Punkな夜
2017.05.31 (Wed)

常世神少彦名神はいまだインドから帰ってござらぬ。
ビシュヌとの語らいに浮世を忘れ、アイヤッパとの酒盛りに月日を忘れ、サラスバティとの道行きに我を忘れ・・・
そろそろお戻りになるころ合いですのでその時は、薫さん、カレーリーフ久美子さん、上野大根特集しますからお待ちくださいね!

カールが製造中止ということで、ビール片手にカールチーズ味を頬張りながら裏山に行ったわけさ。
空には猫の目のような三日月が青く光っていて、何の音もしない、風すら吹いてない時間の止まったような森の中で、「なぜカールが発売中止なんだ!」と一声叫んでみたわけさ。
そしたら、僕の左の斜面の森の中から「ヒュー」と鹿の鳴き声が答えるの。
こちらも負けじに、雄たけびすると
間髪入れづに牡鹿が叫ぶ
この、作物荒らしがー!
「ふぉー!」
お前なんか汁にして食っちまうぞ!
「ふぉー!」
ということで、今夜は眠れぬ夜、ならぬ『眠らない夜』
パンクな夕べの開幕です
The Sex Pistols - Anarchy In The U.K
今の子はこんなの知らない人も多いんだろうな。
初めて見たときはなんて汚ったないいお兄さんだと思ったよ。私はビートルズ一番、ビートルズ最高少年だったから彼らが暴れるのを見ながら「こんなの音楽じゃない!」てそのたびに叫んでた。でも、彼らのビデオがテレビに映るのを、そもそも彼らの映像が流れそうな番組を新聞のテレビ欄で探し出しては密かに心待ちにしていた。彼らの曲が流れるたびに彼らを拒絶するそんないたいけな気持ちとは裏腹に僕の目は画面に釘付けになっていた。少年の既成概念を粉々に打ち砕く、そんな瞬間を体験できたあの時、それは本当に幸せな時間だった。あの時の心の震えは今も忘れない。
Sex Pistols - Holidays In The Sun
自分の国の女王さんをネタにしちゃうんだから、日本じゃ大変なことになるね。イギリスの王様はおう様の中で一番強くて偉い人ってくらいで昔の日本でいえば家康みたいなものだから天皇とは比べられないけど、イギリスは身分制度が今でもきっちり残ってる古い社会だからロックスターになるかサッカー選手で有名にならない限りいい女は抱けないわけで、ブルーハーツなんかの日本のロッカーとはイギリスの連中は気合が違うわけね。「りんだりんだ」なんか、カラオケで騒ぐにはちょうどいいって。でも、彼らが売り出す前に下北沢で初めて見たときにはとても新鮮だったな。
Discharge-Hear Nothing See Nothing Say Nothing
ディスチャージ
パンクって役立たずとか青二才とかチンピラって意味なんだってね。とり方いろいろだからどこからどこまでがパンクだかよくわからない。
この人たちはハードコアパンクってジャンルの人たち。『蒙古タンメン中本』ってラーメン屋あるじゃない?ほら、カレーでもラーメンでも辛い物を追及してゆくと歯止めが利かなくなるでしょ?きっとそれと一緒。でも、これ以上いっちゃうとパンクではないようになるです。メロコアとかパンクにもいろいろカテゴリーあるみたいですけどもうそうなってくるとヘビメタとどこが違うのかよくわからん。パンクがならず者ならヘビメタはきっと青二才でもろくでなしでもないとっても社会性のあるいい子ってことなのかな。
Crass - Bata Motel
クラス
80年代のUKパンク正当後継者。社会から離脱して共同生活していたアナーキスト集団。“Do It Yourself” 何でも自分でやりましょうの『D.I.Y』をスローガンに掲げていたバンド。ならず者といいながらとってもまじめな人たちです。真面目といえば日本にも町田町蔵というパンクミュージシャンがいました。目がとてもギラギラしていて、すごく背が小さいのにびっくりしたけど、きっと誠実で真面目な人なんだろうなとライブハウスで見かけたときにそう思いました。
Christian Death - Spiritual Cramp
クリスチャン・デス
この人たちはポジティブ・パンクって呼ばれる人たち。パンクなのに『ポジティブ』って何事?てとこだけど、このままポストパンク、ニュー・ウェーヴって流れになってくわけです。いまの、ビジュアル系、ゴチック系の元祖です。それでも女装して歌ってる薄い奴らとは違ってまだまだ骨はあります。
独り言で紹介したキリング・ジョークなんかもこの辺にカテゴライズされてます。このころのアンダーグラウンド・ミュージックは百花繚乱でした。
Malaria! - Geld/Money
マラリア!
ドイツにもパンクはありました。それも女性でご紹介
ちょっと、インダストリアルっぽい味付けですけど。1982年のリリース。なぜか日本盤持ってるんだよね。なんか恥ずかしいw
女性パンクバンドといえば以前『諏訪姫』で紹介したスリッツも初めて見た少年は何だこりゃ!と拒絶反応起こしたんだよね。本当に好きになったのはかなり後の事。
ドイツにはニナ・ハーゲンってすっごい女性もいましたけど彼女はまた機会があったら。なんてったって彼女、強烈すぎるんだもの。
そうそう、マラリアってなぜかびっくりマークつくんですよね!
今あるポップミュージックのあらゆる形がパンクムーブメントの中で出来上がったのですね。それも当然、パンクって規制のものをこわすのがかっこよかった時代だから。壊せば新しいものが生れてくるしそれをまた壊せばまた新しいのが生まれるの繰り返し。壊し続けて気がついたらあたり一面色とりどりの花であふれかえっていた。
壊すことをやめちゃったら創造の世界は途端に退屈なものになってしまう。予定調和で終わる世の中のヒット曲は一年後には当然のように忘れられてゆく。私も一曲でいいから骨のある世界に傷を残せる曲を作ってみたいものだ。
Television - Friction
テレビジョン
パンク・ロックのルーツってアメリカなんだって。ニューヨーク・ドールズとかラモーンズとかね。『暗夜行路』で紹介したイギー・ポップなんかはパンク界のカリスマです。
テレビジョンもUSパンクの代表的なバンド。この曲ライブでカバーしたな。とても盛り上りました。このガレージな感じ、また気の合う奴がいたら一緒にやりたいな。
Tom Robinson Band - Glad To Be Gay
トム・ロビンソン
自身が同性愛者であることを前面に出してあらゆる差別と闘ったイギリスのミュージシャン。
音的には全くパンクではないけどきっとこれこそ正真正銘のパンク。
僕はゲイではないし、この曲を初めて聞いたときは英語なんかからっきしだったけど心をかきむしられるなにかがあった。パンクって音がでかけりゃいいてもんじゃないんだよね。
歌心と言ってしまえばそれまでだけど、まだまだ音楽には僕の知らない魔法が隠れている。


勝手にしやがれ!!<35周年記念デラックス・エディション>

Hear Nothing,See Nothing,Say..

Penis Envy

Deathwish

Compiled 1981-1984

Marquee Moon

Anthology 1977-1979
音楽中心のブログを書くとコメントが少ないんです。レアな曲ばっかり紹介するし、そもそも、音楽ブログって自己満足的でみんなにわかる共通語で語ってないものが多いからね。
今回はマニアックな中でも超メジャー、ピストルズを中心にご紹介。『セックス・ピストルズ』聞いたことない、知らなかった、って若い人がいたらどんどんコメントください!もちろん若くない方もよろしくお願いします♪

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