アイヤッパへの道 vol.8

2017.07.24 (Mon)
第8話 Mahabalipuram


P1019009_20170724034734ba3.jpg



旅の途中で出会った美しい人、中国は上海のSandyさんに別れを告げ、後ろ髪を引かれる思いで少彦名は独り、マハーバリプラムの丘を登ってゆきました。
再び彼女の写真を載せた理由ですか?それは単なるアクセス稼ぎ、私のような世のスケベ紳士が放っておくはずはありません。

さてと、気を取り直して




P1019044.jpg



抜けるような青空、とにかく暑いです
海から近いので風がしっとり湿気があって暑いといってもまだまだいいのですが、それでも病み上がりの体にはこの直射日光はさすがに堪えます。



P1019015.jpg


7世紀から8世紀の古代遺跡、マハーバリプラムの寺院は岩山を切り出して作られています。それはそれはすさまじい熱意と労力です。

さて、今夜はこの少彦名がインドの名跡をガイドいたしましょう。
『マハーバリプラムの歩き方』 ささ、皆さま、くれぐれも私からはぐれないように。




P1019010.jpg



まずは牛の神様 『ナンディ』 
どこのお寺に行っても大概出会うことができます。第4話の乳海攪拌で生まれた牝牛と聖仙カシュヤパの子、シバはこの牝牛に乗って移動します。






P1019011.jpg



krishna mandapa
クリシュナをまつった洞窟寺院です。
クリシュナはビシュヌのアバター。維持の神、ビシュヌの化身の一つ。この寺院に描かれているのは、インドラとクリシュナの戦いの物語。古い神、雷神インドラを人々が恐れまつる様子を見て、そんな自然を恐れるよりも真理を学び人心を整えなさいと、今年のインドラ祭り中止!って村人達を諭したものだから当のインドラ怒りまくって大洪水を起こしちゃった。クリシュナはゴーヴァルダナ山を片手で差し上げて大雨からみんなを守りました。戦いにも勝ってインドラを撃退。バラモン教の神々がヒンドゥの新たな神にとって代わられる過渡期を描いた神話です。大洪水の話は旧約聖書などほかの宗教のなかでもいろいろと語られてます。






P1019025.jpg


 
マハーバリプラムにあって中心的彫刻
『Arjuna's Penance』 アルジュナの苦行です。アルジュナはマハーバーラタに出てくる英雄、シバとアルジュナの友情の物語です。インドの神様オールスター出演、真ん中の割れ目がインドの聖地、ガンジス川、その周りをインドの神話が巻物のように描かれています。レリーフの語る物語には様々な解釈があるようで、今後も新しい発見があるかもしれません。






P1019030.jpg



お父さんがお母さんの毛づくろいをしてあげてます。赤ちゃん子ザルがおっぱいを飲む仲睦ましいおさるの家族。





P1019034.jpg



石を積んで作ったのではありません。
岩をくりぬいて彫り出したガネーシャのお寺。ここにはこんな寺院がゴロゴロあります。





P1019039.jpg



Varaha Cave Temple
ビシュヌの化身、イノシシの顔を持つヴァラハとバラハの妻。母なる海、大地の母、ブーデヴィ / Bhuma DeviまたはBhudevi です。
バラハの手にはシャンカとチャクラ、 shankha はホラ貝、日本で仏事にホラ貝を吹いたり戦いのときに時の声として吹いたりするのはここからきています。chakraは法輪、チャクラムという鉄の輪でできた武器のこと。仏教でも煩悩を断ち切るものとして語られています。チャクラムと日本とのかかわりを謎の守屋神社のなかでちょこっと触れてますので興味があればのぞいてみてください。イノシシの神、バラハも大洪水から人々を守る神として神話の中に現れます。






P1019056.jpg




インドの人って写真が大好き
さあ、撮ってもらいなさい、お母さんの言われるままにカメラの前ではにかむ女の子。特に写真送ってとか後でいうわけではないんですけどね。





P1019036.jpg



Trivikrama、トリビクラーマ、またの名を Vāmana / ヴァーマナ。これまたビシュヌの化身です。
子供の乞食の姿でこの世に現れ三歩歩いた分だけ土地を頂戴と約束してそのあといきなり巨大化、世界を全部取っちゃった悪い子です。周りの神様たちがひえーと恐れおののいております。







P1019050.jpg




空が綺麗ですね
でも暑いです。カラータイマーが点灯し始めました。






P1019072.jpg




ヴィシュヌかな?ホラ貝とチャクラムを持っていると思われます。




P1019073.jpg



お隣、三神の中央はシヴァ。リンガ、石塔がありますから。




P1019074.jpg



左側がブラフマー
世界のすべてを作り出した創造神です。
しかし今ではほぼ信仰の対象となっていません。この辺がキリスト教と大きく異なるところ。ヒンドゥは世界を作り出した創造神に絶対的権力を与えることはなかったのです。






P1019040.jpg



紹介するのを忘れてました
Varaha Cave Temple のGajalakshmi、ラクシュミはビシュヌの奥さん、ガジャは象のこと。両側を象が囲んでいるのを特別に区別してガジャラクシュミと呼びます。ラクシュミは日本では吉祥天のこと。ちなみに吉祥天と双璧をなす美女の象徴、弁天様はサラスバティ、ブラフマーの奥さんです。ガジャラクシュミの二頭の白い象はブッタの誕生の象徴だといいます。また、ガジャラクシュミをブッタの母、Mahamaya 摩耶夫人と同一視することもあるようです。が、しかしながらこれらは後年、後付けでくっつけた民間信仰の一つでしょう。バラモン教から誕生した二つの宗教、仏教とヒンドゥ教はその様相を磁石の両極端として、ヒンドゥ教は世界のすべての神々を肯定し受け入れることで世界に安定をもたらし、仏教はあらゆる神を否定することで現世に平和を願った。やり方は全く異なりますが目指すところは一緒のようです。ちなみにブッタもヒンドゥではビシュヌの化身の一つになります。







P1019063.jpg




最後に紹介するのはバターボール。
丘の斜面で踏ん張っている不思議な大岩です。
写真は観光客にしっぽを踏んづけられていそいそと逃げだす一匹の野良犬。また新しく日陰の寝床を見つけなければなりません。






P1019083.jpg




ここ来るとみんなこれやります。
わかっていても見ているほうはハラハラします。






P1019092.jpg



今夜の少彦名観光ツアーはこれでおしまい。
でも、実は見どころの半分もご紹介していません。やっぱり病み上がりにこの暑さはしんどい。前に一度来て見ているし、またくることもあるかとおもって帰ってきました。でも、結局マハーバリプラムに再度訪れることは無く、無理してでも周っておけばよかったと今になって後悔しています。写真は帰りのバスであった女の子、メヘンディというヘナで手のひらに模様を描くインドのおしゃれです。








Daler Mehndi - Bolo Ta Ra Ra





この方はインドのミュージシャン、ダーラ・メヘンディ、先ほどのおしゃれ、‎MEHNDI と同じ名前です。私がひそかに音楽の師匠とお慕いしてる方。インドの西方、砂漠の地、ラジャスタンの出身です。インド国内で不動の地位を獲得した彼でしたが、日本で行われたコンサートの来日の際に人身売買目的で同行者の不法入国を斡旋、逮捕された上に本国で実刑を受けその名声は一瞬で地に落ちました。それでも彼の音楽は輝きを失ってはいない。芸術自体には罪はないですから。




Daler Mehndi - Dardi Rab Rab Kardi




Daler Mehndi - Ho Jayegi Balle Balle




Daler Mehndi - Tunak Tunak Tun












関連記事
スポンサーサイト

トラックバックURL
http://pygmysunfish.blog.fc2.com/tb.php/209-13e620aa
トラックバック
コメント
凄い!
インド人の想像力・創造力の豊かさ!
彫刻の美しさ!

うーん…。
ブログ主さんが「時々インド人」になるのがわかるような気がします。

陽物。日本にもたくさんありますよね。明治政府が禁止令を出したけど、ひそかに隠していて。伊豆や神奈川では巨大なのを若い女性たちが担いで練り歩くお祭りがあります。外国人に大人気。力石調査のとき見つけると必ず写真を撮るので、みんなにニヤニヤされます。

大石の写真、いいですね! いつか私のブログで紹介させてほしい。
雨宮清子(ちから姫) | 2017.07.24 17:51 | 編集
ステキな写真ばかりですね♪
ワタクシ、お恥ずかしながら
海外旅行って行った事無いんです(^-^;
なので、写真見て行った気にさせていただいてます。

ホント、綺麗な女性ですね。
目が素敵♪
マーニャ♪ | 2017.07.24 22:54 | 編集
雨宮清子さん

時々じゃなくてたびたびになってます。探ってゆくと日本とどこかでつながってるのが見えて面白いです

陽物ってち〇こですか。やっとリンガがお寺の真ん中にあるのを違和感なく受け取れるようになりました
バターボール、いわれてみれば確かにあれは石。もしよかったら写真ドンドンお使いください。
何千年もあのまま動かないところを見るとあれも彫刻の一部で地面とつながっていたなんてあるかもしれません
sukunahikona | 2017.07.25 02:19 | 編集
マーニャ♪ さん

ほめていただきありがとうございます
私の最初の旅行はフランス、ちょっとフランス語を覚えたのでこりゃ使わない手はないなと思って、ただ、臆病だからどうするかなって思ってたら、そっか、パスポート取って空港行ったらいいんだ。チケット買えばいかざるを得ない。で、飛行機に乗りました。

目力といえばねこちゃん。写真の猫ちゃん、みんな目がきれいですね
sukunahikona | 2017.07.25 02:26 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2017.07.25 20:51 | 編集
こんにちは^^

彫刻の細かさがスゴイですね^^
特にガネーシャのお寺の大きさに驚かされました。
奥に人が写っていたので気付けましたが、このサイズの
岩をよく掘ったものです^^
よいち | 2017.07.25 21:46 | 編集
おはようございます!
こっちの暑さはむしろ湿度のせいで不快感うなぎのぼりっていう感じで、乾燥した暑さとかあまり体験したことが無いです。多少の湿度があるほうが過ごしやすいのかな。
岩の塊を掘り進めて行ってこんな寺院を仕上げてしまうとか労力も何もかも凄いとしか言いようが無いです。これ、作るならもう最初から完全にプランが出来上がってないと、あとからここに柱が欲しかったとかいっても後の祭りなわけで、プランの立案と実際に破綻なく仕上げる計画性というのかな、こういうのが半端なく要求される作業なんじゃないかと思います。壁面の浮き彫りにしてもそうで、重なり合う腕を残し忘れたっていうだけで全部アウトになってしまいかねない作業をこれだけの規模でよくもまぁ仕上げたものだと。
解釈の余地がある壁画というのも今では窺い知れない失われてしまった何かを内包してるようで、浪漫的でいいなぁ。
へナって美容院でヘアカラーにありますね。
薄荷グリーン | 2017.07.26 10:33 | 編集
遺跡すごいですね~。見に行ってみたいです。
日本の仏教美術をけっこう見たので、インドの神様にも興味津々です。人間関係(神様関係)がなかなかおもしろいです。四天王の誰かの奥さんが弁天さんか吉祥天だとかなんだとか…象さんの上に乗ってる帝釈天はなんとかだったとか…。もういろいろ忘れちゃいましたが…。にしても、おさるさんがかわいいですね。

バターボール、わたしも行ったら写真のことやりたいです(笑)。
pukupuku | 2017.07.26 15:58 | 編集
鍵コメさん
こんばんは
そんなにたくさんじゃ世話するのも大変ですね
暇になったらまたゆっくり遊びに来てください
sukunahikona | 2017.07.26 19:23 | 編集
よいち さん

こんばんは
この遺跡は彫刻と荒野と海と、赤と青のコントラストが美しいリラックスできる場所です(暑くなければ)
ガネーシャ寺院よりももっと大きいのが実は海岸沿いにあって今回はそこまで行く元気がなかったです。海岸寺院と呼ばれてますので写真など探してみてください。石積みで切り出しというわけではないですがとても美しいです。
切り出した遺跡で有名なのは、ほかにアジャンタやエローラなどあります。インドの建造物はスケール感が半端ないです
sukunahikona | 2017.07.26 19:34 | 編集
薄荷グリーン さん

こんばんは!
コメントありがとうございます。
人間半分は水なので湿気のないからっからの炎天下は体力の消耗が激しいです。鼻くそは詰まるしのどは痛いし、でもビールのうまさは格別、こりゃ日本も同じですね。
プラン立てもさることながらこういうものを作っちゃおっていう、それこそノープランな意気込みがすごいですね。作り始めて完成したころにはすでに遺跡になっちゃうくらい時間がかかってるんじゃないでしょうか。
この場所のすごいところはこれだけ宗教的な権威のある仕事を成し遂げた場所なのにどこか牧歌的なゆっくりとした時間の流れる美しさというものも両立しているところですね。宗教を押し付けづに自然に感じられるユートピアみたいなものを感じます。建造当時がそのような姿だったかはわかりませんがここに立っているとそういう風に思いたくなります。
ヘナ、最近よく聞くようになりましたね。これ描いてもらうとやけどしたみたいに熱くなって一か月は消えません。
sukunahikona | 2017.07.26 19:48 | 編集
pukupuku さん

ぜひぜひ行ってみてください。自分の足で見てきたものというのはどんなものでも自分の肉になりますね
えっと、弁天様はサラスバティで創造神ブラフマーの奥さん、吉祥天はラクシュミでヴィシュヌの奥さんです。神様相関図はあとからあとから後付けで作られた感があり、もうぐちゃぐちゃですw四天王のうち三人はこの章でも触れたインドラの部下、多聞天(毘沙門)についてはインドではインドラの部下ではなくクベーラといって財宝の神様です。過去の記事『謎の守屋神社』でも書きましたが毘沙門天はインドでは大変な浪費家、ちなみにこの章でもみんなにいじめられたインドラはpukupukuさんの書き込んでくれた日本の帝釈天です。

バターボール押しちゃってください。見ているほうも和みます
sukunahikona | 2017.07.26 20:11 | 編集
ハラハラしました~(笑)
人間の神秘もありますが、やっぱり自然の神秘は凄いですね
いぼ仙人 | 2017.07.26 21:28 | 編集
いぼ仙人 さん
自然の神秘とは・・・・・
さては、あなたも恋に落ちましたな。
sukunahikona | 2017.07.26 21:38 | 編集
こんばんは!

確かにきれいな女性ですね~(^O^)

そして驚きなのが御一人でこれだけ移動されてるんですよねΣ(・□・;)
神々のお話は興味があり勉強になりますm(__)m

バターボール、、名前とは裏腹な巨石ですね(笑)
14roe | 2017.07.26 23:54 | 編集
愛猫をお褒めいただき、ありがとうございます。
嬉しいです♪

我が家のニャンコは、2匹とも
おめめがチャームポイントです。

…って、親バカなブログに
いつもご訪問いただきありがとうございます(笑)
マーニャ♪ | 2017.07.27 00:44 | 編集
14roeさん

綺麗な人ですね。きれいなだけじゃなくてまっすぐな感じか素敵な人でした。中国にいて窮屈じゃないのかなって思いました
友人と二人で旅をしているといってました。私はいつでも一人旅、今回のように大勢で移動したのは珍しいです。

インドの神様は探れば探るほど『テキトーだな』って感じます。その辺が好きなんですね、インドって。

バターボール、さくっと切れてるからなんでしょうがそう呼んでみてみると親しみがわきますね。美味しそうに見えます
sukunahikona | 2017.07.27 21:42 | 編集
マーニャ♪ さん

親バカ最高です。どんなに没個人的でも、そんなにつたない文章でも、写真がピンボケだとしても『愛』さえあればそれは最高の作品ですね。
愛に勝るものなしです
sukunahikona | 2017.07.27 21:46 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top