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暗夜行路

2016.09.16 (Fri)
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9月3日
100均で買ったランタンと懐中電灯を片手に畑に出る
みんなより5日遅れて漆黒の暗闇の中
独り上野大根の種をまく

この1か月
つらいことばかりで本当に百姓をやめようと思った
辛いのはいつものことだ
しかし辛いなりにもそれなりに希望はあるもの

絶望の横顔を真正面に見据える恐怖は何より耐え難い


みんなの前では嫌なことはなるべく書きたくない
辛いときはなるべくこのページにはいきたくない
『学校の窓ガラスを割ってまわった』なんて
女々しい愚痴を人前で叫ぶようなみっともないことはしたくない

しかし今回だけは聞いてください
つまらない独り言として



P1018190.jpg


夜の山は意外と騒々しい

聞いたこともないような獣のうなり声が森の闇にうずくまっている
畑に灯る小さな燈明に向け四方から鹿の甲高い声が響き渡る
姿の見えない大きな鳥が不気味にさけびながら頭上を飛んでゆく
暗闇を埋め尽くすように虫たちの小さな声がさざ波のように折り重なる

でも、怖いなんて一つも感じない
今まいているこの種が一つも実らないことのほうが百倍恐ろしい


大根もやめてしまおうかと思っていた
すっかりやめてしまえばどんなに清清することだろう
でも、こうして、それもよりによってこんな夜中に
畑に一人、種をまいている
そのうちにばかばかしくなってなんだか笑えてくる
今、種を蒔かなければ泣くことさえもできない





P1018200.jpg



半分もいかないうちに夜が白みかけてきた
夜露で土が湿って土を突く指にまとわりつく
それでも一粒一粒祈るように土に埋め込んでゆく


『悩みに重さはない』
大学の時の友達の言葉だ
他人が見ればどんな些細な悩み事でもその本人にとっては一大事ということ
思春期の諸君にとっては悩むことは一つの仕事のようなものだった

京野君は色白のどこか陰りのある妖艶な美男子
ちょっとその辺ではめったにお目にかかれない美しい男だった
彼は俺のことを『反社会的モラリスト』と評していた
一見した冷たいイメージとは違って話してみるとなかなか面白い奴だった
見てくれの美しさと中身の天然さが面白いコントラスト
二人はすぐにうちとけた
そんな私も若いころはそこそこ人目を惹く好男子
自分で言うのもなんだが洒落モノの二人がさっそうと街を歩いている姿はなかなか壮観なものだった




P1018203.jpg



サッカーワールドカップの最終予選を見た
テレビの音を消して代わりにジャズをかけながら見た
前半はルー・ドナルドソンの "Alligator Bogaloo"
ハーフ後半はチャーリー・ミンガスの“Mingus Ah Um”
なかなかおもしろかった。ピッチを駆け抜ける選手たちが音符のように躍動した
全力で敵にぶつかる彼らの悲壮感が妙に浮き立った
それが余計に滑稽にも見えた
試合は負けてしまった
あの審判はオイルマネーの大富豪からいくらせしめたのだろう?まあ、アラブの金持ちのやることはいつだってこんなものだ
それでも肩を怒らせて観戦していた私はジャズと真剣勝負のはざまで少し気が楽になった





P1018215.jpg


夜がすっかり明けたころ
終わったのはやっと半分
あと残り8000粒の小さな種
畑の畔にはおにぎりとビール
今日は終わるまで家には帰れない








Iggy Pop  / The Passenger





俺はただの乗客
何度も何度も乗り継いで
町の裏通りを通り過ぎるだけ
窓にはまばゆいばかりの星たち
輝く星々とあんぐり口を開けた黒い空
そうさ、今夜の眺めは最高さ














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コメント
どこに向かって旅してるんですか。

出来る男は、ついつい許容量を超えてしまう。
やるならやる、止めるなら全部止める、中途半端はキライ!!
少彦名さんの気持ち、よく解ります。
「俺、なんでこんな事してるうだろう」って、何度も思った事、経験した事があります。
今は、全部投げ出して楽に成りました。(笑)

最後はジャズじゃなくってパンクですか、少彦名さんらしいですね。
壊れないで下さいね。(愛)


kotobuki | 2016.09.17 07:21 | 編集
昔、家庭が壊れたときのことを思い出します。

夫からの精神的、金銭的DVの果ての離婚。ガンで大手術を受けてすぐ仕事を再開。登山記事を書くために片手でお腹の傷を押さえつつ山へ登りました。

消えてしまえば楽だよなあという思いと闘いつつ、とにかく食べていくことばかり考えていたので貧乏で、二人の息子はほったらかし。自分の心を立て直すことで精いっぱいでした。
だから寂しい家、いつも緊張した顔の冷たい母親でしたね。

放浪生活をしていたという息子から「自殺も考えた」と打ち明けられたときは、本当に申し訳なかったと思いました。と同時によくぞ生きていてくれたと息子に感謝しました。

長男は今も細々とした不安定な暮らしではありますが、40歳過ぎて良縁に恵まれ、2児の父に。
私のガンはそれっきり。ガンの方があきれたんでしょうか。もう30年もたちました。

人生は綱渡り、ですね。
雨宮清子(ちから姫) | 2016.09.17 17:07 | 編集
毎日訪ねてはあら~どうされたのかな?
何かあったのかな~勝手な想像してました。

大丈夫です人は苦しみ叩かれどん底に落とされても
這い上がってこれます。

死んだほうが楽一時期そんな精神状態の時も
ありました。
そんなとき多くの人に声掛けられて助かりました。

sukunahko さんなら大丈夫です!
苦しい時は辛い時は吐き出してください~
必ず闇から抜け出せます。

一人で苦しまないでください!
陰ながら応援してますよ~
みなさんのエールが必ず小さくてパワーに
なります。
よっこたん | 2016.09.17 19:20 | 編集
真っ白いピッカピッカの大根さんが 元気に育ちます様に!
祈っていますよ〜♪
優 | 2016.09.17 21:20 | 編集
sukunahikoさんお久しぶりです。
どういう状況なのかはよく分かりませんが、苦しんでらっしゃる事がひしひしと伝わってきて痛いほどです;;
何を言ってあげられるのか、その言葉が出てきませんが・・・
ただ、私の経験からすると、結果論ですが、辛い時というのは自分が変われる時だと思うし、もしかしたら多分変わらないといけない時でもあるのかもしれません。
頑張ってくださいね!
Hide | 2016.09.18 08:27 | 編集
お久しぶりです。
絶望…、普通に生きていたら、誰しも人生の
中で一度は出会うことがあるのではないでしょうか…、
自分の気持ちが完全に飲み込まれてしまうかどうかが
運命を分けるように思います。

まだ生きていても良い運命であれば、自分自身が生きて
いるべきではないと思っても、生かされますよ。

絶望の時が過ぎ去り、変化が生まれることを陰ながら
お祈りしています。


citystranger | 2016.09.18 22:10 | 編集
お帰り~
待ってたよ!
カレーリーフ・久美子 | 2016.09.19 20:43 | 編集
いろんなことを栄養にしたおいしい大根がたくさん収穫できますように。
pukupuku | 2016.09.20 14:04 | 編集
少名彦さんの音楽を聴いたりしてました。
なかなか気に入ってます。
はじめてコメント入れました。
私は信州の南のほうの出身です。
ブログ楽しみにしています。
イッセイ・ホンダ | 2016.09.20 19:21 | 編集
何時もご訪問有り難うございます。
・・夜夜中、大根の種まき。
何か哲学的?。
それにしても夜空の星が綺麗!・・見たいですね。
横浜では星はあまり見えません。
楽しく拝見しました。有り難うございました。
走れ‼でんどう三輪車 | 2016.09.20 23:02 | 編集
こんばんは
>悩みに重さはない
まさにその通りですね。私も悩みを抱えていますがそれを言うと「またそんなこと言ってる」とか言われてしまう。それが私にはとてつもなく大きな悩みであっても夫という名の他人には取るに足りない、くだらないものなのでしょう。
少彦名さんの悩みや苦しみを、少しでも私も分かちたい。そう思いました。
見張り員 | 2016.09.22 19:53 | 編集
みなさん、ありがとう!
まだ状況が変わっているわけではありませんがおかげで気持ちはだいぶ楽になりました

これから東京に行ってきます
帰ったら改めてご返事させていただきます
ありがとう
sukunahikona | 2016.09.23 08:18 | 編集
kotobukiさん

何でこんなこと書いたかというときっと誰かに慰めてもらいたくて書いたんだと思います。
きっとこんなことが言えるうちはまだまだどん底までは行きついていないのかなと
できる男でも何でもないですが何とか踏みとどまってやってきます
sukunahikona | 2016.10.11 17:26 | 編集
ちから姫さん

コメントありがとうございます
大変な時って自分だけが辛いんだと思ってしまいますね。頭の中がいっぱいでそれこそ目の前のものも見えなくなる。でも、目の前のことをかたずけない限り前には進めないんですけど
女性は強いなぁ、なんてひとくくりにしてはいけませんが、この短いコメントを読んだだけでもとてもじゃありませんがこの私では乗り越えられないよな、と思ってしまうあたり、まだまだで、ガンがあきらめてしまうくらいの精神力は私の理解を超えて『女性は強いなぁ』という言葉に行き着くほかありません。
こんなお話をいただけただけでもこのブログを書いてよかったと感じています。ありがとうございます
sukunahikona | 2016.10.11 17:38 | 編集
よっこたん さん

励ましの言葉ありがとうございます
丸々一日、誰とも会わない話さない日が当たり前にあるので一度トンネルに入るとなかなか抜け出すことができません。そのうえ、トンネルの先にまたトンネルがあるんだと考えるとさて、引き返すこともできない一本道をこの先かけていけるのかどうか
こうやって言葉をかけてもらえるのはそれでも幸せ者だと思ってます
皆さんの言葉をともしびに何とか歩いて行こうと思います
sukunahikona | 2016.10.11 17:52 | 編集
優さん
祈ってください
この大雨でぬかるんだ畑でしっかり実ることをお祈りしてください
sukunahikona | 2016.10.11 17:53 | 編集
Hideさん
ありがとうございます
ふさぎこむ時間がなんて無駄な時間かよく知っているのに切り替えができないでいます
もしかすると自分が変われなくなったことに苦しんでいるのかもしれません
こうして声をかけてもらえるのがとてもうれしいです
sukunahikona | 2016.10.11 20:07 | 編集
citystranger さん

絶望とは何なのか
期待しているからいけないのか
生きるって何なのか
死ぬまでの執行猶予なのか

あんまり考えたらいけませんね。子供の時からの癖です
できれば考える暇も与えないような美しい時間がほしいです
sukunahikona | 2016.10.11 20:11 | 編集
カレーリーフ・久美子 さん

ただいまです
くさくさしてないでまたなんかやらかさないとね
sukunahikona | 2016.10.11 20:12 | 編集
pukupuku さん

大根は勝手に大きくなるんですよね
ほんと、僕のことなんかほっておいてまっすぐに大きくなる
見習わないといけませんね
sukunahikona | 2016.10.11 20:14 | 編集
イッセイ・ホンダ さん
ありがとうございます
期待してもらえるといろんな意味で励みになります
やっぱり人間は社会的動物なので一人ではなかなか前へは進めませんね
またほかの曲もアップしようと思ってます。次の曲は「濁った水」
書いておけばやらざるを得ないので早めに頑張ってみます
sukunahikona | 2016.10.11 20:18 | 編集
走れ‼でんどう三輪車 さん

ありがとうございます
星きれいですよ。これからどんどんきれいになります
でも、その分どんどん寒くなってしまいには星なんてどうでもよくなりますw
今度の冬はどうかしら。星を見上げる余裕があるくらいの温かさだといいんですけど
sukunahikona | 2016.10.11 20:23 | 編集
見張り員 さん
その言葉だけで十分です
見張り員 には悩みを打ち明ける相手がいていいですね。打ち明けるだけでもきっと、悩みを共有しているはずですよ
sukunahikona | 2016.10.11 20:27 | 編集
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