たこ八郎

2018.08.05 (Sun)
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ある日、いつもの公園から帰ってくると家の中がすっごく臭かった。
昼間からカーテンを閉めて薄暗いリビングに母親がこっちを向いて鼻をつまみながらソファーのほうを指さして苦笑いしている。
並べられたソファーには見たこともない浮浪者がいびきをかいて眠っていた。

それがたこさんとの初対面だった。

たこ八郎。本名、斎藤清作。元日本フライ級チャンピオン、日本屈指の名コメディアン。父とは同じボクシングの仲間、一つ下の後輩、階級も彼のほうが軽い一つ下のフライ級。
現役の時はよくスパーリングの相手をさせられた。させられたというのもたこさんとやるのが本当に嫌だったそうだ。父のほうが彼より一つ重いバンタム級(当時はスーパーフライ級という階級はありませんでした。1980年新設)。当然試合をすれば圧勝なのだが、たこさん、これがどれだけ打ったって倒れない。打たれても打たれても手をぶらっと下げたままノーガードで頭から突っ込んでくる。しまいには相手が根負けしてみんなリングから逃げだしちゃう。『あしたのジョー』、矢吹丈のモデルになった伝説のボクサー。

たこさんは僕のことを『お坊ちゃん』と呼んでいた。お酒を飲むとすぐに酔っぱらった。というかお酒を飲んでないたこさんを見たことがない。酔うと子供の時の話ばかりした。僕のような子供を相手に楽しそうにお酒を飲んでいた。飲めば故郷が懐かしいとこぼした。終いにはいつも必ず泣き出した。おねしょしたカーキ色の作業ズボンを母親が洗ってた。

「お坊ちゃん、子供のころ、学校帰りに、毎日、麦畑に寝転んで、あの青い空を眺めながら、あれだよ、オナニーをするんだよ。きもちよかったなあー。あの真っ青な空。あの日に帰りたいなぁ。本当にあの青空はきれいだったなぁ。」

そういいながらいつものようにおいおい泣いていた。母親はたこさんがいるときはいつも黙って苦笑い。私は、とっても嬉しそうに話すたこさんが実はとっても寂しそうなんだなって。昼間、父が留守の家でたこさんの相手するのは私。酔っ払いのわけのわからない苦だ話になぜだかいつまでも付き合ってた。父ら友人の間では「迷惑かけて、ありがとう」というのが合言葉のようだった。  

ある日、明日CMの撮影がハワイであるので飛行機に乗らなきゃいけないという日に、家で、前日から飲み続けてべろんべろんに酔っぱらってて。仕事に行きたくないよーっ、て子供のように駄々をこねた。母親がタクシー呼んで無理やりに車に押し込めた。
「空港に行くにはね、こうこうこの電車に乗って、この時間には間に合うようにこうしてああして・・・運転手さん、お願いしますね。」
次の日たこさんから電話がかかってきた。飛行機に乗り遅れたって。山手線で眠りこけてぐるぐる回ってる間に飛行機、飛んでっちゃったって。
こんなこともあった。
カルビーだったかな?ポテトチップか何かのCM撮りでスポンサーの社長に製品の感想を聞かれたら、「おいしいけど、ちょっとしょっぱいね」って。
結局CM降ろされちゃった。

忙しくなって顔を見せなくなっても、よく電話だけはかけてきた。

「たこです。え、っと・・・・清作です。お坊ちゃまでいらっしゃいますか?お母上はいらっしゃいますか。」
「はい代わりました、はい、そうよ。仕事行ってる?ちゃんと食べてる?お酒ばっかり飲んでちゃだめよ。ご飯ちゃんと食べなさいね。」

ー 何の電話だったの?
ー 今何時かって、家に時計がないんだって。 
  
たこさん、他の人の話は駄々をこねて聞かなかったけど母親の言うことだけは素直に聴いていた。  




それから何年かしたある夏の日、たこさんが死んだ。お酒を飲んだまま海に入ってそのまま帰ってこなかった。
その日から直前、ここ半年、一年間はたこさんからかかってくる電話は長電話が多くなっていた。いつも母親は困ったような、深刻な顔で親身になって相談に乗ってあげていた。
電話口でいつも泣いていた。結婚するのがどうしてもいやだって。あるひとにずいぶんと言い寄られて、それこそ家にまで押しかけてくるようで困っているって。確かそのころはほとんど彼女と一緒に暮らしてたみたい。たこさんもその人がとっても面倒見のいい、良い人で好きだって言ってたらしいけど、でも自分には結婚する自信がないんだって。怖いんだって。いつまでも自由でいたいんだって。相手は名前は出さないけど、今でも芸能界で活躍してるあの人。母親はたこさんの話を聴きながらその彼女のことをずいぶん強引な人だと怒ってた。
           あき竹城   自殺
亡くなる一か月前は特に頻繁に電話がかかってきた。毎週、それこそ毎日。そして、あの日、たこさんは戻ってこなかった。私たち家族の間では、口には出さないけど、みんな、たこさんは自分で行っちゃったって思ってる。
たこさんの思い出。いやだなって思ったのは最初の日の、あの酒臭い、お風呂にも入っていない、強烈なあの匂いだけ。
ただただ思い出すのは人のいい笑顔と子供のようなあの泣き顔と。


夏の青空の下、いつものように酔っぱらったまんま、たこさんは自由の海に帰っていっちゃった。






 Somewhere over the Rainbow - IZ
  
 


イズラエル・カマカヴィヴォオレ
Israel Kaʻanoʻi Kamakawiwoʻole 愛称“IZ”ハワイアンの伝説的歌手。38歳の若さで死去。たこさんと一緒で神様に愛された人。
この曲、前にも紹介したけど、たこさんのための選曲となるとどうしてもこの曲しか思いつかない。僕も何かあると彼のアルバムを引っ張り出して聞いている。今も聞きながら涙が出てきて止まらない。

本当は日本ボクシング連盟の話を持ってこようかと思ってたけど、僕のたこさんと同列に書くにはあまりにあの会長は低俗すぎて。
たこ八郎の、斎藤清作さんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

たこさん、ブログになんか書いちゃって、ごめんね。








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Seeds of Night

2018.07.27 (Fri)
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家に帰ってみたらROUGEさんからバラの本が届いてました。
家の目の前に小さな畑を改めて造って、彩にバラを一本植えようと思って、何がいいですか?と数限りなく存在するバラの品種の中から無謀にも最高のものを一本選べと、なんとも失礼で無責任な質問をROUGEさんにぶつけたところ、それでは大事にしていたこちらの本をそなたに差し上げましょう、と優しいお言葉をいただきました。
私の畑は裏山の斜面に。夜中、なんか食べたいなと思ってもわざわざ暗闇の中採りに行くことも出来ず、ならばと思って台所のすぐ横に土留めの木枠は組んで見たものの未だに肝心な用土も運び込んでおらず空っぽのまんま。農作業がひと段落ついてから軽トラでえっちらおっちら運び込むとしましょう。

さて、ROUGEさんから届いた本に目を落とすもつかの間、まだ日が高いうちにやってしまおうと工場で働いている最中からグッと心に決めた勢いそのままに裏山の畑に向かいましたら、あらららら、ら!十日も見ないうちに、この暑さのせいでしょうか、株間の雑草が腰の高さまで、はるかに作物の背丈を超えて生い茂ってるじゃありませんか!すぐさま管理機のエンジンはフルスロットルに、夕日に照らされた夏草をバッタバッタとなぎ倒す。しばらくすれば夜空には真ん丸の赤いお月様、すっかり日が暮れたにもかかわらず大きな月は電球のように山の斜面の畑にくっきりと私の影を映し出し、砂ぼこりの舞う乾いた赤土の上に両手をついて腰を深々と落とし、匍匐前進さながら、耕運機の刃に残った青草を這いずりながら手当たり次第ひっこ抜く。しかしその間、血に飢えた山中の虫という虫たちが私の頭の上に無数に群がってきて目と言わず鼻と言わず、耳の穴から、口の中まで。穴という穴に向かって急降下で次々と突っ込んでくる、まるで私は今にも沈みそうな満身創痍の巨大戦艦。日が落ちて二時間の間、漆黒の山の中には私の断末魔の悲鳴が月光の里まで響いておりましたとさ。






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ROUGEさん、ありがとう。
いただいた本、大切にしますね。きっときれいなバラを咲かせて見せます。


ROUGEさんのブログはこちら










The Cave Singers - Seeds of Night



Pete Quirk – vocals, guitar, melodica, harmonica
Derek Fudesco – guitar, bass pedals
Marty Lund – drums, guitar






ザ・ケイブ・シンガーズ
今日の一曲は夜の農作業、Seeds of Night ということで。シアトル出身のアメリカンバンド。日本ではほとんど無名ですがアメリカンロック特有の乾いた、それでいておおらかでリラックスした良質なサウンドを聞かせてくれます。フェイスブックで確認したところ現在も活動中のよう。今夜紹介したのはデビューアルバム、2007年リリースの 『Invitation Songs』 から冒頭一発目の曲。マイナーながら良質なポップスを奏でる彼ら。時にアコースティックで、時にブルージーで、あるいはディープに、ノスタルジックに。まったりとしたサイケデリックな夜には冷えたビール片手に彼らの歌に体を揺らすのもいい。お勧めです。



THE CAVE SINGERS - Falls













高島城 諏訪の桜

2018.06.12 (Tue)
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今回もちょっと前の写真をね



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『トコトコ信州観光ガイド』と新たにカテゴリーを立ち上げてね



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高島城は諏訪の浮城と呼ばれていましてね



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昔は天守の背後まで諏訪湖が広がってたんだってね




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そんな姿を想像しながら桜を眺めるのもとってもいいものでね




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一周僅か5分の小さなかわいいお城なんですがね






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そのうえ天守は鉄筋コンクリートのレストアなんですけれどもね







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それでも特にこの時期の桜の見事さは格別でしてね








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ところで、桜って当たり前に毎年お目にかかれるのものなのですがね







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何度見ても初めてのような気がしてね





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梅の花とかチューリップだとかはしっかりと目に焼き付けることができるんですけどね






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桜だけはいつになってもとらえどころがどうにもなくってね







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手のひらからはらはらと零れ落ちる薄肌色の絵具のようで







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どうしてもその分、カメラのシャッターを切る回数が際限なく増えてしまいます。




話のおしまい






誰かこの曲に動画付けてくれないかな










開設5周念プレゼント 当選者発表!!

2018.05.29 (Tue)
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お待たせいたしました。
『ブログ開設5周年記念プレゼント企画』 お米15キロ、当選者の発表です。


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皆様ご応募ありがとうございました。
でも、思ったより正解者が少なかったのは、思いのほか問題が難しかったのでしょうか?
『くんざん』さん、長野にはオットセイはいないですよー。いくら寒くてもここは北極じゃありません。


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さて、正解はこちら!

つららの間にだれが置いたか知らないが、ちっちゃなかわいい雪だるまがちょこんと座っているのが見えますでしょうか。
オコジョと答えた『ちから姫』様もおーまけにまけて正解とさせていただきました。


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それでは、いよいよ当選者の発表です!
厳正な抽選の結果、見事、無農薬新米をゲットされた方は・・・・



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『よっこたん』様!!
おめでとうございます!!!

アメコカリキの世界
・・・・アメコカリキの世界・・・当初は何かよからぬことを密かに計画している秘密結社かなにかかと思って怖かったです。



皆様楽しんでいただけたでしょうか。
出題者としては悩んでる皆様の姿が目に見えるようでちょっと楽しかったです。
これに味をしめて来年もまたやってみようかしら。


追記
『雪だるま』じゃなくても6枚目の写真に小さく何か写ってます!て時点で皆さん正解にしてますよ。はずれた方、次回に期待です!!!








Blondie - One Way Or Another




ただ単に今夜は好きな曲で。
ブロンディはたくさん名曲もってるけど、なんか、彼女、この曲歌ってる時が一番生き生きとしてる気がするんだよね。
こういうシンプルで勢いのある曲は元気が出ていいです。











高遠の夜桜

2018.05.25 (Fri)
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と、その前に
ブログ開設5周年記念プレゼント企画
の応募、これにて締め切らせていただきます。たくさんのご応募、ありがとうございました。
抽選会は次回の記事で、お楽しみに。



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先月、4月の春先に、確か4月6日に行った高遠の夜桜。



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急に暖かくなった今年の春先。例年よりも一週間以上早い開花に世間の気持ちがついていけない花見客の足もまだまだで客足もまばら。てきやのおやじも客足が伸びずに頭を抱えていましたっけ。



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それでもここ数日やっと賑わいを見せてきて、きっと日中は大変な賑わいになると、今年は夜桜を楽しみたいと友人たちとカメラ片手に訪れてみました。



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高遠城は武田信玄の配下、武田軍団、伝説の軍師、山本勘助が設計した城。私のご先祖も足しげく登城した名城。
高遠コヒガンサクラは高遠にのみ自生する貴重な桜。小ぶりで薄桃色のかわいい花をつけます。



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この日は日暮れとともに急に寒くなってついには雪まで降ってきました。
桜を映した城内の池では蛙が鳴いて、その上を雪が舞っている。
雪に、蛙に、夜空に浮かび上がる極彩色の桜。何とも不思議な戦国のお城の夜桜見物。




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桜といえば潔い散り際。
武田の滅亡とともに高遠城は籠城する守備隊の命を散らし落城する。



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次の日の朝はうっすら雪化粧
何とも不思議な夜の桜でした。







Pram - omnichord



Pram — Cinnabar





Pram / プラム
1988年結成のイギリスのバンド。1998年発表の4枚目のアルバム『North Pole Radio Station』から二曲。Pramは乳母車のこと。子供時代の暗い記憶を題材におもちゃのピアノ、テープ・ループ、電子オルガンの旋律が展開します。




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ありがとう

2018.05.10 (Thu)
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『くんざん』さんから夏ミカンが届いた。
手作りの自家製味噌と一緒に。







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畑の合間にみんなで夏みかんを頬張った。
そういえば寒い信州では夏ミカンを見かけることがあまりない気がする。

仕事のほうは順調。
派遣社員のくせに研修に来た新入社員に一日付きっ切りで仕事を教えている。
おかげで一日の作業はあっという間に過ぎてゆく。








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職場で知り合ったインドの青年。
食堂での自分の居場所がなかなか見つからずたまたま座った席の隣がインド人の集団だった。
それも私がよく知っているチェンナイのエンジニア。
『イチド、ハタケヲテツダッテミタイデス』
お、いったな♪ ということで先月休日返上で無理やり畑に連れ出してジャガイモを植えました。
今年はあきらめていた畑仕事、ふたを開ければ村の誰よりも早く仕事を始めています。
そういえば、アイヤッパの旅、書きかけの『南インド紀行』
いつになったっら完結するのだろう。









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やりたいこと。やるべきこと。やらなければいけないこと。
やらなければがたくさんあり過ぎて心が痙攣してしまう。
レナードの朝のあの病気のように、激しい痙攣はまるで死んでしまったように私の心を縛り付けてしまう。
気持ちばかりが焦って春のとめどない季節の流れをただ見送るばかり。
走ってもいないのに動悸ばかりが激しく胸を打っている。








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『ぽっけ』さんからバレンタインデーにもらった大きなチョコレートの包み。
とてもおいしかった。食べ終わるのに一か月かかった。
簡単に『とてもおいしかった』と書くのははばかれるほどおいしかったのに・・・・
何もお礼できるものがないなあと思っていたらホワイトデーにメールが届いて、おかえしがないぞー、コラ。と怒られた。
仕事は順調だ。しかし、いつの間にか日常に安心して私の心は痙攣で動かなくなった。









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『カレーリーフ・久美子』さんからもたくさん贈り物をいただいた。
金山寺味噌やらシガレット・チョコやら手作りギーやら。
会社帰りのスーパーで夕方セールの半値になったお刺身を買って、酢飯に乗せた即席ちらし寿司にいただいた和歌山のたまり醤油をかけていただく。これが最近の私の夕飯。
トロリと少し甘みがあって、九州で頑張っていた時にいつも使っていた甘いお醤油を思い出す。
夏みかんに、大きなチョコレートに、特製たまり醤油。考えてみればなんて贅沢な毎日なのだろう。あーあー、と一人めそめそしている場合ではない。








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今年は毎月、新曲をアップしようと心に誓ったのにもうすでに挫折しかけている。
あらら、また動悸だけが激しくなる。
鬱の人に「頑張れ」と声をかけるのはいけないと聞いた。しかし、それでも頑張れと自身に声をかける。









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日頃のお礼に、贈り物をいただいた皆さんに、上野大根の糠漬けを送りました。
去年はあまりに寒くて大根が凍ってしまって漬けあがりがいまいちだけど、おいしく食べてください。
しかし慌てて送ったのでポッケさんとカレーリーフさんの荷物を取り違えて送ってしまいました。
お詫びの電話をして初めてカレーリーフさんとお話をした。早口のかわいらしい声の人だった。どんな人かなと考えたことはなかったけれど話してみたら何となく想像していた感じだったのでちょっと可笑しかった。









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「今夜は必ずブログを更新します。そういう決意で今家に帰っているところです。」
そう言い切って電話を切ったがあまりにつかれていてパソコンの前で気が付いたら眠っていました。
春の山は日々色を変えて私を置いてきぼりにする。
もうすぐ夏が来るよ、さあがんばれがんばれ。








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出来ないことを可能にするために力を注ぐより、出来ることをこなしてゆくほうが実はとても難しい。
自分の中にあるものをひとつづつ形にしてゆく。
書き留めることでひとつづつ形にしてゆく。
今まで簡単にできたことが何故かむづかしく感じられる。
あたらしい本を開くのにとてつもなく勇気が必要になる。
日常に埋没する恐怖。日常の安心の中によどんでゆく病。
ああ、いけないイケナイ、ガンバレガンバレ。









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『くんざん』さんから頂いた手作り味噌、『ズク』がない私は真っ白なご飯にそのまま載せていただいている。
自分で作った新米の香りと手作りの麹の香り。
なんて贅沢な食事でしょう。

そうだ、今日あたり『お化けの猫』さんから贈り物が届く。
彼に会わなかったら・・・実際は未だあったことがないのだが・・・彼と出会わなかったらブログも書いていなかったし、もしかしたら長野にも引っ越ていなかったかもしれない。
未だあったことのない友達、送られたお酒を開けるときはまだ見ぬ友を想って独り乾杯をする。











Soha - Mil Pasos





Soha
ソア。『ソア』と呼ぶのか『ソハ』なのかは知りません。フランス語では『H』は発音することがほとんどないので。しかしお名前なので例外もあります。アルジェリア系フランス人の女性歌手。2007年のアルバム『D'Ici Et D'Ailleurs』からの一曲。
言葉もわからないし旋律も日本のものとはかけ離れている異国のものだけど何故か郷愁を誘う。こういった成熟した音楽を聴くと低俗でつまらない雑音で満たされている日本の街を飛び出してバック一つ、見知らぬ国をさまよっている自分の姿を夢想してしまいます。









Rosey Precious Time

2018.03.10 (Sat)

アイヤッパへの道 vol.13

2017.09.23 (Sat)
ポンディシェリにて 理想郷

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『僕の夢』   少彦名




僕の夢は大金持ちになることです。





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大金持ちになるために毎日神様にお祈りしています。






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大金持ちになって何をするのかというと
大金持ちになったら大きな会社を作ろうと思います。






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どういう会社かというとゴミを拾って町をきれいにする会社です。
大きな会社を作って『雇用』を生み出そうと思います。
会社に雇って働く人はみんなインドの貧しい人にやってもらおうと思ってます。







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会社を作ってまず何をするかというと、
会社を作ったら、一番最初に政治家に賄賂を渡します。
そして、税金やいろんな国のお金を会社の仕事に使ってもらうように優遇処置をしてもらいます。

「もし国内からごみを無くすことができればインドの観光地としての価値は格段に上がります。税金の投入は未来を見据えたわずかな投資とお考え下さい。数年後には観光事業の高まりとともに税収もアップし、インドをゴミのない美しい国に変えた清潔の父として先生の名前は歴史に刻まれることでしょう!」

とかお話しして国の援助を受けようと思います。







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今日はポンディシェリのオーロヴィル(Auroville)という町に来ています。
ここは、インドの哲学者、オーロビンド・ゴーシュ( Sri Aurobindo Ghose)とフランス人の奥さん、ミラ・アルファサ(Mirra Alfassa)が1968年に作った共同体、現代の理想郷です。町の中央には金のゴルフボールと呼ばれる丸い寺院のようなものがあります。マトリマンディール(Matrimandir)は巨大な瞑想を目的としたホール、旅行者でもオーロヴィルに滞在すれば中に入ることができます。
この日もたくさんの人が並んで待っていました。日本人もいました。理想郷ということでみんな白い服を着てちょっと変わった人が多かったです。





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この街には一つもゴミが落ちていません。
インドはどこに行ってもゴミだらけなのにたばこの吸い殻一つさえも見つかりません。
実はポンディシェリはインドではありません。フランス領、ここはフランスなのです。ですからここには大声で話すインド人も風に舞うプラスチックのごみもクラクションのうるさい自動車も、そういったインドらしいものは一切ありません。
代わりに、おしゃれなカフェだったり、代官山にあるようなブティックだったり、作家の作ったコーヒーカップを売るお店だったり、西洋人でいっぱいのゲストハウスだったり、気持ちよく一週間ばかりはいれそうな静かなところです。
この小さな女の子もきっとフランス国籍
La Fille Du Soleil です。






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お金持ちになってゴミをインドからなくしたいです。
そしてお金儲けをして町を一つ買いたいです。
町にサイババみたいな預言者を呼んでもっともっとお金儲けをしたいです。
そのお金で病院を作って学校を作ってみんなただで勉強ができてみんながこの村の人のようにごみを捨てるのをやめればインドはとってもきれいな国になります。インドからごみが無くなればそれはそれはこの村のような理想郷になります。
でも、まだ、お金持ちじゃない僕には今は何もできません。だからオーロヴィルがづっと幸せな場所であるように祈ることしかできません。

現代の理想郷、オーロヴィルよ、永遠に。









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僕の夢は大金持ちになることです。
でも、貧乏なお百姓になってしまうような気がしてなりません。










Mikado / La Fille Du Soleil / 太陽の女の子





ずいぶん前にも紹介したフランスの曲
でも、あの女の子の写真見てたらまた聞きたくなりました。









梅雨

2016.06.22 (Wed)
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梅雨の季節がやってきました
東京にいたときは梅雨はうっとうしい季節
ここに引っ越してから楽しい季節になりました






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雨が降れば畑の作物が目に見えてぐんぐん育っていきます
雑草だってぐんぐん育っていきます
野菜と、雑草と、私と、よーいどんで競争です






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雨が降ればお休みする理由もできます
もちろん雨の日も濡れながら仕事をするときもあります
でも、濡れた土を踏みつけると固く締まってしまいます
ですから雨の日は畑には入りません
もちろん、雨に濡れても山の中では気持のいいものです






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田圃の水だけ見に行って
あとは雨を眺めながらぼーっとしてます






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稲もすくすくと伸びています
今年は去年の4倍、何年も使っていない新しい田んぼでお米を作ります
今度、『なんで農家のお米はおいしいの?』を書いてみます
聞いてびっくり、なるほどなーですよ





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明日からしばらくは雨
雨降りはゆっくりできると言ってもほんのつかの間
夏が来るまでにたまっていることを全部かたずけないと
この一週間が勝負です







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Sketch For Summer で水連池を見る









Bobby Womack
I left my heart in San Francisco





ボビー・ウーマック / 想い出のサンフランシスコ
もし、梅雨の曇り空にうつうつしている人はこの曲を聴いて元気出してね
今気が付いたんだけど、黒人のファンキーな曲って紹介するの初めてかな。これでも結構、この手のアーティストは大好きで、大音量で聞きながらよく一人で踊ってます。
ソウル&ファンク好きの人って往々にしてその道の通だったりして、情報豊富なしっかりしたレビューを書く方が多いでしょ。なのであえて僕が紹介することもないかなって避けてたのかもしれません。
でも、なんか落ち込んで何もしたくない日にファンキーな曲をターンテーブルに乗せれば・・・
それは何よりの薬だね。





オリジナルも載せてみます
全然違う曲だからびっくりだよ


Tony Bennett
I left My Heart in San Francisco



















桜露

2015.04.20 (Mon)
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連日の雨
高遠の桜は満開の花びらを雨に濡らしていました





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朝方は久しぶりに晴れ間が覗いてたのですが着いた頃にはまた雨が降り出します






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タカトオコヒガンは高遠城に自生する固有の品種。
ソメイヨシノよりも小ぶりで桃色の花をつける。
本来なら名前の通り彼岸頃に咲く桜
信州は一ヶ月遅れの春の訪れ







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激しく降ったと思えば急に晴れ間が覗いたり
あいにくの天気にもかかわらず天下の桜を一目見ようと詰め掛けた観光客の一喜一憂が余計に桜の色を赤く染めるようです。








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高遠の城には代々由縁のある家柄だとか。
その昔、城に通う五里の道のりを他人の土地を踏まずに通った云々・・・






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それもこれも少彦名がこちらに越してきてから聞いた話
きょうは御城主への二度目のご挨拶です。






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雨にぬれた桜をわざわざ見に来たのは初めてかもしれない。
やせ我慢でもなんでもなく、濡れた肌色の桜は晴天に輝く花びらに決して引けをとるものではない
むしろ余計に色鮮やかでまるで別の花のようにしっとりと振舞っています







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城内の桜は1500本、天下一というのもまったくうなずけます






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花の咲く頃
沢山の人々が花の周りを通り過ぎる
毎年必ず目にしているはずなのにいつもはじめてみるような
しっかりと目に焼き付けているつもりなのにまったく何も見ていないような。







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花びらに滴る雨の露

小泉八雲の「乳母桜」の一節を思い出す




『その桜の花は、桃色に白く、まるで大人の女性の胸の乳でうるおった乳首のようでございました。そして、人はそれを乳母桜、つまり、赤子に乳を与え守る乳母の桜の木と呼んだのでした』



乳母は自分の育てた子を、子は、育ての母親を。
母と子の互いを思う悲しくせつない物語







さて、城址を離れた直後、あたりは黒い雲に覆われ山頂では雷の鳴り響く激しい嵐となりました
峠を走るうち雨はみぞれに変わり霧に包まれた道は数メートル先も見えません
迷宮に迷い込んだ少彦名がたどり着いたのは・・・

次回は古代の謎に包まれた古いお社、「守屋神社」のお話です
謎の守屋神社








Kate Bush - Babooshka



桜狂い咲きということで今夜はケイトブッシュで三曲
彼女の錯乱した美しさは桜が咲き乱れ散っていく目くるめく感覚に似ているようです。



彼女は夫を試してみたかった。
彼女は何をすべきかよく分かっていた
偽名を使って、彼を欺いてみよう。
彼女にはそんないけない行いはできなかったのに。




彼女は夫の愛を試す為、他人に成りすまし香水の香る熱烈な手紙を送り、密会の場所で夫がどんな様子で現れるのか心を震わせて待ち構えるのです。そのとき、すでに彼女は彼女ではありません。雨にぬれた桜のように、彼女は以前の彼女ではありません・・・・





Kate Bush - Army Dreamers


Kate Bush - Get Out Of My House










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