おうまがどき

2016.07.08 (Fri)
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今日は機械がうまく動かなかったりで思うようにはかどりませんから日差しは限りなく強烈でへこたれた私は仕事も途中で切り上げて。




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カメラ片手に何をとるあてもなく
特に期待もしないでほっつき歩くのは久しぶりです

村の大根で使う道具が入った大きなコンテナ
カメラ持って出るといつもと違って見えるから面白い






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毎日思うのだけれど、なんで私はこんな山奥で暮らしているんだろうと
ふと、部屋でテレビを見ていると車の音が聞こえてきたりしたら
あ、暴走族かな
なんて、マンションの5階にいる記憶が普通によみがえって








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子供の時から自然の中で暮らすのが夢だったけれど
こうやって山の中に居を構えてみると
自分が生きてるのか死んでいるのか
其れすらわからないほどふわふわしたようで

とにかく、風とか、日差しとか、肌触りとか
あふれかえる情報を処理できない赤子のようです









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黄昏時
一日の中で一番好きな時間

缶けりをしながら、隠れるほうも、探すほうも、だんだんと不安になってくる時間
野球をしながら投げるボールが見えなくなってくる時間
遊びに夢中になって、なぜかむやみに盛り上がる時間
誰が「もう、帰ろうよ」と言い出すのかとドキドキする時間








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民族学者の柳田国男は黄昏時を「誰そ彼とき」と読んだ。日が暮れてあたりが朦朧と溶け出してゆく中、暗闇をあちらからやってくるすれ違う君は
「だれそかれ・・・・」









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たそがれどき
日没まじかのこの時間を昔の人は「逢魔が時」と呼んだ










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その昔、身の回りには当たり前のように得体のしれないもの、魑魅魍魎、妖怪変化が普通に闊歩していた
今、こうして最新式のデジタルカメラを携え、佇んでいる私の周りにも
茂みの暗がりに身を潜めてこちらをじっとうかがっている彼らの息遣いが夕闇とともに忍び寄ってくる











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「こんばんわ」
隣村の牧場主が声をかけてきた
見ればずいぶんな泥だらけ。まるで肥溜めに落ちたよう
牛が逃げ出して追いかけている最中だとか
あと二頭。宵闇と追いかけっこ










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おうまがどき
この時間が一日のうちで一番好きだ
遊びの終わりに一日で一番盛り上がる時間
その日の仕事からやっと解放される時間
走り疲れた足を休め、しばし空を見上げる時間










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誰かが最初に
「もう、帰ろうか」
と、言い出す時間








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もう少しもう少し
もうすこしすれば
会えるかもしれないよ、会えるかもしれないよ。








Cheryl Grice-Watterson - Misty







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コメント
おうまがどき。
黄昏時。

私、けっして都会すぎるところに住まっているわけではありませんが、今こちらの記事を、写真を目にし、懐かしい想いと安らぎを覚えました。
マイナスイオンのシャワーに包まれたひと時でした(*^-^*)
冷凍SANMA | 2016.07.08 19:14 | 編集
こんばんは。いつもコメントありがとうございます♪
おうまがどき。缶けりの話を読み、なんだか子供時代が懐かしく感じられます。あのころも、夕暮れ時ってなんだか特別な時間帯だったように思えます。
カメラ片手に歩くと、いつも見えるものが違って見えるというのに共感です♪
alulu | 2016.07.08 21:45 | 編集
黄昏時の写真を見ていると 懐かしい光景に胸がズキンとします。
あの日に帰りたいって感じかな・・・
今もこんな景色を見ながら生活したいって本気で思っています。
mami*rin | 2016.07.08 23:01 | 編集
冷凍SANMA さん
コメントありがとうございます
マイナスイオン届きましたか?たいがいの場所はここよりも都会ですよね
ほんとになんでこんなところに住んでるのか我ながら不思議になります
sukunahikona | 2016.07.09 10:00 | 編集
alulu さん
こちらこそお越しいただきありがとうございます
肌身で感じるものってやはり素直で自然とこんな展開になりました
カメラ持って歩くのも最初は新しい発見なんか簡単にあるわけないと思って少々億劫だったりするのですがいざ外に出てみると何もかも新鮮に感じます。
これを機会にまた遠野物語読み返してみようかなと思ってます
sukunahikona | 2016.07.09 10:08 | 編集
mami*rin さん
どうぞどうぞ!
この村だけでもそれはたくさんの空き家がありますよ。
畑だって耕し放題、田圃に至っては休耕田が果てしなく並んでます
移住ご希望の際は遠慮なくおっしゃってください
sukunahikona | 2016.07.09 10:11 | 編集
黄昏時は
一日が終わるという安堵と安らぎと、ちょっとセンチになる時ですね。

子供の時から自然の中で暮らすのが夢だったのですね?
夢が叶うことは多くはないので、よかったですね。
それなのに、なんでこんな山奥に住んでいるんだろう?と今だに思うのですか?(笑)
でもその感覚わかるような気がします。

私は生涯で一度は海のすぐそばで暮らしたいと思い続けていますが、あの震災の津波映像を見てから、ちょっと気持ちが
・・・。

この曲,大好きです!
目を閉じて、うっとりしました。

あっ、ダンスは仕事なんですよ。フラを教えています。

みゆ | 2016.07.09 11:34 | 編集
逢魔が時ですか・・・
自然あふれる山に住んでいるがゆえに実感するのでしょうか。
私も黄昏時は好きですね~
でも、帰宅に急ぐ時間であったりする事も多く、休みの日には幼児たちの就寝時間も早いので、ゆっくり味わう事がなかなか出来ないこの頃です。
写真を撮るにはマジックアワーで、絶好の時間なんですけどね。
sower | 2016.07.09 18:59 | 編集
この世とあの世のつながる時ですよね~
怪しさにひかれるんですよね、人間
いぼ仙人 | 2016.07.09 21:09 | 編集
こんばんは!
逢魔が時、もう言葉自体がかっこいい。霊的なものに満ちた言葉というか、わたしは四つ辻とかも好きなんだけど、どれも異界が口を開く時間と場所で、昔の人は本当にこういうのに感応するセンスがあったんですよね。ただの夕暮れにこういう名前をつけてしまう感性は凄いです。
カメラ持って歩いてることで、わたしも何だかアンテナの回路が余計に開いたようになって、カメラ持ってなかったら見もしなかったようなものに気をひきつけられることとかあります。

山奥に住んでるとか、怖くないんですか?
伏見の稲荷山の中腹にある社の守りをしてる家とか、稲荷大社で写真撮ってた時に訪れたことがあるんだけど、麓から通うんじゃなくてここに住んでると知って、夜になると怖いだろうなぁと思ったことがありました。
薄荷グリーン | 2016.07.09 21:50 | 編集
みゆさん
体と心がちぐはぐな感じです
早く言えば実感がわかないというのでしょうか

私もほんというと暖かくて海がきれいな南国の自然のほうが好きなんです
でも、こればっかりは縁のもの、旅行できる機会があればかえって感動も大きいかもしれません

ダンスの先生ですか。フラダンスいいですね。いいウクレレ欲しいんですけど満足できそうなものだと結構高いですから
今度のインド映画は諏訪湖のほとりでトロピカルなダンスですね
sukunahikona | 2016.07.10 22:09 | 編集
sowerさん
山登りの時に逢魔が時に出くわしたら魔にあうどころじゃなくて命の危険がありますからね
会社勤めの人から見れば僕の生活なんか本当に幸せに映るんでしょうね
日が落ちればはいおしまい
すべて自分次第
でも、これから出荷が始まればそうもいかないんですけどね
sukunahikona | 2016.07.10 22:14 | 編集
いぼ仙人さん
こういう時、日本人でよかったって本当に思います
自分のいる世界が本当の世界なのか?いったい自分は本当に生きてるのか?
こちら側とあちら側が簡単に混ざり合っちゃう、日本人にとっての神だとか自然だとか決して反対側の世界じゃないんですよね
だからこんなに妖怪がいたりします。ワクワクしますね
sukunahikona | 2016.07.10 22:19 | 編集
薄荷グリーン さん
こんばんは!!!
びっくりマーク僕のほうが多いでしょ!!
やっとコメ頂けました。こちらからコメのじゅうたん爆撃をしていればそのうちコメントもらえるだろうとw
昔の言葉はかっこいいのが多いですね。意味が分かるとなおさらかっこいい、言霊って本当にあるんですね。

最初は怖かったですよ。何せ、100年近く前の農家ですし、部屋も多いですから。
真夜中にだれか階段を上ってきたり、扉が閉まるような音がしたり、何か大きいものが屋根の上に落ちてきたり
でも、もう慣れました。幽霊なのか、動物なのか、とにかく同居人がいるのかなと

でも、今の騒々しい季節は実はそんなに怖くないんです。冬になって氷に閉ざされた山の空気は何一つ音もなく死の頤が口を開けているようです
sukunahikona | 2016.07.10 22:28 | 編集
おはようございますsukunahikonaさん~
今日は雨になりました~( ノД`)シクシク…
蒸し暑い一日になりそうです!
里山でこんな生活してみたい憧れはありますが
現実はそんなに甘くないですよね~(;´Д`)
大きなな畑を耕しお米を作りお世話をして収穫まで
大変なことと思います。
ただただ懐かしさを感じながらいつも拝見させて
頂いてます。
おいしい空気と自然の中でお体二気をつけながら
頑張ってくださいね~!
お写真とっても好きです(*^^)v
よっこたん | 2016.07.11 09:45 | 編集
はじめまして

なんというかスゴく引き込まれました。
写真から伝わる空気感(とでも言うんでしょうか?)なんとなく
不安を覚える感覚、文章も相まってなんとも不思議な・・・
「目に見えるものだけがすべてではない」
という事を改めて考えさせられます。

守屋神社の考察も興味深く読ませていただきました^^
場違いな(失礼な)コメントですみません。
14roe | 2016.07.11 23:50 | 編集
sukunahikonaさん,こんばんは。
逢魔が時、久しぶりにこの言葉を聞きました。
夕暮れの薄暗い時、仕事が終わり友と出掛ける黄昏時を思い出しました。好い言葉はロマンが有りますね。日本人で良かった~、と香油時に感じるのでしょうね。
日々を振り返る事が少なくなっている自分を感じています。
心休まる贅沢な時間ですね。
気持ちのゆとりと豊かさを感じるぜいたくな生活お大事に。
yatyou1116 | 2016.07.12 18:29 | 編集
よっこたんさん
こんにちは。
今日はこちらも雨、激しく降ってますよ
昨日やっと荏胡麻を定植して、かなりの炎天下だったのでもしかしたら半分枯れちゃうかなと思ったんですけど豪雨の中今畑行ってみて来たらみんな雨のおかげでしゃんとしてなんか自然てすごいなって改めて感動しました。
あ、よっこたんさんは雨嫌いなんですね。散歩できないですもんね。
喜んでもらえると張り切るタイプです。楽しんでもらえる記事をこれからも書いていきたいと思ってます
sukunahikona | 2016.07.13 13:48 | 編集
14roe さん
コメントありがとうございます
失礼なんてとんでもない。コメントあっての私のブログ、皆さんのコメントがブログを完成させてくれるんです
また書き込みしてくださいね、それに耐えるだけの記事をどんどん書いていくつもりですのでよろしくお願いいたします
sukunahikona | 2016.07.13 13:57 | 編集
yatyou1116 さん
コメントありがとうございます
我を振り返る日々、百姓って先のことよりも後悔のほうが多すぎて、畑で鍬をふるっていると全然関係ないことが頭を占領して体と心がおかしなことになる時が多いです。時間に忙殺されて走り回っていた営業マン時代からは考えられないことですけどやっぱり贅沢この上ないことですね。
今日も外は雨、止んだらこぼれだねで次々に生えてくる唐辛子の定植を済ませたいと思ってます
sukunahikona | 2016.07.13 14:04 | 編集
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