アイヤッパへの道 vol.14

2017.09.26 (Tue)
ポンディシェリにて 映画監督

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その日はべンガル湾を望む瀟洒なホテルに宿をとると、助監督のヘムラージと運転手さん、三人で海岸に臨むトップルーフのレストランでビールを傾けながら海風に吹かれて今日の長旅の疲れを洗い流す。インドに到着した当日からののどの痛みと下がらない熱に浮かされて海岸に打ち付ける波の色は夕日に照らされてにじんで見える。


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海のない信州に越して以来、こうして波の音をゆっくりと眺めているのは本当に久しぶりだ。よく、山の空気に心が洗われる、と言うが、海の風ならばどうだろう?
何故かわからないが、海の風は私たちの心を幸せで満たしてくれる。心の、ぽっかり空いた隙間にじんわりしみ込んでくる。



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近くのテーブルで日本人らしき老人が3人の、それは美しい、男に対して美しいという表現はちょっとおかしいのだが、3人の若者を従えて食事をしている。酔ったせいもあるが、席を立ったついでに声をかけてみた。「日本の方ですか?」
日系アメリカ人、今はパリに住んでいるそうだ。今は引退してらっしゃるということでもともとはブロードウエーの舞台監督、演出家だったそうだ。大変な人に声をかけてしまったらしい。ネットで調べれば名前ぐらい出てくるよと言っていた。それにしても付き従えている三人の若者、フランスの白人と黒人の二人、イスラエスの美少年、妖しくどこか男色の香りを漂わせたこの三人は駆け出しのダンサーだそうだ。領収書の切れ端に書いてもらった氏名とパリの住所は映画畑のヘムラージに渡してしまった。

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男色といえば少年のころよく痴漢にあった。男が痴漢とはこれまたおかしなものだが、「なんだお前?」ということがちょくちょくあった。
パリ近郊のブローニュの森とはご存じだろうか?名前の響きは軽やかでさぞ美しいところだと思うだろう。しかし、いざ行ってみると草むらの小道には使用済みのコンドームが点々と捨ててあり、森の茂みに足を踏み入れれば背丈ほどの草むらから抱き合った裸の男同士がぎょっとこちらを振り返り汗で光った肌を手で覆い隠す。
ここでもナンパされた私は ― その時はそうとは気づかなかったが ― その、人の好さそうな小太りの中年男のアパートで自家製のきっと今まで飲んだ中では最高な黄金色のシードルと彼がジャーナリストだった頃の思い出話と、以前同居していた日本の青年の話と、ベットルームには小さな白黒のテレビ、ソニーのトランジスタラジオだけがぽつんと置いてある質素な部屋で夏の真っ白な日差しが注ぎ込む大きな窓を背にパリの孤独な中年おやじの幸せそうな笑顔を眺めていた。どうして、それは幸せなはずだ。二人でバスを降りるときに、近所の知り合いだろうか。黒人のおばちゃんがその小太りのおじさんと連れられた私を交互に見ながらニヤリ、右のこぶしで力ずよく親指を立てたのを思い出す。
外国人に最初に唇を奪われたのは女性でなはなく男性だった。私はつたないフランス語でなんとかその場を言いつくろい、明日必ず来るからと嘘をついてその場を逃げだすことができた。地下鉄を乗り継ぎ逃げ帰った私は、それでもその男の寂しそうな笑顔と一人孤独にパリの家具もないがらんとしたアパートで暮らす男の姿がどこか不憫で、なぜだか後ろ髪を引かれる思いだった。その日のうちに、当時お世話になっていた大学の助教授に頼んで電話をしてもらった。そちらには二度と行かないこと、嘘をついたことを謝ってもらった。
彼が私に声をかけたブローニュの小さな池は人肉事件で佐川一政が女性の死体を捨てたその現場だった。





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帰る途中、映画の撮影現場に行き会った。
ヘムラージの友人もたくさんいたのでしばらく見学させてもらった。


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運転手さんはドライバー用の仮眠室へ。
咳が止まらない、その日は眠れなかった。半病人の隣でヘムラージには申し訳なかった。




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翌朝、だるい体を引きずって再び海岸へ出る。せっかくの旅行なので一瞬たりとも時間を無駄にしたくはない。
朝のラジオ体操だろうか?
みんなでヨガをしている。



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マハトマ・ガンジー、塩の行進の姿だろうか。
友人の息子が教えてくれたのだがインドで一番人気のあった大統領はアブドゥル・カラーム(Avul Pakir Jainulabdeen)、タミルのムスリム教徒、ミサイルの開発者、インドの核弾道ミサイルの生みの親なんだそうだ。ガンジーの無抵抗主義とは全く逆、インドは、非公認の核保有国、領土紛争の敵対国、中国の核に対抗しての開発だ。隣国のパキスタンもインドに対抗して核の保有に成功している。ミサイルが飛びかう日本上空、国民一人一人がガンジーのように殴られても打たれても無抵抗を貫く聖人のような人であるならばこのままの平和国家でもかまわないかもしれない。
ムンバイに住む友人の知り合いの映画監督がガンジーの本当の姿を題材にした作品を撮ったそうだ。結果上映延期、ガンジーは半ば神格化された存在、世間で物議をかもしているという。来年の三月のインド旅行でこの映画監督と会わせてくれるらしい。



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再び映画の撮影。
やはりヘムラージの知り合い、観光地のポンディシェリでは映画の撮影は頻繁にあるようだ。



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「考えてる映画の脚本があるんだけど聞いてくれる?」

日本を舞台にした恋愛ドラマだった。悪くない、いつまでも助監督でうじうじしている自分がじれったいだろう。
映画を撮るためには莫大なお金が必要だ。


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「それじゃ、僕も映画のアイデアを持ってるから、一つ話そうか」
そんなものもってやしない。行き当たりばったりで話を作ってみる。
「題名は“アタック・オブ。ザ・ココナッツ” 」・・・どこかで聞いた名前だがインド人の彼にはわからないだろう

「ある日突然、インド各地でココナッツが降り注いで人を殺し始めるんだ。 これは後々解明されるんだが、原因は環境問題、増え続けるインドのごみについに堪忍袋の緒が切れたヤシの木が人々を襲い始めるんだ。犠牲者が続出し、国の機能は麻痺し、ついには国家存亡の危機にまで追いつめられる。しかし、科学者の懸命な調査で、ある地域のほんの狭いエリアではヤシの木は人々を襲うことはなかった。そこの村にはゴミ一つ見ることはなく、ある男のおかげで村は常に清潔に保たれていたのさ。かくしてインドの命運はその一人の貧しいゴミ清掃員の手に託されることとなった!荒れ狂うヤシの木の大群にたった一人立ち向かうわれらがヒーロー、孤独なギャベッジマンの運命やいかに!!」


なにそれ?ヘムラージはけげんな表情。






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塩田







「ところで、僕の脚本はどう?日本で撮影できるかな」


ヘムラージが帰りの後部座席に揺られながら言った。


「そうだなー。いいとは思うんだけど、どうも何かもの足りない気がするんだ・・・・
ココナッツアタック、そうだ、劇中にココナッツの雨を降らせれば君の映画はきっと完璧だよ!」

二人して顔を見合わせて笑った







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EP-4 / COCO




ココナッツってことでこの曲。キッド・クレオール&ザ・ココナッツでもよかったけどなんか柄でもないから。
かなり前に紹介した記憶があるんだけど当時、他所で並行してブログを書いていたことがあるからそちらだったかな。佐藤薫率いる都市型ファンクバンド


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昭和崩御ってすごいね。こりゃ今なら大問題になるよ。
で、実際当時も問題になって発売延期、結局「昭和大赦」って書き換えて、写真も金属バット殺人事件の現場住宅、それもどうかと思うけど、リニューアルして何とか日の目を見る。このアルバム発売直前、一か月前ぐらいから地下鉄や電柱や、街のいたるところに「EP-4 5・21」って書いたスッテッカーが張られまくって薄気味悪いと巷では話題になったっけ。
EP-4をウィキで調べてみたんだけど、この昭和崩御のアナログ盤、発禁10年後に元のジャケットで再販したって書いてあるんだけどどう考えても発禁直後に、いたいけな少年はなけなしのお小遣いをはたいて買った記憶があるんだ。レコ倫で引っかかったジャケットデザインだけど書籍として出せば言論の自由ってことでお咎めなし。御茶ノ水の三省堂の隣にあった和泉書店だったか、不屈の本屋って言われて結構危ないものも取り扱ってたんだけど、そこでこのお蔵入りになった昭和崩御のアナログ盤に新たにブックレートつけて( ブックレートが商品、レコードはおまけ )販売したって記憶がある。とすればこれって、その書店でしか手にはいらなかったかなりのレアものってことなのかな?こんなもの買うなんて俺ってずいぶんませてたんだな。改めてみたらレコード盤に非売品て書いてあるしw










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アイヤッパへの道 vol.12

2017.09.16 (Sat)
政府転覆 第二節

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  (前記事からの続き→政府転覆 第一節を読む) 

一般住居に描かれた『ドラーヴィダ進歩党 / Dravida Munnetra Kazhagam ; DMK 』 のポスター。
第一節で紹介した『 AIADMK 』 の対立野党。
もともと、現在の与党、AIADMK はこのドラーヴィダ進歩党から分裂したもの。それ以来骨肉の抗争を続けている。
カースト根絶などを掲げ、結党当時はインドからのタミル・ナードゥ独立を謳っていた。貧困層からの支持が厚く、真っ黒な制服で統一された支持者たちの集会は一種異様なものさえ感じる。
改めて書かせていただくと、AIADMK も DMK も、タミル・ナードゥの二大政党はドラヴィダ人を中心とした南インドの地方政党。デリー中央政府とは距離を置いた一線を画す存在である。



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警察官に保護されるサシカラ・ナタラジャンの妹の旦那。インドに到着して初めてテレビで見たニュースの報道です。
いきなりショッキングな画像で申し訳ないがインドの政治の雰囲気というものを感じていただくためにあえて掲載しました。
州首相の死去に伴ってタミルの政治は混とんを極め、その状況は現在も続いている。混乱の中、党首の後釜に座ったサシカラ・ナタラジャン、その義理の弟を襲撃したのは何を隠そう、同じく彼らの所属する政党、『 AIADMK 』 の幹部と支持者たち。警官に助け出された彼自身もそのまま逮捕されることになります。


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首相の死をきっかけに、堰を切ったがごとく腐敗の噴出するタミル・ナードゥの政治。混沌を極める政府を映し出すテレビの画面と同時に、一般庶民の生活は、そこにはそれ以上に過酷なさらに厳しい現実が映し出される。

私がインドについたのが12月29日、埃にやられのどを壊し高熱に浮かされた一か月間には実は理由があるのです。
私が滞在していたこの一か月間、一日、いや一瞬たりともここには雨が降らなかった。それどころか、私がインドに渡る一か月前から、乾季でもないのに一滴の雨も降っていなかった。農業にとって一番大事な時期、収穫の秋にここタミルでは過去最大規模の大干ばつが起こっていたのです。
政治の混乱を報道する映像とともに毎日、欠かさぬことのように農民たちが困窮のどん底にあえいでいる映像が映し出されます。毎日、5人、10人と集団自殺する村人の映像が映し出されます。二階家の低い屋根から次々と飛び降りて地面に頭をたたきつける一家の映像がそのままテレビ画面に流されます。悲しいです。恐ろしいです。混乱の中、自己保身に走る政治家たち、彼らに見捨てられた農民たちが虫けらのように死んでゆく。彼らにはもはや苦しんでいる民の声など聞こえません。



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方や、テレビではますます尊大にふるまうサシカラ・ナタラジャン女史の姿が。周りを取り囲む真っ白なクルタをまとった長老たちが彼女に向かって手を合わせます。それを見ているインドの民衆は冷ややかにせせら笑い。
しかしながら政治の流れは止められない。
彼女を担ぎ出すことによって得する政治家がごまんといるのでしょう。操り人形としてはもってこい。そのうえ議員を選ぶ総選挙は5年に一度、たとえ首相が亡くなったとしても現与党、AIADMKから後釜を選出するのは変わらない。次期タミルナード首相はサシカラ・ナタラジャン、彼女しかいないわけです。



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民衆に愛されて亡くなった前首相、J・ジャヤラリタ女史、人々は彼女のことを『インドの母』と慕いあがめます。
彼女が政治の世界に躍り出たきっかけは初代党首、銀幕の大スター、M・G・ラマチャンドランとの親密な関係でした。俳優時代、何度も共演した彼ら黄金コンビ、AIADMK を立ち上げた元タミル首相とは長い間、愛人関係だったようです。そのうえ、ラマチャンドラン首相が亡くなった後、ラマチャンドランの奥様、彼の後継として党を率いた新首相をその剛腕でトップの座から引きづり降ろし、あっという間に政治の頂点に昇り詰めた、インド史上一、二位を争う女傑なのであります。首相在任中に汚職疑惑で逮捕されたこともあり、しかし、裁判では勝訴、再び返り咲いた彼女を『タミルの妖怪』と揶揄する声も実際は多いのです。



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日本でも加計学園の問題だとか森本学園の問題とかいろいろ騒ぎになってます、インドのこの政変を眺めているとこんなもの大したことはないですね。自分の近しい人、信頼できる人に大事を任せるのは自分にてらしてみれば至極当たり前のことで、中枢にいる権力者の周りにはどこの馬の骨ともわからない偽右翼の金の亡者がハエのようにわらわらと寄ってくる。法律に抵触しようが他人から痛くない腹探られようがそこは人、人情というものがあればそれに引きずられて時には石ころに躓くこともあります。
少年たちと、日本とインド、戦ったらどっちが強いかって、大の大人が大人げなく、日々大論争したものです。彼の母親がわきでほほ笑む中、日本は絶対に負けないという勝利宣言を勝ち取ることはできたのですが。さて、日本で右翼思想というと日本大好き、軍備拡張、憲法改正ということなのでしょうが、今回も含め外国人と話していて確信したことなのですが日本で右翼的といわれる考え方は海外ではいたって普通、一般的な人の意見だということです。憲法9条は日本の宝でしょう。唯一の被爆国という現実は変わりません。しかしそんな感傷に浸っている時間はあまり無いようです。世界のほとんどの人が日本の憲法など、まして9条の存在など知る由もなくもし9条を知っている知日家がいたならば、彼らはその内容を絵空事だと馬鹿にし、一笑にふすでしょう。『あんたの国は9条のせいで何もできないね。日本人は憲法と心中すればいいよ』
今朝も北朝鮮からミサイルが飛んで来ます。もしかしたらこの記事が私の最後の記事になるかもしれません。



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インドの友人は5年以内に政治家で立候補するといっています。
遠くに行かないでほしいな。できるなら彼のそばにいて何かしら役に立てれば、彼は優しいからおかしなことに巻き込まれないように、間違った道に進みそうなら道にそれないように。家族や身内、人情の厚いインドの世界では正義を貫くのは日本以上に難しいようです。




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 J・ジャヤラリタ首相の死から二か月後、2017年2月14日、私が帰国した直後サシカラ・ナタラジャン / V. K. Sasikala が遂に逮捕されました。青天の霹靂、同じ党内のライバル議員からさされたようです。三つに分裂してしまった党内を立て直すための人身御供だったといううわさもあります。彼女は死亡した元首相とともに長年、国家の予算を着服し、資金洗浄する役目を果たしてきました。同僚議員の告発で彼女らの側近、手を染めていた彼女の家族ともども連行されてしまいました。故タミル・ナードゥ首相、インドの母と慕われたJ・ジャヤラリタ女史の隠された悪行もこれで公になったわけです。次期首相の座を狙っていたサシカラ、彼女の野望もこれでついえました。政治の混乱はいまだ続いています。



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さて、おなかがすきました。ラーメンでも食べてきます。急いで書きましたから誤字脱字多々あるかもしれません。帰ってきてからゆっくり校正しますのどうかよろしく。


では、最後に、亡くなったJ・ジャヤラリタ女史とM・G・ラーマチャンドランの競演シーンでお別れです。
この物語の始まりの時
きっと彼らが一番輝いていた瞬間に








MGR Jayalalitha super hit songs
எம்ஜிஆர் ஜெயலலிதா சூப்பர்ஹிட் ஜோடி பாடல்கள்




全二部作、渾身の大河ドラマ
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アイヤッパへの道 vol.3

2017.07.08 (Sat)
第三話 Drishti Bommai

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到着して二日目、ハイウエーを挟んでホテルの向かいにある小さな村を訪ねます





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幹線道路から一歩入ると、そこは数軒の平屋が点在する静かな村。開発から取り残された人々がささやかに暮らしています。





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コの字になった道を挟んで、土埃の舞う荒れ地に二十軒ばかり、ブロックやレンガで積まれた簡素な家がぽつんぽつんと点在しています。





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カメラを提げた東洋人、遠目で見ていた村人はそんなよそ者にも優しく微笑んでくれます。
「ナマステ、フォト・プリーズ」
彼には写真をあげるよと約束したのに近くに現像屋もなくついに手渡すことができなかった。
また会いに行かなきゃな






Drishti Bommai




新築現場につるされた不気味な人形、壁には舌を出した真っ赤な鬼のお面も見えます。
ドゥリシティ・ボゥマイ、邪気を払うおまじないです。






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Drishtiとは邪視のこと、英語で言うと『Evil eye / 邪悪な目』、嫉妬や羨望が人に災いをもたらすという民間信仰です。あのお面は自動車やトラックのフロントなどいろんな場所で見ることができます。つるされた人形は新築の家の中に獣が入ったりしないようにという案山子の意味もあるようで、ただし北のほうでは見たことがありません。
ドゥリシティから身を守る方法は地方によっても、またその対象が家だったり車だったり人だったり、動くものなのか動かないものなのか、生きているのか命のないものなのか、様々な状況により異なってきます。北インドではあの真っ赤な仮面も見ませんでした。その代わりにライムやトウガラシを糸で縛った魔除けを玄関先で見ることができます。
ちなみに家が出来上がった時にはあの人形は邪気と一緒に燃やされてしまいます。お面のほうは壁にかけたままドゥリシティから家族を守ることになります。



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多すぎる『おめでとう』が受けたものに災いをもたらす。人類学者、マルセル・モースが『贈与論』で紹介した「ハウ/物の霊」に似ています。贈り物、タオンガ/taongaに宿ったhau/物の霊をため込んでしまう、クラ/Kura(交易)の風/Hauを止めてしまうとそのものに災いが起こる。多すぎるおめでとう、溜まってしまった「Drishti」が人を取り殺すわけです。モースの著書『贈与論』に沿って改めてインドの現代社会を見てみると、インドの経済というのはモースの言う「potlatch」、富の再分配をいまに継承する、ポトラッチを現代に具現化した経済活動に他ならないように思えます。すぐに思い出すことができる事例、近近の出来事で記憶に新しいものとしてはタタ財閥の製造販売した大衆車、「タタ・ナノ」の存在ではないでしょうか。このプロジェクトの発案者であり総責任者のタタ・ラタン会長はこの事業に関して自社の利益を二の次に、けっして裕福ではないインドの大多数の大衆に向け、自動車という現代の利便性、社会インフラとしての乗用車という財産を分け与える決断を下しました。結局事業としては大赤字で大成功というわけにはいかなかったようですが、この辺の考え方は同じ新興国である中国とは大いに違うところ、インド人の持つ美徳の一つといえるかもしれません。
そしてその美徳の恩恵に大いに浴することになった少彦名、今回の私のインド旅行こそがまさにその『ポトラッチ』なのです。私を招待してくれた友人はこの私に対して見返りを期待することは全くありません。無償の善意によっていま私はこの国にいるのです。



もし、分け与えることなく私利私欲のために貯めこみしまい込んだ食物をとる者があれば、

「食物の本質を殺し、また摂られた食物に殺される」

マハーバーラタ、ブラーフマナの教義に見える言葉です。
また私はマハーバーラタの言葉を借りてこうも言う。

「王よ、王から物を貰うのは、はじめは蜜のように快いものだが、終わりは毒になってしまう」

私が多くの人から受けた恩恵に報いる日はいつか来るのでしょうか?






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改めて贈与論を読むことになるとは思わなかった。
学生当時は何か遠くで起きていることのように、ただ知識の充実という自尊心のためだけに、いやいや読んでいた気がする。それが何年もたってふとした拍子に腑に落ちるという事もあるものだなと。辛いカレーを食べ続けて、甘すぎるインドのお菓子をほおばり続けて「いったい、これのどこが美味しいというのだろう?」などと思いながら旅のバスの窓をふと見上げると突然にひらけるデカン高原の、あの抜けるような青い空、すっとそれら郷土料理の本当の味と秘められた意味を突然のように理解する。
キザな言い方をすればそんな感じでしょうか。






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女の子のように見えますが実は男の子、ある年になるまで髪の毛は切ってはいけないのです。日本でいえば元服、七五三みたいなもの。もうそろそろこの子も元気に育ったお祝いに丸坊主にされる時が来ます。
彼の額とほっぺにある黒いあざは墨でわざわざ書かれたもの。これも代々伝わる魔眼除け、Drishtiの一種です。ほっぺにあるのがドゥリシティ・マイ、額がドゥリシティ・ポット、maiはインクのこと、単にPottuというと既婚女性が額につけているあの赤いワンポイントになります。
幼い子に黒いあざをつけるのはあまりにかわいいと鬼や悪魔に連れてかれてしまうから。大事な我が子をケガや病気から守る大事なおまじないです。




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この子たち姉弟は元服が終わったようですね。

細かいことですが『Drishti Bommai』の Bommai は直訳すると『オモチャ』の意味。ここでは単にモノ、グッズぐらいで理解してください。悪運を払うためにお祈りしたりお寺回りをする行為も Drishti と呼ぶので形があるものとして Drishti Bommai と区別して呼ぶようです。





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先ほどの元服前の男の子の家のキッチン
後ろに積んであるのは牛のフンを乾かしたもの。これが火を起こすときの燃料になります






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この子は大きくなったら何になるのかな。
声をかけても何も話さなかったけど村の途中まで見送ってくれました。





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村の入り口のシバ神の祠。
しばらく木陰で犬たちと一緒にまったり
今日はほんの一、二時間、ちょっと歩いただけで思いのほか充実した時間を過ごすことができました。
さて、ホテルのみんなはもう起きたかな。起きていたとしても夜まで部屋でダラダラしてるんだろうし、どうせだらだらするんだったらこの子たちとのんびりしてたほうがいいな。両親そろって5匹の家族。生まれたばかりの三人兄弟、あんまりかわいいと日本に連れて帰っちゃいますよ。

しかしそこはさすがに血を分けた親子、見ての通り見事にシンクロしていました。






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Boom boom madu






どこかで聞いたようなメロディーですね。『Boom boom madu』タミル映画の一場面、『Boom』は首を振る様子、『madu』は牛のこと。装飾された牛と一緒に街を流して日銭を稼ぐ占い師です。Drishti、邪気払いの一つです。

占い師 「この家には近々いいことがあるかな」
牛 「ウン、ウン、良いことがきっとありますよ」

家の玄関先で歌を歌いながら。でも最近はアパートが多くなって訪ねる場所が減ってしまってほとんど消えてしまったそうです。そもそもあまり高級なお仕事ではないようでただただ横で首を振る牛の様子が転じて、イエスマン、太鼓持ちのことを「Boom boom madu」とタミルでは軽蔑して使うそうです。

そういえば日本で首を振る牛の人形といえば「赤べこ」
気になって由来を調べてみたら
「天正年間、蒲生氏郷(がもううじさと)が殖産振興のために招いた技術者から伝わった」
とありました。
さて、その赤べこを伝えた技術者とはどこから来た人たちだったのでしょう。そこでさらに蒲生氏郷を調べてみたらキリシタン大名とのこと、ヨーロッパの宣教師ともしばしば交流を持っていたようで、もしや彼ら、殖産振興の技術者とは西洋の船に乗せられてやってきたインドからの奴隷たち?、いわれてみれば赤べこの全身は目の覚めるような赤い色、『Drishti Bommai』の燃えるような舌の色のようです。さらによくよく見ればあの赤べこの体にある黒い点は?見送ってくれた男の子のほっぺたにあった『Drishti mai』のようでは・・・・・

これ以上脱線するのはよしましょう。
第三話でこのボリュームじゃ一生かけてもアイヤッパにはたどり着けない。





John Lee Hooker - Boom Boom




寄り道ついでに
『BOOM BOOM』といえばこの曲、一時期よく聞いてました









アイヤッパへの道 vol.2

2017.06.30 (Fri)
第二話  Hotel Hilarity Inn

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ホテル ヒラリティ・イン
友人がオーナーの三ツ星ホテル
丸一日かけてのインドへの道のりを経てやっとホテルに到着した私は疲れ切った体にビール一杯注ぎ込んですぐにベットの中に。七時間の時差なんて何のその、自腹じゃっ決して泊まらない見ての通りの素晴らしい部屋でしっかり熟睡できました。




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準備もそこそこ、慌ただしく日本を飛び出してきたこともあり、なんだかインドにいるのが夢の中の出来事のようです。これから一か月、怒涛の海外生活が始まるのですが、まづは到着第一日目。今回宿泊させてもらったホテル周辺のご紹介から。色々お世話になったので少しは彼のビジネスのお手伝いしませんとね
ロビーの歌舞伎の絵を見てもわかるとおり彼は大の親日家、日本で成功したインド人の一人です。今の自分があるのは日本のおかげだと常日頃口にしております。




ヒラリティ イン

Hilarity Inn
No.89, Vandalur - Walajabad Road, Vanjuvancherry, Padapai, Tamil Nadu 601301




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朝食はビュッフェ方式、マンゴー、パパイヤ取り放題です。
ホテルの中にはレストランが二つ、一階正面にベジタブル・インディアン、二階がお肉も食べられるノンベジです。カウンター・バーもあって、どの施設も宿泊客以外で利用できます。メニュー見たら結構いい値段してたけれどランチの時間は席もいっぱいでかなり混んでます。



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でも、周りは何にもないんですよね。
宿泊客は主に近くの工場、会社に来た外国からの海外出張のお客さん。日本のビジネスマンも大勢利用します。観光主体のホテルとは違って年末のこの時期はシーズンオフということで宿泊客もまばら、私たちの他はフランスの若いエンジニアが二人、年越しをはさんで一か月の長逗留をしているだけでした。そうそう、彼ら、『Renault Nissan Factory』日産の工場で働くロボットのエンジニアって言ってました。
もしインドに来て観光シーズンの混雑時にホテルが取れなかったときなんかはこういうホテルを利用するのもいいかもしれません。





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ホテルの裏に回ってみると何やら工事中です。
半分出来てて半分作っててというのはインドではよくあること、駐車場の整備かな?この程度なら全く気になりません。




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こちらは夫婦で土間のコンクリート工事、機械があればもそっと楽にできるのでしょうが。ここでは全くの手作業、トロ船すらありません。日本じゃ雪が降っているというのに今日は夏の炎天下のよう。頑張ってください。





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毎日の警備ご苦労様です。警備の方からこの辺のことをいろいろと情報収集、以前はこのあたりは見渡す限りうっそうとしたジャングル、ハイウエーができてここ10年間、風景も随分変わったそうです。
ホテルの一階にあるベジタブルレストラン、看板の文字が欠けているのは決して予算不足というわけではありません。2015年の100年に一度といわれる大水害の時に壊れたそうです。ここに来る途中にも街路樹の巨大な大木が軒並みなぎ倒されたままだったり、大きな空き地にがれきの山がうずたかく積んであったり。東北の大震災を連想させるような光景がまだ残されていました。台風に慣れているインドの人も今回の大風は身も凍る体験だったと言っていました。

彼のレストランはチェンナイ市内にもあります。ベジタブル専門店。中華風の料理もあるのでカレーにつかれたときは行ってみるといいかも、特にネパールの若いシェフが出勤しているときに料理してもらったインディアン・チャイニーズは絶品です。ちなみに隣はやっぱり友人がオーナーのアイスクリーム屋さん。

Nivedhanam Veg International

234,, Venkatachalam St, Mylapore, Chennai, Tamil Nadu 600004



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ハイウエーをはさんでホテルの向かいにあった看板
この辺は日本企業も多数進出していて日本のお客さんもたびたび訪れているのでしょう。きっとこの看板、そんな常連さんが作ってくれたんでしょうね




                       
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ただいま一階に大きなバーを建設中、水槽やイルミネーションをふんだんに使った豪華なものです。
オープンは二日後の31日。果たして大みそかのニューイヤーズパーティまでに間に合うでしょうか







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この辺はまだいいけど市街地は埃や排気ガスですさまじく空気が悪いです。なんだかさっきからのどが痛いんですよね









Poovoma Oorgolam   போவோமா ஊர்கோலம்




1991年、映画『Chinna Thambi』の挿入歌、ブログ始めたころに一度紹介しました。タミルの曲で一番好きな曲です。






ノーベル文学賞

2016.10.14 (Fri)
Bob Dylan wins Nobel prize in literature




ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞した
なんてこった
村上春樹が受賞するよりはましかもしれないが、平和賞ならつゆ知らずよりによって文学賞だなんて。インターネットはペーパーレスの世の中、偉大な文豪たちはどこに行ってしまったんだろう。
ボブディランも今や立派な古典、反戦運動もヒッピーも自由を熱望したプロテストソングも、今はただただ懐かしい過去の遺物。この受賞の意味するのは自由主義世界の中にあっての真の自由の放棄、反体制運動の完全な消滅への確認作業、生粋のボブディラン・ファンはこの受賞をどう思っているだろうか。

先日紹介した歌手のバート・ヤンシュ(前記事『冬は雪が少ないよ』)は英国のボブ・ディランと称されることがよくあった。気の毒なことだ。腹にたまった言葉を吐き出すのもいいが今は君のメロディーを聞かせてくれ。こういう時、日本が学生運動で揺れていたあの時代にかの井上陽水氏が、そんな難しいことなんかほったらかして好きな彼女に会いに行くために『傘がない!』と叫んだあの偉大さがよくわかる

別にボブ・ディランが嫌いなわけではない
でも特に好きでもない。まして偉大だなんてちっとも思わない
それは私が彼と同時代に生きた人間ではないからかもしれない
すでに、私たちは生まれた時から『敗北の世代』の立派な後継者、自由の意味すら知らない資本主義社会の試験管ベイビーなのだから




映画『マッシュ』から冒頭の挿入歌

/動画はTVドラマ版

M★A★S★H   Suicide is Painless


Suicide is Painless 歌詞和訳

スイサイド イズ ペインレス


朝靄の中
僕はこれから何が待ち受けているかを見た
待ち受けている苦痛を
そして今悟ったんだ

自殺は苦しいものじゃない
すべて変えてくれる
それにやるかやらないかは自分次第

自分なりに試してみよう
自分に合った小さな楽しみを
あの自己嫌悪なしにね
でももう遅い、遅すぎるんだ

自殺は苦しいものじゃない
すべて変えてくれる
それにやるかやらないかは自分次第

人生というゲームは難しい
僕が負けるのははなから決まってる
遅かれ早かれ大負けするのがおち
それがすべてなんだ
そして私はこう言うんだ

自殺は苦しいものじゃない
ある意味気晴らしになる
それにやるかやらないかは自分次第さ

勝つためにはイカサマ
それか負ける前にゲームから降りること
待ってる奴に席を譲ってやれ
それが苦しまない唯一の方法

自殺するのは苦しくない
すべてを変えてくれる
それにやるかやらないかは自分次第

時という刃が私を切り刻む
最初は気が付かないが
その刃が深く突き刺さるにつれ
その痛みは耐え難く
そして私に向かってにたりと笑うんだ

自殺は苦しくない
ある意味気晴らしになるし
それにやるかやらないかは自分次第さ

昔の人が私に尋ねた
生きるべきか?死ぬべきか?
おいおいやめてくれ
そんなことおいらに聞かないでくれ

自殺は苦しいものじゃない
ある意味気晴らしになる
それにやるかやらないかは自分次第さ

そうさ、やるかやらないかはあなたの自由なのさ






映画『マッシュ』は朝鮮戦争の戦時下にあってすべてを笑い飛ばしてしまう軍医たちを描いたブラックコメディ
作曲はジョニー・マンデル/Johnny Mandel アメリカのジャズミュージシャンです



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追記
この曲のことをいろいろ調べていたら村上春樹の『村上ソングス』という本の中の一曲として取り上げられていることを知りました。なんだかな~





Love In Tokyo

2016.05.29 (Sun)
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御柱が終わってすぐ東京に行った
久しぶりの東京だったので写真に撮ってみた





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東京にはゴミがない
久しぶりに来てみて今更感心した
それと比べて田舎の峠道のほうがよっぽど汚い
車からごみを投げ捨てる奴はよっぽど頭が悪い




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4年前、このカメラを買ってから写真を撮るようになった
それまで写真に残すということがこんなに簡単にできるとは思っていなかった



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インドに初めて行ったとき、普通のカメラはとっくに時代遅れだった
大きな古いカメラを首から下げて残り少ないフィルムを気にしながら撮った





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今ではいらない画像は捨ててしまえばいい
ピントも露出もシャッターを押せばカメラが勝手にやってくれる
画像の編集だってお茶の子さいさい
写真を撮ることが生活の一部になった



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前から気がついてたことなんだけど
縦の構図がやたらと多い




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意識して横で撮ろうと思っているんだけどどうしても選ぶ段になるとこんな感じになってしまう



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雨が上がってきれいな街が余計にきれいに見える



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散歩するには飽きない町だな





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いつもは画像10枚と決めてブログを書いているけど
久々の東京だからちょっと画像多めです




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この辺はお散歩コースだったな
お散歩って言っても自転車だけど







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交通ルールがきびしくなって自転車の運転にも気を使わなくちゃいけなくなったけど







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自転車もカメラも
気が付けば僕の気ままな相棒です













Love In Tokyo





Love In Tokyo
1966年、オリンピック直後の日本で撮影された奇跡のインド映画。高度成長真っただ中の日本を舞台に全編フルカラーで撮影された渾身のヒンディムービーです。敗戦から立ち直りオリンピックを期に再び世界の表舞台に躍り出た日本を諸手を挙げて歓迎してくれたインドならではの日本愛に満ちた作品。監督はプラモッド・チャクラボルティ/Pramod Chakravorty、主演はインド屈指の映画一族、ムルケジー家の一人、ジョイ・ムケルジー/Joy Mukherjee(一世を風靡したキュートな女優さん、カジョール Kajolは彼の姪っ子)と アーシャー・パーレーク /Asha Parekh。私は、この映画をもうすでに三度も見ました(見せられました)
それでは、昔懐かしい日本の貴重な映像とともに現在の東京の姿に思いを巡らせながら、どうぞお楽しみください。



Sayonara Sayonara



O Mere Shahe Khuban







SAAHASAM  finish shooting   2015.6.28/29/30

2015.07.28 (Tue)
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アマンダさん
よく笑う人だったな。いつもニコニコしてた。
どうせ女優さんだからつんけんした気取った女の子で、別に会話することもなく、ただただ日程をこなすだけと思っていた
気さくな彼女はエキストラの人とも普通に会話して、おかげで現場はとても和やか





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撮影隊はその後日本のインド村、西葛西に拠点を移して28日は大船、29日は小田原、全行程5日間の撮影を無事終えることが出来た。

余談だけど小田原で新幹線の事故があったのがその翌日。
そういえばクランクアップのその夜、監督とその家族が、横浜まで新幹線に乗るだけのために往復してきたんだよな





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助監督のヘムラージ
今回、日本ロケに奔走した立役者
色々と板ばさみで大変だったね
次回は監督としてお会いしましょう。お疲れ様でした






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またまたヒロインに逃げられてしぶい顔のヒーロー・プラシャーント
実は、紹介したいのは彼ではなくてその後ろにいる色男
山田 喜靖君
彼とであったのは下諏訪の『マスヤ』というゲストハウス
撮影の日程変更でそれまでお願いしていたダンサーすべてがキャンセルになりわらをもつかむ思いで飛び込んだそのゲストハウスにたまたま居合わせたのが彼、事情を話すとその夜のうちに快く出演を承諾していただいた
私にとっては救いの神。もし、あの時、彼に出会っていなかったら心も折れて完全にバンザイしていたかもしれない。何せほんの撮影一週間前だったからね。
実は彼、マウンテンバイク競技の日本代表選手。一流のアスリートはダンスをやらせても超一流、立派なものでした。







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エキストラでは唯一、三日間お付き合いいただいた美少女。実はまだ中学生です
監督が痛く気に入って次回は彼女をヒロインにと随分盛り上がっておりました




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諏訪のスタジオビーチハウス-ダンススクールの皆さんも本当にありがとうございました
皆さんのキャリアには全くにプラスにはならなかったでしょうけど楽しんでもらえたのかな?
いい思い出になれば何よりなんですが、私、まだまだ色々たくらんでおります。そのうち悪夢の再来もあろうかと・・・その際はよろしくお願いします。

そして、原村は内藤ペンションの皆様、急なお願いにもかかわらず、色々お世話になりました
ところで、トイレ掃除大変だったでしょう?いったいなんでインド人て便器めがけてオシッコできないんでしょうかね?
何度言ってもびしょ濡れですもんね。


Beach House
内藤ペンション




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そして、今回のスポンサー、親友のミスター・クルンジ
とはいってもずっと喧嘩してて実は彼に会うのは二年ぶり
もっと太ってるかと思ったがちょっと安心。
二年ぶりでも違和感なく、きっと死ぬまでこんななんだろうな


東京中目黒
南インド料理シリバラジ
インドにお越しの際は
Hilarity Inn


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大事なお着物を貸していただいた皆様、ありがとうございました。東京での二日間、衣装として大事に使わせていただきました
その衣装を羽織ってご満悦の二人
あ、これは、その気がついたらもう着てしまっていたんですよね



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ノーメークのヒロイン
飾り気のない本当にいい娘でした
昨夜のしゃぶしゃぶは美味しかったかな?
また会う日まで Cross our fingers!





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さて、みんなも帰ったし、僕もそろそろ帰るかな
彼らはもう一泊とまって行けって言ってくれたけど、そうもいかないから
それに深夜のほうが道もすいてるし、そのまま彼らと一緒にいたらきっとどこかに飲みに行ったりしてしまいそうで
日が沈む前にさよならを言って、わざわざ近くの公園のわき道に車を止め、しばし仮眠
家に着く頃には夜は明けているな

今夜はどんな曲を聴きながら
夜の高速をかけようか?
忘れ物はない、なくしたものはなにひとつない・・・・







Roxy Music - Avalon


パーティーは終わった
けだるさと共に
私は、あなたが
どこからともなくやってくるのを眺め
その饒舌な身のこなしは
言葉でもなく意味すらなく、私の心を動かす・・・・





SAAHASAM in 諏訪 2015.6.27

2015.07.20 (Mon)
さあて、今日は長野最終日
いよいよ諏訪市中での撮影です




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またまた5時からということで連日の変更お願い
混乱もピークに達していますが、なれとは恐ろしいものでもう動じることもありません
淡々とこなしていく自分がいます


朝、起き抜けにヒロインとばったり。疲れも極限に達している私は彼女のおはように全く反応できずガン無視、顔洗ったあと早速謝りましたさ。



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諏訪湖での集合写真、ここに写っている半分の方が今日飛び入りで来ていただいた一般参加の方々
どうです、その姿は素人さんとは思えない堂々としたもの



今日は土曜ということもあって、新聞で呼びかけていたエキストラの方々もたくさん参加していただいてスタッフも特に監督さんがとっても喜んでくれていました。ダンサーの親御さんを捕まえて着物の着付けを手伝っていただいたり、付き添いできた若者に普通に現場アシスタントしてもらったり、現場を回すのも堂に入ったもの。いやいやその前に皆さんに感謝しないといけません。皆さん一人ひとりの協力がなかったらとてもじゃないけど今回の撮影は成功するものではありませんでした。


予報ではばっちり雨だったのに、かえって日差しもさして来て
誰の行いがよかったのか、諏訪の神様、本当にありがとう
しかしながら、それでもてんてこ舞いの少彦名、諏訪湖での写真はこれっきり、まだまだいっぱいいいシーンがあったんですけどね








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高島城をバックに
今日もお美しい




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こちらは高島城砦内の護国神社で
忙しいといいながら彼女の写真は撮ってるんだよな




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音楽担当と
Beauty and the Beast  
そういったら、彼、声あげて喜んでたな




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もう、彼女の写真だけでいいかな

最初は私の事をむすっとしたやな奴だと思っていたんでしょうが、このころにはあちらから色々話しかけてきてくれて、楽しく時間を過ごせました

でも、彼女との英会話、半分もわからないんですけどね




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撮影はというと

アマンダ(Amanda)に袖にされ続けるプラシャーント様(Prashanth/பிரசாந்த்)
ロケはあと二日
バックの曲も空で歌えるようになりました






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女性ダンスマスターと
最初はどうなるかと思っていたけれど、今じゃ和気藹々のこの表情

皆さん楽しんでもらえたでしょうか?






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楽しそうで何よりです





撮影終了で一人ひとりに、お別れとありがとう
さすがにうるっと来ましたね





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湖上にて一点を見つめるアマンダ嬢
というか俺のこと見てるのかな?

うん、そういうことにしておきましょう







Sajanaji Vaari Vaari - Honeymoon Travels



2007年上映のボリウッド映画『Honeymoon Travels』挿入歌
6組の新婚カップルが繰り広げる軽快なラブコメディ
曲も疾走感があって、無事、長野の撮影を終えた私の気持を端的に表すなら
成し遂げた高揚感を一曲で表そうとするならこんな感じ

疲れを吹き飛ばす私の大好きな一曲






それでは、皆さんありがとう
மிக்க நன்றி. ミッカ ナンドゥリ!!








祝!一周年!!

2014.04.01 (Tue)
今日で、ブログをはじめてちょうど一年目。
三日坊主の私が一年間続けられたのは奇跡としかいえません。さすがにエイプリルフールに始めただけあって、ひょうたんからこま、何とか一年間続けることが出来ました。それもこれもみなさんが応援してくれたおかげです。



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ハンシカ・モトワニ
(Hansika Motwani、 हंसीका मोटवानी )




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シッダルタ・スリナラヤン
(Siddharth Narayan சித்தார்த்)
隣はスーパスターとのツーっショットにご満悦の親友、アロキャラージ




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ハイライトは一発目に
他にも去年は色々とおもしろいことがあったよ。





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ジャガイモいっぱい




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でも、あっというまに夏は終わり。




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そうそう、美味しいお酒もいっぱい飲んだな





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こうやってみると、一年が紙芝居みたいに通り過ぎて





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長い冬さえも過ぎてみればなつかしい





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これからの一年間もよろしくお願いします。





僕の一番好きなミュージシャン


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Michael Rother - Flammende Herzen





ミヒャエル・ローター

クラフトワーク創世記のメンバー。同じくメンバーの クラウス・ディンガー (Klaus Dinger)とともにノイ!(NEU!)を結成。解散後、ローデリウスとディーター・メビウスとともにハルモニア(Harmonia)で活動。
ところで、NEU!って、なんで“!”がついてるんだろ・・・誰か教えて。

Flammende Herzen/燃える心はソロになって最初のアルバム。かなりの数の作品を発表しているがいずれもワンパターン、もとい、確固とした独自のスタイルで一歩一歩、歩みを進める素敵なアーティスト。そこらへんはヒャクショウのおいらと同じかな。ドラムのヤキ・リーベツァイト (Jaki Liebezeit)のたたくドラムも超素敵。眠りをさそう単調なこのリズムをドラムマシーンでやらないところがとってもわびサビなのです。










大雪

2014.02.16 (Sun)
さて、一個もチョコをもらえない少彦名は、吹雪の中、自慢の軽トラで真っ白な野山を駆け巡るのであった。


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雪かきに忙しいおらの師匠。おらは、自分の家の前を片付けて、これからおいちゃんの家に雪かきの応援に行くところ。


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村の田んぼの貯水池。
ここで一旦水をためて暖めてから田んぼに流すんだ。今は雪の中静まり返っているね。



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ここは平気で零下10℃を下回る高地。冬の間はシカたちももっと暖かいところに非難しちゃう。でも、今日はあったか。
雪が降ると暖かくなるってほんとだったんだね。でも、やっぱり零下だよ。



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村の峠はこの辺りでも有数の難所。
雪が降ると真っ先に除雪してくれるので下よりかえって安全です。




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チョッとおもしろいところを見つけたよ。

この辺は、道祖神や、庚申塔、馬頭観音がやたら多いところ。どんなに鈍い人でも気付くくらいの多さです。
それにしてもにぎやかです。神様と生活のかかわりが密接だったのがよくわかります。静かな山里のテーマパークといったところ。



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不動明王とお隣はどなたかしら?しばしば道祖神と同一視される猿田彦命でしょうか?猿田彦は身の丈10メートル、赤銅色の顔をしたはなの長い怪物のような面相の神様、おらが思うに、はるばる海を渡って日本にたどり着いた真っ赤に日に焼けた外人さんだな。お地蔵様で、男女手をつないで祭られてるのがあるでしょ。あれは芸能の神、踊り子さんの天宇受売命とのツーショット。日本初の国際結婚の記念写真てとこかな。

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その後、猿田彦は伊勢の海で貝に挟まれて溺れ死ぬんだけど、実はおらの一族は彼が移り住んだ伊勢の国からこの地に追われた武士の一族。「出雲国風土記」では猿田彦は佐太大神と呼ばれ、諏訪大社に祭られている大国主命とも関係が深い。その、大国主命は、出雲の国を追われてこの地にたどり着いた国造りの神。その国造りに協力したのがかの少名毘古那神。少彦名は一寸法師のモデルになったといわれ、海に引き込まれた猿田彦は浦島太郎のイメージとオーバーラップする。


真っ白な雪原の中、私の想像は軽トラのように野山を駆け巡るのです。





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歯医者さんに行ったら治療してる間にバッテリー上がっちゃった。救援隊が駆けつける間は医者さんの駐車場をまたまた雪かき。助けが来るまでに二台分ぐらいはきれいに出来たかな。



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あけて16日、天気は快晴。とっても暖かな朝です。さて、村のみんな総出で今日も雪かき。とにかく雪が降れば雪かきに明け暮れるのです。





大雪といえばロシア
ロシアといえばレニングラード
今夜はレニングラードカウボーイズの登場です


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それでは、僕の大好きな映画、「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(LENINGRAD COWBOYS GO AMERICA)からお気に入りの3曲つづけて、どーぞ!!









LENINGRAD COWBOYS
フィンランドのバンド。もともとはスリーピースリーパーズというバンド名で活動していたがカウリスマキ監督の映画「レニングラード・カーボーイズ・ゴー・アメリカ」で、ソビエト連邦のポルカ楽団、レニングラードカーボーイズとして出演。予想以上の大ヒットとなり、そのままの名前で活動を続け現在に至っている。
彼らの出身、フィンランドといえば第二次世界大戦以降、旧ロシア、ソビエト社会主義共和国連邦とは犬猿の中、日本と同じく領土問題等をかかえていたなかで、当然、フィンランドの人たちはロシア人を小ばかにしジョークのねたにするのが超大好き。この映画でもロシア人特有の性格が誇張され滑稽に描かれている。ただ、そんなユーモラスな笑いの中にも、どこか、彼らのかかえる寂しさ、哀愁、やるせなさが漂っていて、それらがロードムービーという舞台装置の漂泊感とあいまって非常に良質なコメディー映画に仕上がっている。ソビエト崩壊前夜の愛に満ちたカルト的傑作のひとつ。必見です!


バンドは現在も活動中です。最近、「Gimme your Sushi /寿司をおくれ」なる曲を歌っているようですが、初期のメンバーもほとんどいないようで、当初の、共産主義的ロックンロールスピリッツは鳴りを潜め、もはやパロディーにすらなっていないようなケチな集団になりさがってしまいました。ま、仕方ありませんね。出自が映画の人気を借りた仮想バンドですから人気の存続だけが目的の営業バンドになってしまうのも仕様がありません。