少彦名のきのこ図鑑7 スッポンタケ
2018.10.30 (Tue)

2018年10月25日撮影
家の裏で恐竜の卵を見つけました。
もうすでに孵化が始まっていて何やら目のようなものがこちらを恐る恐る伺っています。

見つけたのは家の裏の石垣。
裏の山のもみじはいつものように真っ赤に紅葉しています。

二日後
ついにその姿を現しました。スッポンタケです。
しかし真っ白なものは初めて見ました。スッポンタケの別種かなと初めは思いましたがよく見るとすぐ近くに頭の黒いのが一本生えていましたので何かの拍子にグレバの部分が抜け落ちてしまった個体のようです。
スッポンタケ、学名を『Phallus impudicus』、ラテン語で『厚顔無恥なペニス』。日本でも、くそたれきのご、 へびたけ、きんたまっこ、と、言われ放題のキノコです。そんなこともあってか日本ではあまり食用にすることはありませんが中華やヨーロッパでは頻繁に食べられる、近縁で白く美しいベールをまとった『キヌガサタケ』と合わせて食味のいいおいしいキノコ、キヌガサタケは高級食材として珍重されています。山林、原野、空き地など様々な場所に生え、私が東京にいたときに採取したのは道端の街路樹を伐採した直後の日当たりのいい斜面にびっしりと生えていました。


上が通常よく見る形状のスッポンタケ。頭にグレバと呼ばれるねばねばした胞子の塊が付着していてこれがかなりの悪臭を放ちます。繁殖はこの匂いによって蠅をおびき寄せて胞子を運ばせる虫媒方式。軸の部分は柔らかくスポンジ状、基部の卵のような部分はゼリー状で薄い皮でおおわれています。

試しに卵の部分のゼリーを食べてみました。
湯がいて酢醤油で、飾りつけすればちょっとした酒のつまみに見えなくもないですが・・・
・・・マズイデス。グレバの臭みと何とも言えない食感と口の奥に湧き上がるあわい酸っぱさと。これでもう少しグミのように歯ごたえがあれば耐えられそうですが口の中でとろけるような感覚が逆に気味が悪いです。

軸の部分。一見柔らかく味もそっけもなさそうに見えますが結構コクがあってスポンジ状のしゃきしゃきとした歯ごたえで、スープにも良い出汁が出ます。やはり家の裏でできたナメコと一緒に今夜はビールとキノコ鍋。ただし食べ過ぎは厳禁のようです。キノコの中ではよくあることなのですがお酒と一緒に食べると深酒になったり悪酔いするものが何種類かあります。この、スッポンタケもその一つのようで、さらに食べ過ぎても体質によって酩酊したり幻覚を見たりするそうです。なので今夜はビール一本のみで。この一本きりで酩酊できるのであればちょっと得した気分です。
海道はじめ・スナッキーガールズ-スナッキーで踊ろう
悪酔いといえばこの曲の右に出る作品はありません。1968年に発表された幻の名曲。作曲は「早く帰ってコ」「矢切の渡し」「王将」などで知られる船村徹さん。残念ながら去年お亡くなりになりました。歌うは海道はじめ、バックを固めるのはスナッキーガールズ、小山ルミ、吉沢京子、羽太幸得子の三人。山本リンダが流行っていた時代と聞きますからちょっとその辺でおかしくなっちゃたのでしょうか。プリマハムの新商品『スナッキー』のイメージソングだったそうです。
今回は曲の紹介をするかどうかかなり迷いました。だってこの曲流しちゃうとどんな記事でも全部持ってかれてしまう。

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秘密結社『暁のマコモタケ』結成
2018.10.28 (Sun)

薫さんからのリクエストに応えて、突然ですがここに『マコモタケ団』結成を高らかに宣言します♪
☆入団資格
参加希望の方は真菰筍に関する記事、お料理の写真、真菰だけに対する思い等をブログ、SNS等にアップし、当記事のコメント欄にURLを張り付けてください。アメリカの『ワイルドライス』でも参加可能です。
☆活動内容
真菰筍を食べて幸せになる。マコモダケを知らない人にマコモを紹介して一緒に幸せになる。
☆団体概要
団長 薫ざん閣下
副団長 カレーリーフ女史
団員一号 すくなひこな
なお、応募記事については僭越ながら当ブログにて後日まとめて紹介させていただきたいと思います。
それでは一日一善、マコモタケ普及のために邁進してまいりましょう!
もし、マコモが近くに売ってないという人は次の記事でお願いいたします。
『マコモダケ』
マコモダケ
2018.10.27 (Sat)

マコモという植物をご存知でしょうか。
イネ科の多年草で人の背丈よりも高く大きくなります。
東南アジアから中国、台湾、日本では万葉集にも登場し、日本各地で普通に見られる、川や湖などの水辺に群生する大型の植物です。私自身も初めて知ったのは去年の春、ちょうど田植えのころで慌てて生産農家さんに頼んで苗を手に入れたものです。

この村の農家さんですらまだまだまこもを知っている人は少ないです。あの東京から来た変人は何を作ってるのだろう、かやぶきでも始めるのかしら、といぶかしがっていたそうです。
しかし、まこもと日本人とのかかわりは非常に古く、稲作が伝搬する以前から重要な食料として珍重されてきました。神事や人々の生活にも深いかかわりがあり、寺社のしめ縄や茅の輪、猫ちぐらやムシロ、精霊船といった祭具や変わったものでは黒く変色したまこもから真菰墨というお歯黒の原料を採ったそうです。太古の昔から様々なものに利用されてきました。
秋の風にたなびく真菰、去年までまこもの存在すら知らなかった私の田んぼが、一年前は十株だけだったのに、今はその何十倍に生い茂った草木が秋晴れの水田を埋め尽くしました。

背丈よりも高く茂ったまこもの田んぼはまるで林か森林のよう。青々とたくましく、猛々しい生命力をたたえています。
ここ、長野をはじめ生産地の多くで耕作を放棄された休耕田を利用した栽培がなされています。あっという間に生い茂り背丈が大きくなるまこもは雑草の防除の必要もなし。水を張って作るのは稲作と全く同じでまこもを栽培しながらすぐにでもコメ作りに転用できる健全な田んぼを維持してゆくことが可能です。減反や人手不足で主を失った田んぼが生き生きとよみがえるさまは眺めていて痛快でもあります。

大きく肥大したまこもの茎。
これがマコモダケとして食用に利用する部分です。黒穂菌が寄生することで大きく太くなるのだそうです。まこもの種子はワイルドライスと呼ばれ、アメリカでは健康食品として大いに栽培されています。

この、大きく太った茎の部分を収穫します。鎌などを使わなくとも手でおることができます。
手折った切り口から透明な樹液がしたたり落ちます。そのままかじって食べられるほど、えぐみも苦みもなく、癖のない、トウモロコシのような甘い香りがします。

緑色の皮をむいて、ピラーなどで白くなるまで削っていきます。
中華料理には普通に使われている食材で、煮る、炒める、蒸す、餃子の具や野菜炒め、スープ、みそ汁、きんぴらなど、癖が全くないのでどんな料理にも合いそうです。
でも、目下の私の、一番のお気に入りはそのまま網で焼いた『真菰の素焼き』、今夜は味噌を塗りつけて弱火でさっと焼いてみました。

生でも食べられるくらいですからあまり火を通し過ぎると歯ごたえが無くなってしまいます。
焦げ目がつくくらいのちょうどいい歯ごたえ。トウモロコシのような甘さとタケノコの歯ざわりです。サイドメニューは、今日山で採れた野生のきのこ、『チャナメツムタケ』と自家栽培の『シイタケ』、家の裏で採れた巨大な『なめこ』のお吸い物、秋の味覚に大満足です。大きく育ったマコモダケはこれ一本でなかなかのボリューム。おなかも一杯になる秋の大地の恵みでした。
マコモダケ販売
マコモダケ5本前後(1、5㎏~ )を送料込みで2000円で販売いたします。
数に限りがあるうえ、11月初めころまでの収穫になりそうですので食べてみたいという方はお早めにお願いします。
なお、寒い季節に採れたまこもは、果肉の中に黒い点々ができることがありますがこれは先ほど書いた真菰墨です。食味には影響ありませんので安心してお召し上がりください。また、包装に関しては米袋で簡易に包んでお送りいたしますのでご容赦いただける方のみご注文ください。
では、ご面倒ですが下記のアドレスか当該ブログのコメント欄に返信に必要なメールアドレス、配達の為の情報等を書き込んだうえでご連絡をいただければと思います。
suwakohimedaikon@gmail.com
では、ご注文お待ちしております。
(2018年11月27日深夜)
ヒメコレ2017 薫さん編
2018.10.24 (Wed)

もう1年になるのじゃな、常世神少彦名じゃ。
昨年『姫コレクション』と名前も新たにリニューアルして再スタートした上野大根お料理フェスティバル。信州諏訪の特産品、『上野大根』を使った創作料理を出品してもらう次回で4回目の大会じゃ。『ヒメコレ』で検索すると高級美少女デリヘルがヒットしてしまうというのはちょっとしたご愛敬、しかし開催直後にインドの神様たちに会いに行ってそのまま知らんぷりで、今までほったらかしにしていて本当にごめんなさい。
さて、気付けば今年ももうすぐ上野大根収穫の季節、『第4回 ヒメコレ・フェスティバル』開催の季節となった。それに先駆けて大変遅まきながら、参加してくださった腕自慢の皆様のお料理をここに改めて振り返ってみることとしよう。
え?、なんか変なしゃべり方?
この書き出しに違和感を持たれたそこのあなた、わしが登場する場面ではもうおなじみの口上なのじゃ。年に二、三度、気まぐれで吾輩が降臨する時はすべてもったいぶった上から目線のこの調子、何を隠そうわたくし、常世神少彦名こそがこのブログの真のオーナー、ブログ『音・風・水』の主なのだ。普段書き込んでおるのは私の分身、現世すくなひこなですからね。
薫さんの上野大根に関する記事。
何を手掛けても超一流!!
皆さんも遊びに行ってみて!
『薫さんちのビーフシチュー』
ヒメコレ2017 その1
ヒメコレ2017 諏訪湖姫大根の麹味噌漬け
ヒメコレ2017 諏訪湖姫生大根
ヒメコレ2017 白い九十栗
ヒメコレ2017 その2

今年は大根料理の王道、漬物づくしで攻めていただいた。
ただ、そこは何をやらせても素人はだしの薫御大、要所要所に他人にはまねのできない創意工夫が盛り込まれておるぞ。


薫さん自家製の麹と自家製味噌。
これはあっぱれ !! 普通にこんなことしちゃうんだから神様も脱帽じゃ。
大根のお返しで特製味噌をいただいたが粒粒がおいしいスペシャルなお味噌汁が出来上がったぞ。ただ残念なことにおいちゃんおばちゃんに強奪されて「美味しい美味しい」とあっという間に食べられてしまったわい。


上が味噌漬けじゃな。一緒に送った唐辛子も上手に使っていただいた。
さっき朝ごはん食べたばっかりだけどおなかがすいてきたぞ。

いっしょに送ったカボチャ、おいしかったでしょ?この村のカボチャを食べると他のかぼちゃが食べられなくなるというくらい評判がいいんだぞ。

とにかく楽しんでもらえるのが何より。
こんなにおいしくいただいてもらって諏訪湖姫ダイコンも本望だろうて。
百姓みょうりに尽きるおいしい記事の数々でした。

さて、次回は
『カレーリーフ久美子と愉快な仲間たち』です。
こうご期待 !!
I Don't Feel It Anymore - William Fitzsimmons
以前も紹介した歌う伝道師、ウィリアム・フィッツシモンズの名曲。デュエットは同じくアメリカの女性シンガー、プリシラ・アーン。彼女はスタジオ・ジブリの大ファンでジブリ映画のカバーアルバムなんかも出している。マツモトキヨシのCMソングや映画『思い出のマーニー』にも曲を提供、NHKの『被爆70年特集ドラマ・赤レンガ』にも女優として出演しているので彼女のほうが日本では有名かもしれません。
ウィリアム・フィッツシモンズ、盲目の両親のもとで生まれた彼、小さなころから演奏家であった両親と音楽に包まれて育ちました。だから彼の曲はどれも優しい曲ばかり。この曲が収録されたアルバム『The Sparrow and the Crow』は彼自身の離婚をテーマに書かれた作品。なのでとってもさみしい悲しいメロディーばかりですが秋になると無性に聴きたくなる。記事とはアンマッチかもしれませんがちょうど傍らにあったもので。さて、日が差してきました。畑に行ってこよう・・・
Priscilla Ahn - Stop, Look, Lie マツモトキヨシCMソング
Fine On The Outside / Priscilla Ahn
『思い出のマーニー』主題歌



とんぼの卵を採取する方法
2018.10.22 (Mon)

日に日に赤とんぼの数も少なくなって、日中の日差しも山の斜面に斜めに差し込んで暖かい中にも乾いた空気が秋の深まりを感じさせます。

それでも、玉ねぎを植える私の頭上にはまだまだたくさんの蜻蛉たちがくるくると円を描きながら、時には耳元にまで飛んで来てぶんぶんとつぶやいては去っていきます。
と、ここで唐突ですが、この赤とんぼの群れの中に交じって『馬鹿とんぼ』という一群がいるのを皆さんご存知でしょうか。

見かけは全く普通の赤とんぼとなんら変わりありません。
では、どこが違うのか。
普通の赤とんぼは田んぼや池に、水のある所に卵を産みますよね。でも、今僕の頭の上を群れを成して飛んでいるトンボたちは川や池の水の中にではなく私の敷いた畑の中の農業マルチの上に卵を産み付けているのです。

これがその農業用ビニールマルチ。田舎に行けばよく見かけると思います。で、何のために敷くかというと保水や保温、保肥、雑草の防除のため。これを敷かないと後々草取りで大変なことになります。
そんな長く敷きこんだマルチの上に、彼ら『馬鹿とんぼ』達は一心不乱に卵を産み落としています。私が「そこは池じゃないんだよ」と何度いっても一向に聞く様子はありません。農作業をしている傍らで、夢中になって産卵をする蜻蛉たち。ビニールの太陽にきらきら光る様子が水面のそれにそっくりに見えるのでしょう。哀れです。いじましいです。あんまりかわいそうなので私はこんなものを用意しました。

『馬鹿とんぼ専用産卵シート』
とんぼのカップルが池と間違えてこちらにも産卵するように。わざわざ網を振り回してトンボを捕まえてこなくてもいいわけです。農作業が終わったときにはビニールの上に卵がいっぱい産み落とされているという寸法です。

馬鹿といえばちょっと前に『バカマツタケ』の人口栽培が話題になりましたね。いつかは自分の足で採取して味わってみたいと思っていたキノコ。松茸なんかよりもいっそう好奇心の沸く自分にとっては幻のキノコです。ですから人工栽培と聞いたときはそれこそ小躍りして喜びました。人類始まって以来の快挙だと。でも、これってよくよく考えてみるといったい誰が得するのでしょう。私の村の、山を挟んで隣村、後山集落はマツタケの名産地、広大な山を管理し、整備された赤松の林でマツタケの採集を続けています。松茸の生える山はそれはそれは手の行き届いたきれいな山、もし、バカマツタケが一般に出回ることがあれば彼らマツタケ業者にとっては大打撃、これで生活している生産者には死活問題です。一方、私たち消費者にとってはどうでしょう。安くなるからいいんじゃない?って、私はそんなに単純な話でもないような気がします。高嶺の花だった松茸がパック売りで簡単に手に入る。そりゃ、最初は皆さん飛びつきますものね。当然松茸の値段も下がってくる。もしかするとバカマツタケを松茸と偽って販売する業者も出てくるかもしれません。結局松茸自体の価値が下がってゆき、もはやありがたいものではなくなってしまう。ただ単に松茸の値崩れを引き起こすだけじゃないのかなと。そもそもマツタケは高価で珍しいから話題になるのであって、これがシイタケと何ら変わりなくスーパーに並んでいたら・・・・私ならためらわずシイタケを買います。だって、いうほど松茸っておいしいキノコじゃない。季節のもので特別のものだから食べてみたくなる、『松茸』はいわゆる日本の風物詩、松茸の山が荒れてゆくのを私はみたくありません。松茸が安くなったら誰も見向きもしない駄菌になってしまうのではないか、松茸を食する楽しみを日本人から奪ってしまうのではないのか。素晴らしいこの技術、一部の企業や研究者だけが金儲けをするような限定的なものではなく、より多くの人が幸せになるような技術として普及することを願うばかりです。

百姓は馬鹿じゃできないといいます。同時に利口でもできないといいます。あんまり頭がいいとこんな効率の悪い、金にもならない重労働はそれこそばかばかしくなりますから。
そういう意味では、私は立派な馬鹿、とんぼのことを笑うわけにもいきません。持ち帰ったとんぼの卵は水槽の中へ。乾燥して死んでいなければ、来年、水の温む頃にはヤゴとして泳ぎ回っていることでしょう。

サエキけんぞう&ぶどう÷グレープ「母子受精」
産み落とすといえばこの曲、ハルメンズの『母子受精』、日本語の曲で一番二番に好きかも。
「産み落とせ街の落とし子、母の街をかけろ」
6年前、一度お会いしたことがあったけど覚えてないだろうな。
いまは、街を離れ奥深い山の中だけどたまにはそんな気持ちで緑の野山を駆け巡る。
戸川純とヤプーズ 『母子受精』 カバー
(歌詞が聞き取りやすいと思って)

ハルメンズの20世紀 +8 [ ハルメンズ ]
少彦名のきのこ図鑑6 シロキクラゲ
2018.10.20 (Sat)

10月1日撮影
折れて朽ちた地面の枯れ枝に生えていました。広葉樹の森のなかではよく見かけるキノコ。名前の通り真っ白に透き通った木耳です。
それほど珍しくはないにしても一度に取れる量はほんのひとつまみ。それでも癖がなくおいしいキノコなので見つけたら必ず持ち帰っています。

さっと湯がいて酢の物に。
ほんとにちょびっとですね。飲み屋のお通しにもなりません。
味はつるつるとして癖のない歯ごたえ。キノコが嫌いな人でも抵抗なく食べられるんじゃないかな。
最近は栽培物も流通しているようで、世界三大美女の一人、かの楊貴妃は美容を保つために毎日食していたとか。滋養強壮、コレステロールを下げ、動脈硬化、心臓病にもいいとのこと。しかし、それよりなによりこうやってちょこっと食卓に添えるだけで今日一日を幸せに振り返る、精神衛生を健全に保つためには効果絶大な森の白い宝石です。
Art Bears - In Two Minds
Art Bears
さて、この曲が精神衛生上どんな効果をもたらすかは定かではありませんが、今日のように森に分け入るといつの間にか口ずさんでいる私の大好きな曲、これってちょっと変態でしょうか。
アート・ベアーズ、イギリスのアヴァンギャルド・ロック・バンド、ヘンリーカウ/HENRY COWのメンバー三人 クリス・カトラー/Chris Cutler (percussion, texts)、フレッド・フリス/ Fred Frith (guitar, bass guitar, violin, keyboards)、ダグマー・クラウス/ Dagmar Krause (vocals; previously of Slapp Happy)がヘンリー・カウ解散後新たに結成したアバンギャルド・ロック、プログレッシブ・ロック・バンド。ボーカルのダグマー・クラウスはスラップハッピーでも、その歌声を聞かせるドイツ人のボーカリスト、以前、過去記事『霧のドライブ』でも紹介しました。
今夜の曲が収録されているアルバム、『Hopes and Fears』は私がまだ、音楽の森で右も左もわからずさ迷っていたころ、突然頭上に降り注いだ暖かな木漏れ日のような、自閉症の少年に未来を指示しめしてくれた、自分にとってはとても大切な一枚、プログレの迷宮から少年を救ってくれた奇跡の作品です。とかく難解なアプローチが際立っていたヘンリー・カウから三人組のシンプルな構成になって、より肉体的に、グルーブ感のあるセッション・バンドに進化しています。そこはバンドの中核であるクリス・カトラーのパーカッションの役割が非常に大きい、一見とっつきづらい音楽ですが三人の個性がぶつかり合う音と音のバイブレーションがダイレクトに体幹を突き動かす魂の一枚です。
過去記事 『霧のドライブ』

白点病にはインドの唐辛子
2018.10.17 (Wed)

ゴールデン・ダイヤモンド・エンゼル
今年の残暑は長く暑かった。
10月に真夏日でそのうえ急に寒くなったものだから風邪をひいてしまいました。
人間でもこんな調子ですから、同居人の熱帯魚たちも先日の急な低温でなんと白点病にかかってしまいました。
節電のため夏の間はヒーターを切っていたもので、ちょっとした飼い主の油断からかわいい子たちを病気にしてしまいました。

前日まで全然何ともなかったのに一晩であっという間に広がっていました。あまり魚を病気にしたことがなかったので…さてどうするか。

白いカビみたいなものが確認できますでしょうか。
見事に全員、6匹とも罹患しました。
原生動物の一種、ウオノカイセンチュウが寄生して起きる病気です。

見るからに痒そうです。
似たような病気がいくつかあるので白点病とは断言できませんが、とにかく急な低水温がきっかけで起きたことには間違いありません。白点病は水温が低いと感染すると聞きます。ただ、今回の本当の原因は急な低水温による魚へのダメージと水質の悪化で魚の免疫力が低下していたのが主だったのでしょう。ひとえに私の管理不足ということです。
さて、ただただ悲観しているわけにもいきません。何とか最善の治療の方法を見つけなければ。そこで、まずは水温を30度近く上げてゆきます。先ほどもふれたように白点病と断定したわけではありませんが低水温が原因というのはわかっています。温度を上げれば改善する可能性は高いでしょうからサーモスタットの設定を28度まで上げてやります。ウオノカイセンチュウは低温を好み30度以上の水温だと繁殖が抑えられます。ただ、30度まで上げてしまうと魚自身にもかなりのストレスになりますから、まずは28度の設定にして様子を見ることにします。これで病状が抑えられれば9分9厘白点病ということになります。
体にとりついた白点虫は2~3日で魚の体を離れ再び低床に潜り胞子になって生き残ります。その胞子から遊走子という段階を経て再び魚に寄生する、そのサイクルは5~6日です。ちなみに、寄生できなかった遊走子は24時間で死んでしまいますので、厄介なこの寄生虫を殺すには魚から離れ胞子になる前の時期と遊走子の時期がチャンスということになります。ニューグリーンFなどの薬を使って直すのが確実で手っ取り早いのですがそこは無農薬の少彦名、今回はこちらを使ってみました。

『スクナヒコナ農園、おいしいインドの青唐辛子!』
鷹の爪?そんなもの効くはずないからー、という声もちらほら聞こえてきますが、先ずは手近にある、それも絶賛栽培中のこのおいしい唐辛子を使わない手はありません。
一本丸ごとと行きたいところですが、この唐辛子、日本のものと比べたらはるかに辛い、祈りを込めて、新鮮な唐辛子を半分にちぎって、ダメもとで水槽に入れてみました・・・・・。
入れたとたんにみんな唐辛子の反対側に逃げ出して震えています。笑っちゃいけないけど可笑しかった。
「辛い!」っていう声が聞こえて来るようです。

結果
効果は二日で出始めました。劇的に白点の数は減りその大きさも小さくなりました。
一週間もするとすっかり白点は消滅しました。この時点で水換え、なぜこの時期にしたかというと唐辛子の効果を確認したかったことと、発病している最中に低床からごみを巻き上げるのが怖かったからです。巻き上がった新たなハクセンチュウに寄生されるとも限りません。七日後の症状が治まったこの時期に改めて水替え、新鮮な水に交換します。その際、低床のクリーニングも併せて行います。白点病の原因になる鞭毛虫は普段低床のごみの中に潜んでいますから一気に外に出してしまいましょう。いいタイミングにちょうど数日前に買い替えたプロホースが届いていたのでとても助かりました。
スクナヒコナのテレフォンショッピング!

プロホースエクストラ
先代プロホースの改良版。弁の部分が壊れにくく扱いやすくなりました。
画像をクリックすると商品の解説が見れますよ。

二週間後に水温を28度から飼育水温に設定。白点病の治療は完治、終了致しました。
今回は『白点病にインドの唐辛子が効くかもしれない』というお話。
本当のところは高温療法で病気を抑えたというところなのでしょうが、少なくとも唐辛子の投入は魚に害はないということだけはわかりました。とにもかくにも、みんな元気になったのが何よりです。
めでたしめでたし。

すくなひこな、ルージュと会う
2018.10.15 (Mon)

10月6日 土曜日
少彦名がルージュさんと会いました。
その日はあいにく台風が来る直前で今にも雨が降りそうな荒れた天気。
それでも私の心は遠足に行く子供のようにうきうきしています。
なんてったってルージュさんに会うのですから。

6時43分
上野村を出発。
10月というのに台風のせいで夏の朝のようにしっとりと温かです。

まずは身だしなみ。
行きつけの平湯温泉に行ってのんびりと朝湯を楽しみます。
写真は冬に撮ったものなので雪など写ってます。
信州風呂巡り 第一番 湯の脇 平湯温泉

霧ヶ峰スキー場
もともと放浪癖があるので途中いろいろと寄り道してしまいます。
ここまで登ってくるとさすがに辺りは秋の景色。
上野大根の疎抜きも終わって人心地、しばらく写真など撮りながらぼぉっとします。

バブル当時に建てられたであろう廃ホテル。
この辺はこういった廃墟が古代の遺跡のように点在していてなかなか面白いんです。私も忙しい農作業からしばし羽を伸ばして道行がてら取り留めない自由写真旅行。


10時18分
改めて目的地の白樺湖に向かいます。
高原のハイウエーには霧が出始めました。

霧で5メートル先も見えません。
さすが霧ヶ峰、なかなか幻想的です。

と、いくらも進まないうちにまた寄り道。

11時03分
霧の白樺湖を見下ろしながらルージュさんはどの辺にいるんだろうと再びぼんやり眺めます。


11時45分
遂に目的地到着!
初めて会うルージュさんの熱い抱擁に、心を奪われる。

おやじマニアが集うラジコンカーの大会。
子供の時に買えなかった高価なラジコンバギーでいい歳した大人たちが童心に帰って集う夢のような集会。
私も小さいころすごくあこがれたなぁ。

ルージュさんを盗み撮り。
何を隠そう、伝説的ガールズパンクバンドの元ボーカリスト。
とてもよくしゃべる元気のいい女性でした。明るくてオープンな屈託のない人。
すごく元気だったので病気だなんて本当は嘘じゃないの?
もし仮病だったら一通り怒った後でみんなでお祝いの祝杯を挙げるんだけど。

最期のじゃんけん大会で本日の目玉、エンジン付きラジコンバギーを見事ゲットしたルージュの旦那さん!
それまで全て初回で敗退していたのにここぞという時に力を発揮するできる男と私は見た。
ルージュさんもバギーのミニチュアをゲットして二人そろって幸運な夫婦でした。いやー、びっくりした。


そうそう、本日ルージュさんに会った目的はこちらのバラをいただくため。ローズシネルジック(ローズシナクティフ)という名前のバラ、香水にも使われるほどとてもいい香りがします。
併せてお菓子もいただいて。
大事に育てて必ず大きな花を咲かせますよ。

帰路は更にもましてすごい霧。
バラをいただいてすぐ帰る予定が結局大会最後までご一緒させていただきました。
霧の白樺湖の楽しく不思議な一日、写真の多さでこの日の気持ちは御察しあれ。

In my mind / Dave Mason
Dave Mason
デイブ・メイソン、イギリスのミュージシャン。元、トラフィック / Traffic のギタリスト。現在72歳、ロック殿堂入りの音楽界の重鎮。バンド、ソロを含め多数の名盤を世に送り出し、セッションした有名ミュージシャンは数限りない。デレク&ドミノス、キャス・エリオット(ママス&パパス)、ホリーズのグラハム・ナッシュとバーズのデヴィッド・クロスビー(後のクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)、ジョージ・ハリソン、ポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズにジミー・ヘンドリックス、スティヴィー・ワンダー、マンハッタン・トランスファー、挙句にはマイケル・ジャクソンなど、挙げだしたらきりがない。本日紹介したのはそんな彼の3枚目のソロアルバム「Headkeeper」から二曲。数ある傑作の中にあって埋もれがちな一枚だが前半の抒情的なスタジオワークと後半のパワフルなライブ盤という一粒で二度おいしい楽しめる一枚。メイスン自身はこのアルバムを「海賊版」と非難していたようで、レコード会社とのトラブルの最中、会社が勝手にリリースしちゃったといういわくつきの作品。
秋になるとこういったカントリーロックっぽいのが無性に聴きたくなる。最高のミュージシャンたちと最高の演奏を聴かせてくれる数少ない優れた音楽家の一人。なぜ、日本でほとんど知られていないのか不思議でなりません。
とりとめのない秋の風景と共にウイスキーでも傾けながら、どうぞ。
To Be Free / Dave Mason

こちら は『Alone Together』と『Headkeeper』を一枚にした再発盤です。

Dave Mason デイブメイソン / Let It Flow: 流れるままに 【CD】
台風
2018.10.01 (Mon)

只今、台風24号が我が家の上空を通過中。
『上川が危険氾濫水位を超えました』と市役所の緊急放送の声が深夜の山の中に響いています。
The Damned - Shadow Of Love
ザ・ダムド
UKパンク界を代表する三大パンクバンドの一つ。当時流行の最先端だった『パンク・ムーブメント』を大いにけん引してきた彼ら、ちゃんと音楽してる楽器が上手なパンクスって言われてたな。今夜紹介した一曲、『Shadow Of Love』はそんな往年のパンクシーンを物の見事に裏切ったゴチック・ロックないわゆるポスト・パンク / ポジティブ・パンク・ムーブメントの中の名曲。古くからのダムドファンであったオリジナルパンクな少年たちを大いにがっかりさせた疑惑の一曲です。解散、再結成を繰り返しそのたびに変節してきたパンク界の大御所が最後に見せた美しくも妖しい徒花と申せましょう。
この曲にはいくつものバージョン違いが存在していまして、私が所有しているのは45回転12インチシングルというレアもの。CD化もされていないようでただいま絶版の希少品のようです。YouTubeでも当該バージョンのみアップされていないうえに、ユニバーサル ミュージックから著作権侵害の申し立てが出されていて現在視聴がブロックされており残念ながら皆様にはお届けすることができません。つまらぬ損得勘定のみで数ある名曲が闇に葬られてゆくのは実に無念の極み、大きな図体してケツの穴はちっちぇえなぁ、などと汚い言葉もつい口に出てしまう暴風雨が吹き荒れる嵐の夜。私の持っているミニアルバム『The Damned – The Shadow Of Love (The Pressure Mix)』は、数あるバージョンの中で最も完成度の高い『The Shadow Of Love 』の決定版ともいえる一枚。

The Damned – The Shadow Of Love (The Pressure Mix)
海外サイトで中古盤が安価で出回っているようです。
興味がある方は。

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