春蝉忘備録 2019

2019.05.23 (Thu)
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2019年5月22日

午前中の日が差して、肌がひりひりと熱くなった一時、少しの時間だけいつもの松林からハルゼミの合唱が聞こえた。
去年より一日遅く、一番早かった2016年から10日遅れでハルゼミが鳴いた。
今年は寒い春で5月になって遅霜が降った。おかげで唐辛子の第一陣は半分以上が枯れてしまい、去年よりも大幅に生育は遅れている。方々で苗が枯れる被害が出ているようで野菜苗も品切れ状態。セミたちも昨日の豪雨でうっかり寝坊するところを起こされたような恰好。

20日にお田植、映画の話が延び延びになってアジェイが各方面に頭を下げている。






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Der Plan - Hey Baby Hop in 日本





前回の記事でドイツのレコードレーベル (当時は西ドイツ)『Ata Tak』に触れたので、今回はAta Takに所属していたバンドを三つばかり紹介。


DAF
Ata Tak レコードの前身、『Warning』レコードがリリースした二枚目、DAFのファーストアルバム『Produkt der Deutsch-Amerikanischen Freundschaft』。DAFはアルバムの表題にもなっている『Deutsch Amerikanische Freundschaft』の略、ドイツとアメリカの友情という意味。当時は クルト・ダールケ / Kurt Dahlke (keyboards),、ロベルト・ゴール / Robert Görl (drums)、ミヒャエル・ケムナー / Michael Kemner (bass) 、 ヴォルフガング・シュペルマンス / Wolfgang Spelman (guitar)ガビ・デルガド / Gabi Delgado(vocals) の5人編成。アルバム制作にの際に作業に対する不満からガビ・デルガドが一時的にグループを離脱して作品自体はヴォーカル抜きのインストールメンタルになった。のちに、DAFはガビとロベルトの二人組となりジャーマン・エレクトリック・ビートの急先鋒として世界に鳴り響くのだが、このデビューアルバムではインダストリアル・ノイズ・ミュージックの色合いが濃い実験的でアバンギャルドな仕上がりになっている。バンドの中核であった クルト・ダールケはこの作品でDAFから離れアタ・タクの立ち上げと、同じくアタ・タクレーベルの中心的バンド、デア・プランを結成してノイエ・ドイチェ・ヴェレ / ドイツの新しい波 運動の中心人物として多くのミュージシャンを世に排出した。

それでは二人組になったDAFの曲も併せてどうぞ。踊ってるのがガビ、黙ってたたずんでいるのがロベルト君です。ちなみにロベルト君は仏教徒だそうです。




Produkt der Deutsch-Amerikanischen Freundschaft



DAF - Liebe auf den Ersten Blick








Der Plan
デア・プラン。モリッツ・ライヒェルト / Moritz Reichelt (AKA "Moritz R")、フランク・フェンスターマ / Frank Fenstermacher、前出のクルト・ダールケ / Kurt Dahlkeの三人組。アタ・タク・レーベルは彼らのプライベートレーベルとして出発したもの。ユーモアと諧謔にとんだ明るい曲調が特徴。ライブでのパフォーマンスは単なるコンサートではなく演劇的要素を取り入れた気合の入った素晴らしいものだった。紹介する二曲は日本公演の『着ぐるみパフォーマンス』で披露されたもの。日本公演のサントラ盤に収録されているドイツ・ニューウエーブの名曲。





Der Plan - Space Bob




Der Plan - Gummitwist









Holger Hiller
ホルガー・ヒラー、ドイツのミュージシャン、プロデューサー。現在では至極当たり前になったサンプリングの手法をヨーロッパで初めて手掛けたシーケンス音楽の先駆者。実験的な音楽の中にもポップで軽快なわかりやすい作風が特徴。映像も含めて当時の音楽シーンを意欲的に牽引したミュージシャンの一人。現在は英語教師をしているそうです。



Holger Hiller - Johnny du Lump






いかがだったでしょうか?ちょっと古い映像が続きましたが今聞いてもなかなか斬新で新鮮な作品なのではないでしょうか。
当時、メジャー、マイナー問わず、多種多様な音楽が無秩序と言えるくらいに日々世に送り出されていました。まるで、生物の進化が劇的に発展したカンブリア爆発のように、音楽シーンの有様は日々変化していました。そんな中にあって『Ata・Tak』 レーベルは他に見ないそのポップで親しみやすい音楽性で確固とした地位を築きました。そんな彼らの音楽性の雰囲気を感じていただくために、ダメ押しのディア・プランからもう一曲。映像の中には原宿での日本公演の模様も盛り込まれています。ベルリンの壁が崩壊してドイツが再統一される6年前の雰囲気も併せて、どうぞ。






Der Plan - Alte Pizza










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腐敗のルツボ [ ホルガー・ヒラー ]


ATA TAK ザ・コレクション・ボックス2 [ (V.A.) ]




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『続・フィリピン・南国の光』 マラゴンドン

2019.05.21 (Tue)
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友人の奥さんの生まれ故郷、Maragondon にやってきました。
何にもないところだけど、フィリピンといえば私にとってはここ、ここがフィリピンそのものなんです。









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何にもないんですけどね。
でも、そこがいいんです。
そもそも、私は田舎にあこがれて移住したのですが、いざ、生活の場を自然の中に移してみると、これが、なかなかどうして。自然を手なずけるのは相当根気がいる。というのも、わたし、百姓ですから。いわば、大自然が私の職場。萌え出づる春などと風雅なことは言ってられないんで、草が伸びれば草刈り機でぐいーんと刈り取らなきゃいけないわけです。








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そこ行くと、生活から離れて、それも普段目にすることのない南国の草花に囲まれていると、本当に解放された心の底からリラックスできる時間を見つけられる。
だからって、今の田舎生活がストレスだといってるわけじゃないですよ。ぐいーんと草刈機を回してる時でも十分リラックスしてますから。








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途中で出くわした田植えの風景。
なんだい。タバコなぞくわえて、不真面目にもほどがある、と思ってはみたものの、日本の田植えは今じゃ機械でハンドル握ってればあっという間に終わっちゃう。
こうやって、見ず知らずの外国人に笑顔で対応してくれる南国の人々。もし俺が野良仕事で忙しくしてる最中に白人がカメラ向けてきたらにっこり笑っていられる、そんな心の余裕が俺にはあるだろうか?






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村のメインストリート。ちょっと華やかになったのかな。こんな街灯一年前にあったかしら。







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遠目から外国人観光客の動向をうかがう小さなギャング。
旅行をしているとこういう瞬間が一番わくわくします。








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やおら、歓声を上げて駆け出す子供たち。








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南国の道の両脇には食べ物が普通にある。







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逃げたかと思うと、また近寄って。
不思議な日本人の後を、歓声を上げながら追ってくる。
お互いに一言も言葉を交わすこともないが、孤独な旅人にとっては、最高のコミュニケーション。









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いつの間にか集まっていた村の悪ガキども。
そっか、タイヤを転がしてた子はまだ自転車を買ってもらえないのかな。







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ススキが生えて、竹林が連なって、ヤシの木が生い茂る風景はちょっと不思議。








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部落に戻れば恒例のパーティーの準備で大忙し。







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子供たちも出し物の稽古に余念がありません。









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Fra Lippo Lippi - Some Things Never Change









Fra Lippo Lippi
1978年結成、現在でも活動中のノルウェーのバンド。83年発表の彼らのファーストアルバムからの一曲。私の記憶の中からはすっかり忘れ去られていた、このアルバムを入手した動機すら判然としない忘却の一枚。今回も記事に掲載するための選曲にあたってたまたま自分のライブラリーの中から偶然手に取ったもの。バンド名だけはどこかで聞き覚えのあるものだったがジャケットすら記憶にないところを見ると入手したのち、ほとんど聞いたこともなかったのだろう。改めて聞き返してみると過去に記憶のないメロディーだったうえに予想通りのなかなかの駄作っぷり。いわゆるニューウエーブな作品群の中にあって箸にも棒にもかからないちんけなシンセチックポップスな一枚。もし救いがあるとすればこのファーストアルバムがそれほどコマーシャリズムに走らず、アンダーグラウンドの域を出ない可愛らしい小品に収まっているところ。聴きようによっては感傷的な自主出版の個人詩集のように聞こえなくもない。その後、彼らはポップ路線に特化してメジャー進出を果たし日本のドラマなんかでも主題歌として使われていたそうです。
で、なんであらためて彼らを取り上げたかというと、これも、今回調べて分かったことなのだが、なぜか彼らの音楽はフィリピンでとっても人気があるようなのだ。現在でもフィリピンを拠点に活動を続けているのだそうで、たまたま手に取ったジャケットが最終的にフィリピンにつながっていくなんて、そんな展開、思ってもみない奇跡的なオチということになる。もし、今回偶然に目に触れることがなかったなら、所有していたことさえ一生気付かずに通り過ぎて行ってしまったことだろう。
そこで、改めて何故このアルバムを持っているのかと推理してみるに、彼らがメジャーからデビューする前の所属レーベル、ドイツの『Ata Tak』に理由がありそうだ。当時 Ata Tak にはホルガ―・ヒラー、DAF、ディア・プランなど、時代の最先端を行く私の好きなミュージシャンが多数所属していた。そんな中、
フラ・リッポ・リッピ『Small Mercies』は期待を込めて購入した一枚であったようなのだが、見事にその期待は裏切られたということらしい。今回彼らを選曲したのが奇跡的な偶然だったことは間違いないが、そう考えてみると先に駄作とかたずけてしまったこの曲の稚拙なメロディーも何やら愛おしく、そして可愛らしく心に響いてくるではないか。いろんな意味で甘酸っぱい一枚ではある。







『続・フィリピン・南国の光』 ただいまフィリピン

2019.05.16 (Thu)
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久しぶりの夜の街にとくに羽目を外すわけでもなく、名古屋だというのにリンガーハットでちゃんぽんの大盛りを平らげ。もう何年ぶりだろうか、こうやって自由に外食を楽しんだりするのは。と、生ビールを片手に窓の外を行きかうコートとマフラーで身を固めた行きかう人々の雑踏をぼんやりと眺めながら、山の暮らしの長い禁欲生活が、こんな一般人から見れば大したことのない些細な出来事を非日常のように自分にはいたく幸福な時間に感じられて、そんな風に考えていると非常に得をしたようになって、そのままホテルなどには泊まらず、缶ビールとネットカフェの小さな仕切りの雑魚寝も遠足の前日のような興奮で夢とうつつの境をさまよいながら、まだ明けきらぬ冬の都会の街を久しぶりに乗車する空港への始発電車に乗って、朝焼けの中、消えようとしている街の明かりが尾を引いて飛び去ってゆく車窓の風景がレールをたたく音とともに旅立ちに色を添えた。








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友人夫婦と空港で待ち合わせして、ルーティーンの最後の食事のラーメンを食べて、東京からの連日の強行軍にこれから旅行だというのに疲れ果てて起きてみたらもう常夏の蒸し暑い、南国の臭気の中に僕はいた。



マニラから家に向かうハイウエーは海の真ん中をまっすぐに突っ切っているようで、カキの養殖場やら塩田やら、行きかう大型船と共にマニラ湾に広がっている。ヤシの茂みの間からはバラックのスラム街が灰色に軒を連ねていてお世辞にも綺麗な海とは言えないが、途中、屋台の海鮮やに止めてもらって、何も手土産がないものだからマニラ湾のムール貝を一抱え買い物した。








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ムール貝の塩辛。調味料のように使うのだそうだ。
昔はムール貝を『カラスガイ』『死出貝』とか呼んで日本では好んでは食べられなかった。









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刈り取られた田んぼもあれば、田植えや今が盛りの田んぼもある。いったい、フィリピンでは一年に何毛作するのだろう。









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途中スーパーに寄って。
普通に危険で危ない風景。








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トイレは手桶でセルフサービス。








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家に着いたら待っていた家人からの特に大げさなお出迎えもなく、いたって普段通り。三日ぶりの帰宅のように、到着するなり当たり前にくつろいでる。
カレーリーフさんから届いた包みの中に入っていた『ナショナル手拭』今は無きサトームセン葛飾柴又店、大変貴重な昭和ノベルティーグッズが今回の旅のお供。









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昨夜の名古屋の一夜のほうがよっぽど自分にとっては世間離れした非日常だったな。






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フィリピン最初の食事。
近所の小さなローカルハンバーガー屋と、キンキンに冷えたレッドホースの一リットル瓶。この後地元の悪い友達と買ってきたムール貝を酒蒸しにして南国の夕べにビールで酒盛り。
一年前と全く変わりないフィリピンに「ただいま帰りました。」

案の定、次の日おなかを壊しましたとさ。












The Young Rascals - Groovin'




ラスカルズ
1964年結成のアメリカのバンド。ブルー・アイド・ソウル、黒人音楽であるソウルミュージックを青い目の白人が演奏するという意味のジャンルに分類されているミュージシャン。当初はヤングラスカルズと名乗っていたが後にラスカルズと改名。出会った当時、身なりも行動もとんがっていた私にとっては最新のダンスミュージックや超過激なアバンギャルドよりもこの古ぼけた楽曲たちのほうが、それはそれは飛び切り新しい「超新鮮」な音楽だった。彼らの演奏を一通り通しで聞いていると、改めて音楽に対する姿勢みたいなものを再認識させられる。派手さや目新しさこそないが、肩の力の抜けた、それでいてキャッチーな音楽本来の持つグルーブがそこにはある。近頃の余白をすべて音で埋め尽くしてしまった、辛抱のない、街中で騒々しくなっている『音楽』のような物、PCのキーボードで打ち込んだ隙間のないシュミレートミュージックやジャストの音程を保ち続ける無機質なボーカロイドばかりしか聞かないきょうびの若い連中こそ、こういったグルービーなリズムに耳を傾けてほしい。一家に一台、迷った時の常備薬、気づけば体の芯から健やかに効いてくる漢方薬のような音楽です。







THE YOUNG RASCALS - A Girl Like You










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Rascals ラスカルズ / Very Best Of The Rascals 【SHM-CD】




京マチ子

2019.05.14 (Tue)
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京マチ子さんが亡くなりました。ばあちゃんより若かったんだな。95歳。そう考えると雲の上の人が少し身近になったみたい。
インドの親友、大学卒業したてのまだ若い青年が映画『雨月物語』を、これは素晴らしい作品だ、と来日した当時にひどく感動していたのにはとても驚いた。





羅生門 予告篇



雨月物語 - Ugetsu monogatari





蟋蟀さんからのお届け物

2019.05.10 (Fri)
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ごんぎつね殿、こおろぎと名乗っていた時期もあったかな。常世の国の名軍師、私をネットの世界にいざなった張本人。お化けの猫さんから誕生日のプレゼントが届いた。ごんぎつね殿と私は何を隠そう生まれた日が同じ、4月15日の牡羊座。
私はそんなことなどすっかり忘れていて、自分の誕生日すらここ数年思い出す暇もなし。当然、お化けの猫さんにはプレゼントなど送っていない。不義理というのはまったっくこのことを指して言うのです。

届いた包みを開けてさらにびっくりした。桐の箱に収められた日本酒。ラベルはある書道家に依頼して揮毫された『常世神少彦名命』の文字。うれしさのあまりため息が出ます。
今夜、村の友人、といっても大先輩ですが、夕食に御呼ばれして、一人で飲むにはもったいないと大事に抱えていたこの一本を彼と一緒に飲もうと持っていきました。
美味しかった。頂いたものですからケチをつけることもできませんのでいろいろと美辞成句を並べないとと考えていたのですが、この一本は文句なしにおいしかった。おいしかったと過去形は間違いでまだ半分も飲んでいませんので、そのうえ、お土産として持ち込んだのですから本来ならば訪問先に置いていかなければいけませんが、こればっかりは他人に渡すわけにはいきませんでしっかり持ち帰ってきました。角張ったところが全くない、アルコールのチクリすらない、丸くって、ふくよかな香りのする、お米の味がほんのりとして、若々しいがそれでいてとても豊かな可愛らしい本当に美味しいお酒でした。
去年の暮は全く忙しく大根を漬けることもできない、何一つ心のある贈り物ができない。本当にありがとうございます。
今すぐ電話して感謝を伝えたいのですが、ここ一か月携帯の調子がおかしいと思ったらついに壊れてしまって、新しくはしたもののデータの移設ができなくてすべての連絡先を失ってしまいました。だから今は誰にもメールも電話もできません。



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越路吹雪 純米大吟醸 越淡麗35 720ml[桐箱入り]高野酒造 日本酒 純米大吟醸 やや甘口




収められていた桐の箱には『越路吹雪』と刻まれています。往年のシャンソン歌手と同じ銘です。彼女の名前を見て思い出す歌があります。
『約束』
雪村いずみさんの歌。越路吹雪さんと雪村いずみさんが頭の中でごっちゃになっています。先輩方だってビートルズとローリングストーンズ、ピストルズとクラッシュ、前田敦子と指原莉乃の区別はつかないでしょう?
この『約束』という曲。とんでもなく暗い曲です。物心ついたころ、本当の一番古い記憶、母親から、父親から、ばあ様から。私がこの曲を聴いて泣きわめくのを面白がって何度も聞かされました。その後、東京の下町の泥の河に飲み込まれる悪夢を何度もみました。真っ暗な四畳半を覗き込むと、ひきづりこまれた先は鬼の住む地獄の釜の底でした。夢の中で火事になったアパートの焼け跡の前で死んでゆく母親の車いすの周りに近所の人々が集まって記念撮影したみんなは満面の笑顔でした。私の趣味趣向、感受性、精神基盤の根幹を決定づけた曲です。もしこの曲を聴いた親御さんがいたならば絶対に子供には聞かせないでください。私のような闇を抱えた、自殺願望の、破壊的で破滅的な大人に必ずなることを『約束』します。そして、私はこの曲が大好きです。

お化けの猫さんとの思い出は『僕が少彦名を名乗るわけ』で書きました。とても感傷的な駄文になりますが興味のある方は読んでください。
お化けの猫さん。ありがとう。そして、この曲を思い出させたあなたは私の本当の友達です。




『雪村いずみ 約束』
 

ライブの音源です。スタジオ録音の市販されている原版はより一層鬼気迫る作品になっています。



















映画のお仕事

2019.05.06 (Mon)
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映画の撮影が決まった。
今回の仕事で6本目か、7本目か。





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ビザの申請に問題がなければ今月の25日にクランクイン。
長くて20日間の日本ロケになる。




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18日にはスケジュールの打ち合わせ。遅くとも20日にはインドの撮影隊と顔合わせ、段取りに取り掛からないといけない。前回の撮影の時はレフ板忘れたとか言って急遽調達するのに大変だったな。



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それよりなにより、あと10日ばかりで畑も田んぼも一通り終わらせなけりゃならない。
百姓にとってはこの季節が一年で一番大切な時。そして一番楽しい時。
大事なようだとは言え長い間山を離れることを考えると心が痛む。映画も大事な仕事だが、私の本業はあくまで農家だから。





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やらなきゃいけないことの半分もまだできていないけど、今やらなければ、この時期にコケたりするとそれこそ今年一年棒に振ってしまう。





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もう少し早く日程が決まっていれば誰かしら雇ってやっつけることもできたけれど、一人というのはこういうときには本当につらい。
後、10日間。一年の間のほんの一瞬、頑張って頑張って、全くすっきりした気分で撮影に臨みたい。








Kozhu Kozhunnu Porandhvale / Theeya Velai Seiyyanum Kumaru






令和の唐辛子

2019.05.01 (Wed)
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令和元年。おめでたい初日はあいにくの雨でした。
でも、却って良かったんじゃないかな。陛下の御即位を家族みんなで見れたんじゃないかな。
そんな雨のゴールデンウイーク。かくいう私は雨に濡れながら泥だらけになって唐辛子の苗を植えました。





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10連休のゴールデンウイークで休まず働きづめなのは私と陛下くらいなもんじゃないかな。峠を走るバイクの連中に次々とごぼう抜きにされる真っ赤なトラクター。ごとごとのろのろと走っている私は、何故か不思議と労働にいそしんでいることへのおかしな優越感に浸りきって、顔についた泥んこをぬぐいもせづ、まだ冷たい春の風に目を細めています。
ところで、『令和』って、ちょっと冷たい響きで嫌だなと思った。レイって、霊とか冷とか、ゼロ戦の零とか、命令もそうだけどちょっと冷たくって胸に刺さるような気がする。少しでも好きになろうと思っていろいろ考えたら『令和天皇』って読んでみたらなんだかすっきりした。クールでかっこよくって聡明な感じがしていい感じ。
陛下の言葉の中に、これはいつもの事なんだけど『戦争のない平和な世界』と必ず述べられる部分があるけど、今まで昭和天皇も、平成天皇も同じように私たちにおっしゃっていたのとは今回は随分と感じ方が違っていて、きっと彼が私たちと同じ『戦争を知らない世代』だからこそ、その言葉はより深く私たちの心の奥に響いてくる。今までの天皇陛下は私たちが生まれるずっと前からいたような、平成天皇も戦前の生まれだし、遠い歴史上の人みたいに思えたけれど、彼は私たちと同じ戦後の世代、戦争が終わってから生まれた平和な日本しか知らない私たちとおんなじ日本人だから、彼の言葉はより一層リアルに親近感をもって私たちの心に響いてくる。
陛下が言ってるんだ。戦争はいけないことなんだなって。




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インドの唐辛子。
苗づくりはプランターに種をばら撒いて。こんなにいい加減なつくり方をする農家はほかにいないと思います。でも、このやり方が一番効率的で理にかなってる。
唐辛子は気温が20度以上にならないと絶対に発芽しません。セオリー通りに苗を起こそうとするとかなりの設備と資金が必要。ハウスなり暖房設備なり。労力だって一人でできる範囲じゃありません。でも、実は唐辛子は芽さえ出てしまえばあとは簡単。遅霜と根付くまでの水切れさえ気を付ければあとはどんどん大きくなります。私は家庭用の温室に暖房器具を入れて発芽させています。




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植え付けもこんなに小さいうちから。
プランターに密生したまま大きく育ててもモヤシみたいになって植え付けた後に倒れてマルチに張り付いてしまったりいろいろと障害が出てしまうので。
植えた直後は枯れたようにしなびてしまうのですが唐辛子はとっても丈夫。水を与え続ければ二三日で立ち上がってきます。今日のような雨の日は移植には絶好の日、移植するには雨降りの前日がベストです。




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見たこともない作物ばかり。
インド人指定のインドの野菜たち。





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メティ
別名フェヌグリーク。インドやアフリカ、中東で栽培されるハーブ、香辛料。
この間の雪に耐えて枯れなかったところを見ると寒さにも強いみたい。もう少し大きくなったら間引きします。





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今年の冬は暖かかったせいでニンニクもいつになく青々と大きいです。
さて、売り先を考えなくては。





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先月村で設置したソーラパネル式LSD街灯。街道沿いに10基ほど建てました。
売電事業で潤う過疎の村に、はたして明るい未来はあるのか。





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ROUGEさんにいただいたバラが元気に芽を出しました。これから咲く花もきっととてもきれいなのでしょう。真っ赤な赤いバラはもちろん好きですが、私は草木の芽吹く様子がわくわくして一番好きです。






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60㎝水槽の『エバーグラディ・ピグミーサンフィッシュ』  Pygmysunfish は私のブログIDです。
手前が雄、水草の陰にいるのが雌。ちなみにこの水槽の水草のほとんどは近くで採ってきた日本に自生してる草。センニンモやヘアーグラス(マツバイ)、ルドビジア・オバリス(ミズユキノシタ)などが見えます。エバーグラディ・ピグミーサンフィッシュは学名をElassoma evergladei といい、北アメリカに住む3センチの小さな魚、スズキやヨウジウオに近い仲間だそうです。水質にもうるさくなく、温帯魚なので極端に寒い地域でなければヒーターの必要もありません。ただ、餌だけは生餌以外ほとんど食べませんので冷凍アカムシやブラインシュリンプを用意しましょう。当方では、飼育中のボウフラを主に与えています。

『ボウフラを育てる』

この水槽にはほかにフレッシュウォーター・バンブルビーフィッシュ、レッドチェリーシュリンプ、そして3センチにしかならない極小のザリガニ、テキサス・ドワーフクレイフィッシュが水草の森の中に住んでいます。私はこういった小さい種類の魚が大好きで、どれも縄張りを主張する好戦的な奴らですが、ちんまいのが体を震わせて一生懸命威嚇しながらも仲良く暮らしているのを見るとなんだかとてもほっとします。エバーグラディ・ピグミーサンフィッシュは状態が良ければ繁殖を簡単に狙える魚。この小さい命が水槽に茂った森の中で永遠に命をつないでいってくれたらいいなと願っています。




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即位した陛下に真っ先にやってもらいたいこと。
陛下とお魚と一緒にしちゃいけませんが、お子さんを一人でも二人でも多くつくっていただきたい。
これから日本は本格的な少子化時代に突入してゆきます。陛下が先陣切って真っ先に家族を増やしていただければもしかすると令和ベビーブームが到来するかもしれません。皇族が増えて税金を使うなんざ、そんなことは喜んで。とにかくこの日本を元気にしていただきたいです。









遠藤ミチロウ
/ お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました




今日のブログはあっちへ行ったりこっちへ行ったり。令和元旦だからブログ『音・風・水』の三つのテーマ、音楽、収穫、熱帯魚、ついでの時々インド人でまとめてみました。陛下のおめでたい日には適当でない非常に場違いな選曲になりますがそれでもいいでしょう。彼の死は私にとってはどうしても避けて通ることはできません。先月の25日に亡くなりました。ドキュメンタリー映画『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』を見ようと思っていた矢先逝ってしまった。和光大学の粉川ゼミ、ゲリラライブには笑ったな。当時は内向的な暗い曲が好きだったから、ジョイ・ディビジョンとかそんなやつね。かっこつけて斜に構えて、そんな僕らは『スターリン』のようなダイレクトな表現者は自分にも危害が及ぶようで遠くから眺めながらそれでいてどこか馬鹿にしたようにせせら笑ってたかもしれない。暗黒大陸じゃがたらとよくつるんでたけど、下北沢の大先輩方は皆彼らと知り合いで、青二才で引っ込み思案の私にはとてもとても恐れ多くって近づくことさえできなかった。
もっと、素直に楽しんでいれば良かったなぁ。いろんなことを、怖がらずに。
遠藤ミチロウさんは体を張って時代を元気にしていた偉大な人の一人でした。










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