然を恐れるよりも真理を学び人心を整えなさいと、今年のインドラ祭り中止!って村人達を諭したものだから当のインドラ怒りまくって大洪水を起こしちゃった。クリシュナはゴーヴァルダナ山を片手で差し上げて大雨からみんなを守りました。戦いにも勝ってインドラを撃退。バラモン教の神々がヒンドゥの新たな神にとって代わられる過渡期を描いた神話です。大洪水の話は旧約聖書などほかの宗教のなかでもいろいろと語られてます。






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マハーバリプラムにあって中心的彫刻
『Arjuna's Penance』 アルジュナの苦行です。アルジュナはマハーバーラタに出てくる英雄、シバとアルジュナの友情の物語です。インドの神様オールスター出演、真ん中の割れ目がインドの聖地、ガンジス川、その周りをインドの神話が巻物のように描かれています。レリーフの語る物語には様々な解釈があるようで、今後も新しい発見があるかもしれません。






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お父さんがお母さんの毛づくろいをしてあげてます。赤ちゃん子ザルがおっぱいを飲む仲睦ましいおさるの家族。





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石を積んで作ったのではありません。
岩をくりぬいて彫り出したガネーシャのお寺。ここにはこんな寺院がゴロゴロあります。





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Varaha Cave Temple
ビシュヌの化身、イノシシの顔を持つヴァラハとバラハの妻。母なる海、大地の母、ブーデヴィ / Bhuma DeviまたはBhudevi です。
バラハの手にはシャンカとチャクラ、 shankha はホラ貝、日本で仏事にホラ貝を吹いたり戦いのときに時の声として吹いたりするのはここからきています。chakraは法輪、チャクラムという鉄の輪でできた武器のこと。仏教でも煩悩を断ち切るものとして語られています。チャクラムと日本とのかかわりを謎の守屋神社のなかでちょこっと触れてますので興味があればのぞいてみてください。イノシシの神、バラハも大洪水から人々を守る神として神話の中に現れます。






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インドの人って写真が大好き
さあ、撮ってもらいなさい、お母さんの言われるままにカメラの前ではにかむ女の子。特に写真送ってとか後でいうわけではないんですけどね。





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Trivikrama、トリビクラーマ、またの名を Vāmana / ヴァーマナ。これまたビシュヌの化身です。
子供の乞食の姿でこの世に現れ三歩歩いた分だけ土地を頂戴と約束してそのあといきなり巨大化、世界を全部取っちゃった悪い子です。周りの神様たちがひえーと恐れおののいております。







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空が綺麗ですね
でも暑いです。カラータイマーが点灯し始めました。






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ヴィシュヌかな?ホラ貝とチャクラムを持っていると思われます。




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お隣、三神の中央はシヴァ。リンガ、石塔がありますから。




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左側がブラフマー
世界のすべてを作り出した創造神です。
しかし今ではほぼ信仰の対象となっていません。この辺がキリスト教と大きく異なるところ。ヒンドゥは世界を作り出した創造神に絶対的権力を与えることはなかったのです。






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紹介するのを忘れてました
Varaha Cave Temple のGajalakshmi、ラクシュミはビシュヌの奥さん、ガジャは象のこと。両側を象が囲んでいるのを特別に区別してガジャラクシュミと呼びます。ラクシュミは日本では吉祥天のこと。ちなみに吉祥天と双璧をなす美女の象徴、弁天様はサラスバティ、ブラフマーの奥さんです。ガジャラクシュミの二頭の白い象はブッタの誕生の象徴だといいます。また、ガジャラクシュミをブッタの母、Mahamaya 摩耶夫人と同一視することもあるようです。が、しかしながらこれらは後年、後付けでくっつけた民間信仰の一つでしょう。バラモン教から誕生した二つの宗教、仏教とヒンドゥ教はその様相を磁石の両極端として、ヒンドゥ教は世界のすべての神々を肯定し受け入れることで世界に安定をもたらし、仏教はあらゆる神を否定することで現世に平和を願った。やり方は全く異なりますが目指すところは一緒のようです。ちなみにブッタもヒンドゥではビシュヌの化身の一つになります。







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最後に紹介するのはバターボール。
丘の斜面で踏ん張っている不思議な大岩です。
写真は観光客にしっぽを踏んづけられていそいそと逃げだす一匹の野良犬。また新しく日陰の寝床を見つけなければなりません。






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ここ来るとみんなこれやります。
わかっていても見ているほうはハラハラします。






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今夜の少彦名観光ツアーはこれでおしまい。
でも、実は見どころの半分もご紹介していません。やっぱり病み上がりにこの暑さはしんどい。前に一度来て見ているし、またくることもあるかとおもって帰ってきました。でも、結局マハーバリプラムに再度訪れることは無く、無理してでも周っておけばよかったと今になって後悔しています。写真は帰りのバスであった女の子、メヘンディというヘナで手のひらに模様を描くインドのおしゃれです。








Daler Mehndi - Bolo Ta Ra Ra





この方はインドのミュージシャン、ダーラ・メヘンディ、先ほどのおしゃれ、‎MEHNDI と同じ名前です。私がひそかに音楽の師匠とお慕いしてる方。インドの西方、砂漠の地、ラジャスタンの出身です。インド国内で不動の地位を獲得した彼でしたが、日本で行われたコンサートの来日の際に人身売買目的で同行者の不法入国を斡旋、逮捕された上に本国で実刑を受けその名声は一瞬で地に落ちました。それでも彼の音楽は輝きを失ってはいない。芸術自体には罪はないですから。




Daler Mehndi - Dardi Rab Rab Kardi




Daler Mehndi - Ho Jayegi Balle Balle




Daler Mehndi - Tunak Tunak Tun













アイヤッパへの道 vol.7

2017.07.21 (Fri)
第7話 初めてのおつかい

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その日も朝早くから起きだして、みんな明け方近くまで騒いでいましたので起きているのは私一人。同居人を起こさないようにシャワーを浴びてひげをそって、カメラと着替えのTシャツをナップザックに詰めたら、おっと、かぜ薬も持って行かないと。レストランで軽く、ウタパンとオレンジジュースで朝食を済ませてホテルのガードマンさんに聞いていたとおりにハイウエーを横切ってローカルバスのバス停に向かいます。










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バス停といっても日本のように目印があるわけでもなく、三々五々、人が集まっているところに、『この辺かなぁ』とあたりをつけて一緒になってバスを待ちます。







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ちょうど通学、出勤の時間だったのでバスの中は結構混んでます。
大学生かな、女学生がたくさん、ファッションのこととか話してるのでしょうか、学校までの道のり、友達と思い思いに会話を楽しんでいます。
みんなには黙って出てきてしまいましたからあとでこっぴどく叱られるんでしょうね。でも、せっかくインドまで来たんですから一日ホテルでボケっとしているわけにはまいりません。体の調子もあまりよくないけれど具合が悪くなったら引き返せばいいことだし、とにかく今年初めての『初めての一人旅』なのであります。





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途中、目の前の席がちょうど空きまして座らせていただきました。本来なら女性に席を譲るところですがそういう訳にも参りません。
これは決して体の調子が悪いからというわけではなく、なぜならインドのバス、インドのほかの地域は知りません、チェンナイの市内バスは右の座席が男性、左の座席が女性、そう決まっているのです。混んでいましたが吊革につかまって立っている男性は私一人、あとは女性ばかりです。気兼ねなく座らせていただきます。






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乗り換え地点、タンバラム/Tambaram に到着。大きな町です。近くに駅もあってバスターミナルとしてもかなり巨大なチェンナイ郊外の交通の要所、当然排気ガスもすごいです。また喉をやられてしまいます。





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雑踏の行き交う歩道の地べたに店を広げている露天でバナナ買って、そのバナナをつまみながら次のバスはどこかいな、出発前はすぐに見つかると高をくくっていましたがこれだけ巨大だと初めての訪問者としては、それもタミル語のわからない日本人にとって乗り換えのバスを見つけるのは至難の業、目的地まで出るバスの本数はそれほど多くないとみてますし、乗り遅れてこんなところで待ちぼうけでは病み上がりの体は干からびてしまいます。それでもあちこち聞きまくった挙句やっと乗り換えることができました。
でも、こういったハラハラ感って一人旅の醍醐味なんですよね。









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一番前の席に陣取って、左側の席だけど大丈夫?ほかのお客さんに目くばせしたら皆さん座っていいですよって。混んでいなかったからいいのか、この路線はいいのか、私が日本人だからよかったのかわかりませんが絶対に右が男性、左が女性ということでもないようです。





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途中、海の見える海岸線を走り二時間近くかけてやっと到着いたしました。南インド屈指の観光地、マハーバリプラムです。





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二度目の訪問、一度目に訪れたのはもうずいぶんと前、10年以上昔のことです。そのころとは街の様子は変わっているでしょうか?以前は石屋が点在していたほんの小さな村だった記憶があります。
さて子手始めに終着駅のすぐ目の前、スタルラサヤナ・ペルマル寺院 / Sthala Sayana Perumal Temple にお参りです。
二枚上の写真が全景、南インド寺院特有のゴプラム、塔門が見えます。
現在修復中のようですが屋根の上に『 アナンタ / Ananta 』寝そべったビシュヌの化身を見ることができます。ということはこの寺院はビシュヌをまつったもの、第4話でもお話ししましたがビシュヌはたくさんのアバターを持っています。ヒンドゥ教はたくさんの神話、無数の土着の神々が集合してできたもの、形があってないような不思議な宗教です。しかし一定の経典もない、一見とらえどころのない神話と教理、教義の集合体ですが、しかしながら私はこれこそが自然な形の本当の宗教だと思っています。
マハーバリプラム / Mahabalipuram は古代インドの寺院群が見れる考古学的に貴重な場所です。ガイドブックに載っている名跡を見て回るのもいいですが、現在、こうして日常的に機能している寺院もぜひ訪れたいものです。





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中は暗く静かで、ちょうどお昼時でしたから信者の方の数も少なくゆっくりお参りすることができました。昨夜の初もうではあいにくお寺が閉まっていましたのでこれが本当の今年初めての初もうで、途中、白髪の老人が手招きして私の全くわからないタミル語でお寺のガイドを始めましたが境内を連れ立って歩くその途中、私の目の隅に一瞬映った麗しきたおやかなる人影、その影は寺院の暗闇の中を柱から柱へ、私の前を蝶のように見え隠れしては通り過ぎてゆきます。
もうすでに、老人の声は耳に届きはしません。




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長い長い説明の後、予想していた通り右手を目の前に差し出す老人。彼には申し訳ありませんが追い払う意味もかねて最初から予想していた案内料のチップを渡すと、私、普段ならそんなお金を容易に渡すなんて、そんなことしませんよ。勝手に近づいてきて説明し始める人って観光地にはよくいます。まれに寺男の方が説明してくれる時がありますがそういう人はあちらからチップを請求する事はありません。そういう時はこちらから感謝の意味も込めてお布施致します。
でも、正月だし、おじいさん、とても人がよさそうだし、目的を果たした老人は小さい体をくの字に曲げてその場を離れていきましたから、二人きりになったところを見計らってさっそく彼女に話しかけてみました。見た感じ、地元の人とは見えないし、ヨーロッパの人でもなさそうだし、彼女もこちらには興味があったみたいで快く挨拶をしてくれました。






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上海からやってきた中国の方だそうです。
今年初めて会った、それも特別美人なお嬢さん。もう明日にはデリーに発ってしまうということで、残念、再開は果たせずじまいでしたがこんなきれいな人と一瞬でも巡り合えたのは本当に幸運なことなのでしょう。
メルアドやら電話やらしっかり聞けばいいものを、私のブログの文面では全く感じることはできないでしょうが私は元来女性に対しては非常に奥手な者で、え、信じられないって?この日のようにこちらから声をかけるなんて本当に珍しいことなので、しかしながら寺院の中で私と彼女二人きり、旅行者同し無視するのも後々気まずいし。勇気を振り絞って声をかけた次第でございます。ちょっと話は変わりますが、私の長い人生の中でいまだかつてこちらから女性に交際を申し込んだことはありません。だいたいが女性のほうから、いわゆる逆ナンてやつです。しかしそれも今は昔、遠い過去の物語。だいたい山にはシカやキツネはいても女性は森には生えていませんから。






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誠にやることなすことじれったい少彦名ですが、今夜のお話はこの辺で。
肝心のマハーバリプラムの観光写真は次回掲載いたしましょうか。観光地の写真は巷に溢れていますので特に目新しい記事にはなりませんけど、折角撮ってきた写真だから次回もお付き合いのほどをよろしくお願いいたします。









Wo Wo Ni Ni 我我 你你 ‐ Dick Lee






当ブログ、唯一の二度目の登場
もう二度と会うことのできないあの人に













アイヤッパへの道 vol.6

2017.07.19 (Wed)
第6話 盲目の音楽家

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今年の正月はインドで、尚且つインドのインフルエンザで一月一日から寝込んでいました。
ホテル内は来賓のお客で大賑わいしている中、独り青い顔で寝込んでいる日本人、
今年は元旦から何もかもが普通とは違います



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2017年、病み上がり最初の食事
日本人はお蕎麦でしょってことでお勧めで出てきたけど、麺にはうるさい日本人だから・・・
申し訳ないけどやっぱり正月は雑煮ですね



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そのうち部屋が満室ということで移動することに
一部屋を一人で独占することはできないのでみんなと相部屋に
彼らインド人はそれこそ雑魚寝には慣れていて逆に一人で寝ることのほうが少ないくらい
病人なのでベットは何とか確保できましたが寝ているそばから連日のパーティーで酔っ払って帰ってきたのが床で寝るわ鼾はかくわ、頼むからクーラーだけはかけないでねとあれだけ言ったのに凍えるくらいにクーラーかけ始めてインドでも東南アジアでも馬鹿みたいに冷房をかけておかげで旅行のたんびに体調を崩すという経験は旅慣れた人なら一度や二度は経験しているはず。このままでは本当に殺されてしまうと、今夜はもうベットで寝るのはあきらめよう。毛布片手に部屋を抜け出して廊下のソファーにシーツにてくるまって熱い体を休めていたら、いったいなんでそんなとこに寝ているととがめられ、これこれしかじか、やんごとなき理由を話しまして、それだったらこっちの部屋でおやすみなさい、先客がいるけど彼は冷房かけないから。

寝ている先客を起こさないように真っ暗な中忍び足で指定された部屋のベットに。荷物は明日取りに行けばいいし、とりあえずこのまま寝てしまいましょう。暗闇の中電気も点けづにこっそりと、でもよくよく考えてみたら同室になったのは目の見えないお目くらさんのミュージシャン。電気つけようがつけまいが一向に関係なかったんです。





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おかげさまで次の朝は昨日よりもだいぶ調子が戻って、のどは相変わらず痛いけれども気持ちよく目覚めることができました。隣のベットでは先客が何も知らずにすやすや眠っています。テレビをつけるわけにもいかず、シャワーを浴びることもできず、ただぼけっと外を眺めていますとのど元がむずむずと、ついに我慢しきれず、喉の底の胸の奥から大きな咳を続けざまにこんこんと。突然の咳の音で起きてしまった同居人、もぞもぞとシーツの中で寝返りを打ち半身を引き起こして「誰ですか?」と虚空を見上げて問いかける。

「私はジャパニ、おはようございます!」

その時の彼のあわてっぷりったらなかったです。「あ、いや、日本人、これは、その、とんだことで、こりゃ大変、大変な失礼を・・・・」
今まで寝ていたベットから飛び起きて、まるで宙を泳ぐように手足をバタバタさせて、最終的にはベットの上で正座してしまいました。その様子を腹を抱えて笑う私は、咳と笑いでむせ返りながら自分の名前とあいさつと、そんなに慌てなくていいですよと彼をなだめるのとをいっぺんにしなければいけませんでした。



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同室のよしみ、これからしばらく、どうぞよろしくお願いします

彼は音楽の教師で、でも正規雇用ではないので暮らしはなかなか厳しいそうです。子供が一人いて奥さんも優しい人。
どこの国でもそうですが特にインドだとハンディキャップのある人にはとても親切な印象があります。目が見えないのも、足が不自由なのも神様のお考え、神様が与えた何かのしるしのように神聖視することもあります。
お目くらさんといえば私の好きな作家、内田百閒の作品にちょくちょく顔を出す宮城道雄を思い出します。いわずと知れたお琴の大家で百閒とは親友の中、幼少のころに失明し百閒は彼のことを『お目くらさん』と親しみを込めて呼んでいます。百閒が彼の家に行くといつも部屋は真っ暗で右も左もわからない、その様子を宮城検校は、健常者というものは誠に不便ですね、と揶揄します。



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事あるごとに彼の世話をし、彼も安心して私に何かを頼んでくる
風呂場の歯磨き粉を取ってあげたり、笛がニ十本も入っている重いバックを持ってきてあげたり。こんなことを言うととても僭越ですが人の役に立てるのは至極気持ちのいいこと、正月から思わず心安らかな平和な日々を新しい友と過ごすことになりました。



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夜は初詣、なのかな?
インドに初もうではあるのか知らないけど、だいたい事あるごとにお寺に行きますから初も最後もないのかもしれませんけど、私としては心新たに迎える新年ですから何かいいことがあるようにと強くお願い申し上げます



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この旅は観光地というものにまず縁がない旅行なのでインド紀行としては物足りないかもしれませんがしばしお付き合いを
それでは今夜はお話の最後に彼の演奏を聞いてください。
路傍の花売りも、海岸の魚屋も、盲人の笛吹きも、今は遠く離れた友人たちに思いをはせて
















最後は音楽の先生によるかわいい授業













アイヤッパへの道 vol.5

2017.07.17 (Mon)
第5話  Unhappy New Year

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空港に降りたその日のうちにのどをやられ、インドでの大みそかはついにベットの中で迎えることになりました。
胸の奥のほうからこみあげてくる重たい咳、始まると呼吸困難になるほど止まりません。
空気は非常に乾燥していて日本でもインフルエンザのはやる時期。大気の汚染もありますが日本人にとって全く免疫のない未知のウイルスが悪さをしているのでしょう。
きっと計ったら40度近く熱はあったと思います。




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インドの薬を飲んで半病人ながらなんとかパーティーに出席
突貫工事で仕上げていた地下のラウンジは作業完了して見事、パーティーに間に合わせることができました。
お友達から親類から、映画俳優から政治家から2~300人はゆうにいるでしょうか、元気だったら賑やかにやるんでしょうけど、音楽も耳に入らない。



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プロの歌い手さん、映画なんかでも歌ってて有名な人だそうです。女性のほうは親類だったかな、お嫁に来て今は普通の主婦をやってます。




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映画業界の面々
日本で撮影する際はよろしくお願いいたします。





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宴も最高潮、私の体温も限界に近付いております。




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ホテル・ヒラリティ・インのスタッフ
笑顔のかわいい明るい人たちばかり
この笑顔がインドの何よりのおもてなしです。






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カウントダウンでハッピーニューイヤー
ホテルのお客さんも、近所の住人も交えての新年の宴
日本から3時間30分遅れのあけましておめでとう






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なんとか新年を迎えることだけはできました
地元のコーラをもらって部屋に退散、「Bovonto」はタミルナードの飲料メーカー、一本50円くらいです。
昔はチェンナイ市内に300の飲料メーカーがあったそうで、コカ・コーラやペプシとの競争で現在残ったのはこの会社を含めてほんの数社、日本でいえばチェリオみたいな会社かな。
味は炭酸弱め、チェリーコーラみたいな味がするけど後でホームページ見たらブドウのフレーバで風味付けしてるんだって。
余談ですが3月にインドの流通業者がコカ・コーラやペプシのボイコットを打ち出したそうです。実はタミルナードは去年から続く大干ばつ、大義名分としては地下水を大量に汲み上げる巨大企業への制裁という意味も大いにあるのでしょうが地元に愛される企業を守りたいという地元っ子のタミル魂が運動を下支えしているようです。

残念ながらせっかくのパーティーなのに今日は書けることがあまりありません。日記の体裁を整えるための関係ないこんな与太話のみ。しかしインド紀行文のインドの新年、一つの区切りとして書いておかないと。
さて、早く治して明日から仕切り直しです。







Disco Dancer (1982)
Auva Auva Koi Yahan Nache





ホテルの部屋のカーテンと重なってニューイヤーパーティーのミラーボールの光が熱に浮かされた目ににじんで見える。ベットに横たわる私は現実と幻のはざまで、沸騰する脳みその中は歌い踊る歌姫のコーラスと交錯するまばゆいネオンで私の体は無限の宇宙に放り出されてしまいました。私は誰?ここはどこ?それでも病床のあの切ない孤独感がないのはきっとたくさんの友達に囲まれているからでしょう。
第一話、アイヤッパへの道 vol.1でも紹介した映画『Disco Dancer』の挿入歌、イギリスのバンド、バグルスの曲『ラジオ・スターの悲劇』の丸パクリです。作曲したのはカルカッタの巨匠、『バッパ・ラヒリ/BAPPI LAHIRI』以前紹介した曲と合わせてご堪能ください。私のようにおかしな気持ちになりたい人はBAPPI LAHIRIで検索するといいかもしれません。変な曲ばっかり。




Bappi Lahiri
Yaad Aa Raha Hai Tera Pyar Kahan Hum Kahan





バッパ・ラヒリの作品、『ディスコ・ダンサー』からもう一曲、こちらもなかなかのもの。結構いろんなところで耳にします。ところでそんなにギター振り回したら危ないって!
この映画は世界的に好調な興行をあげたようで、意外なところではソ連などでも大ヒットしています。
映画と同名の曲、アメリカのテクノバンド『ディヴォ/DEVO』のDisco Dancerはこの映画にインスパイアされて制作された曲。




The Buggles - Video Killed The Radio Star




元曲がこれ
とりあえずちゃっちゃと簡単に済ませようと思ったら、今日もしっかり書き込んでしまいました。
ア♪ハナチェナチェ・ハナチェナチェ♪












木陰で一休み

2017.07.11 (Tue)
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あまりに暑いのでインド紀行はちょと一休み。
皆様には信州の夏でお楽しみください




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予報だと午後は雨って言ってたから苗植えようかと途中までやってたらなんだか一向に雨の気配なんてなし
帰って天気予報確認したら終日ピーカンじゃないの
予定変更で、植え付けたものには水やり、サツマイモの草取りして上野大根の畑の準備にトラクター走らせて、ふっと顔上げたらいい眺めじゃないの。


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上野大根の畑に緑肥で漉き込むそばの花
来年の畑のために実をならせて種を取ります




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そばの花に蜂が集まってものすごい音でぶんぶんいってます






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今年もまたおかしいです。
九州では恐ろしいほど雨が降っているのにこちらは全く。
山の裏で土砂降りでもここだけ雲に嫌われたようにぽっかりと青空が広がってます。先日、一時に一か月分の雨が降りましたがいっぺんに降られても迷惑なだけ。全く予測が立ちません。
ジャガイモは皆さんダメ見たいです。雨が降らないのと春先寒かったのとで生育が遅れて、まだ小さいうちに今度は少雨のせいで異常発生したニジュウヤホシテントウに丸裸にされて次々に枯れていってます。
どうも見ていると『とうや』という品種がやられているようです。いわゆる男爵イモ、丸っとしてごつごつした種類。私の畑はピルカというメークインの一種と紫の三色でしたのでとうや以外の二つは何とか持ちこたえて大丈夫なようです。







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今日やっと花が咲き始めたモロッコインゲン
種まきをずらしたつもりがやっぱり今年の気候のせいでみんな成長がそろっちゃった。
延べ耕作長さ、200メートル、いっぺんに出来上がったらとてもじゃないけど一人じゃ対処できません。
考えただけでも恐ろしい。誰か助けに来てくれないかな



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あと十日
暑い夏がやってきます






Blue Cheer - Summertime Blues





めちゃかっこいいですね。おバカが過ぎて突き抜けちゃってます。
ブルー・チェアー、1968年結成のアメリカンバンド、古いなんて言わせない、究極のスリーピースです。俺らはこれがやりたいんだ!ファズを目いっぱいかけたギターがそう叫んでます。下手な飾りなんて必要なし、俺にはギターさえあればいい!その辺のカッコつけてるなんちゃってミュージシャン、かっこいいのとカッコつけてんのとは意味が違うんですぜ。
ヘビメタの元祖とか言われてるみたいだけどどんなに早引きがうまくたって彼らの足元には到底及ばない。にーさん、この曲、ライブでカバーしたら盛り上がりますぜ。






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このジャケのアナログ盤、見当たらないけど廃版なのかな
いくらで売れるんだろう?ねえ、中古屋さん




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