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アイヤッパへの道 vol.1

2017.06.28 (Wed)
第一話 アライバルビザ
ーこれからインドに入国される方への覚書ー


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2016年12月28日、インドに行くことになった。
正式に決まったのが二週間前、パスポートは期限切れで慌てて役所に飛び込んだ。当然ビザなど取る暇もなく、切り札のビザなし入国に頼るしかない。三年前にアライバルビザでインドに入国した経験があるので今回も現地での入国手続きになりそうだ。
担当したインド人の旅行代理店によると当時の到着時ビザ申請は一度停止されたそうだ。2016年の3月に復活しているので大丈夫ですよ、安心していってきてください。ということだった。
インドとの付き合い、いつものことだが慌ただしい。






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羽田についてまづはチェックイン、これがみその付きはじめだったのかも。今話題のオーバーブッキング。航空会社の度重なるトラブルがテレビで報道される以前の事なので流行の最先端というところでしょうが、次発の便に強制変更、空港で余計に待つ羽目になった。でもよくよく考えてみると香港で6時間のトランジットがあるので乗り換えが少しタイトにはなりますが渡航には特に問題は無し。多分、そんな事情でキャンセルのお鉢が私に回ってきたのだと思います。その上、半額の7万円が払い戻しとして手元に戻ってきたわけでかえってラッキーだったのかも。ただ戻ってきたドル札は友人が出してくれたお金だから返さなくてはいけないけれど。






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美しい富士山も、美味しい日本食もしばしのお別れ。
おかげで、空港内をゆっくり堪能することとなりました。
まずは持ち金をドルに変えないといけないです。リュックサック片手に両替所に向かいます。私は旅行するときはボストンバックなどは絶対使いません。キャリーバックなどは問題外。貧乏旅行者、バックパッカーたる誇り、両手が使えないではせっかくの旅行の醍醐味が半減してしまいます。
ポケットの封筒を出して窓口に渡します。係員が封筒から取り出したお札の束、めったに目にかかることのない大金、しかしそれは他人から渡されたインドに持ってゆくもの、自分のお金ではありません。

「60万円でいいですね」

隣の窓口の男性がびっくりしてこちらを見ている。ん、どこかで見覚えのある顔立ち。
なんと、そこにいたのはあの有名な『勇者ヨシヒコ』 サングラスをかけた俳優の山田孝之さんではありませんか。これからお正月をハワイでということなのでしょうか、何となくトロピカルな香りがいたします。背がすごく高いわけでもとびぬけておしゃれということでもないですが、やはりテレビで見る通りその立ち居振る舞いは自然で尚且つかっこいい。
なんて声かけようかなぁ、握手してもらおうかなぁ、なんて考えていたら換金されたドルの札束がどんと返ってきました。目の前の大金、ドル札が入った封筒に舞い上がった私はそのお金を片手に彼のわきをそそくさと素通り、サインも握手も、すっかり飛んで忘れてしまいました。






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かっこいいのが悔しいので写真はこちらで







ところで、インドのアライバルビザには、空港で2000ルピーか相当額の外貨が手数料として必要。この素晴らしい制度、これはその後入国時にわかったことですが、世界広しといえども私たち日本人のみが受けられる恩恵なのだそうです。思い立ったが吉日、成田に寄ったついでにインドでも行ってみるか、てなことも可能なわけですね。
ビザを持たずにバックひとつでインド旅行、どれだけインドという国が日本を信頼しているのか、どれだけインド人が日本人を愛していてくれているのか。この信頼を勝ち取った先達 先輩の皆さんに感謝するほかありません。本当にありがとうございます。


ちなみにですが両親のどちらかがパキスタン出身だとアライバルビザ対象外だそうです。芸能人つながりでいうとローラは事前にビザを取得しなければ入国できないことになります。

Embassy of india 日本人向け到着時ビザプログラム









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香港です。
どこかで見たようなお店です。中国人は何かと反日言いますけど結構ツンデレかもしれません。




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日本の品質がグローバルスタンダードになりつつあります。まねっこも時によってはいいことかもしれません。




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香港空港に到着、もう時間がありません。とにかく急いで乗り継ぎカウンターを目指します。手に入れたインド行きのチケットを引っ掴んでいざ搭乗口へ、しかしこれが広いのなんの、その上、乗継便の到着口が目まぐるしく変わります。チケットカウンタの女性が言っていた場所に行けば掲示板に他の便の番号、さればと思い航空チケットに記載されている搭乗ロビーに走って行けばその先は人っ子一人いないガラッンとしたフロアー、どこに変更かと職員に聞けば聞いた先が何もない行き止まりだったり、結局、汗びっしょり掻いて分かったのは搭乗の飛行機はかなり遅れていて到着時間も到着口も未定とのこと。慌てて右往左往していた自分が全く恥ずかしいです。気を取り直し、それではと今度は現地で出迎えるはずの友人に到着が遅れることを何とか知らせる段取りを。さては電話は何処に、そしてここでも少彦名は大慌て。公衆電話は至る所にあるくせに肝心のプリペードカードを売っている場所がわからない。早くすべて済ませて安心したいのにここでも優に30分以上、あたふたとした時間につまらないやり取りを強いられ全くもって疲れ果ててしまいました。旅慣れているはずの私ですがやはり初めての国は用心が必要です。飛行機の遅れはさらに二時間、結局ここでもいろんな意味で空港を堪能することになってしまいました。




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日本の飲食店もちらほら。
調べてみたら熊本の味千ラーメンの創業者って台湾の人だったんですね。また食べたいな。




チェンナイへの飛行機の中、今回見たのは
『イーグル・ジャンプ / Eddie the Eagle 』
というイギリス映画。
イギリス史上初のスキージャンプ・オリンピック代表選手、マイケル・エドワーズ / Michael Edwards の実話。一介の左官職人が憧れのオリンピックに出場するために孤軍奮闘する青春物語です。小さいころからオリンピックにあこがれていた彼が選んだのはイギリスでは知名度、人気ともにゼロ、これならだれでも出場できるとスキージャンプの世界に飛び込みます。運動音痴で見栄えも悪いちょっと変わった青年、エドワーズは、周囲のみんなに馬鹿にされながら、体面を重んじるオリンピック委員会に妨害されても、何度も何度も失敗しジャンプ台から転げ落ち大けがをしても、わしのように空に羽ばたくことを夢に見ながら、諦めることなくまっすぐに飛んでゆく。遥かインド洋の大空で、独り、映画を見ながら涙してしまいました。夢は叶えるためにある。いい映画ですよ!とても元気が出ます。




Michael Edwards
Fly Eddie Fly / Mun nimeni on Eetu




マイケル・エドワーズ選手が歌います
カルガリーオリンピックにちなんでフィンランド語バージョン

(マッチ・ニッカネン/Matti Ensio Nykänenが団体個人で4つの金をとっています)





さて、出発から丸一日、やっとのことでチェンナイ空港に着きました。深夜のチェンナイ国際空港、羽田や香港の空港と違って何となくがらんとしています。
いよいよ、アライバルビザの発給。もうすでに予定より二時間遅れ、待たせている友人を気遣う気持ちもあってイミグレーションには急ぎ脚。他の外国人ツーリストのあとについてアライバルビザと思しき窓口へ。皆さん、おんなじビザなし渡航なんですよね。

「あれ、君、証明書持ってないの?」

何それ、そんなもの持っていやしません。周りの乗客が一斉に私を振り返ります。皆さん、他の乗客、空港職員でさえも顔は微笑みをたたえながら一応に怪訝な顔。そこへ私の友人から連絡を受けた空港職員が数名、お世話になってますと私のところにあいさつに来ました。ああ、これで助かった。今の状況を話すと「さ、さ、こちらへ」ということで『おお、これがVIP対応ってやつか』とちょっと誇らしい少彦名。さて、これで一件落着と思ていたところあっちにうろうろ、こっちにうろうろ、空港内をぞろぞろとしばし彷徨うことに。色々とたらいまわしにされた挙句、結局空港事務室へ連れていかれることになりました。部屋には何かしら問題があったのか、入国できないでいる若い旅人が別々に二人、白人の一人は女性、一人はひげを蓄えた男性が先客として椅子に座って不安そうにしています。迎えに来ているインドの友人はタミルナードではちょっとした有力者、ま、何とかなるさとたかをくくってはいますがこうなってくると内心ちょっと不安です。そうこうしていると初老の白いクルタを着た職員が部屋に入って来て自分の目の前で『はい、パスポート』『ここにサインして』『日本はいい国だねぇ』いろいろと事務手続きを始めました。結局その時わかったのですが、ビザなしアライバルビザの入国は日本人のみが受けられる特権だということ、そのうえに、ほとんどの空港職員に周知徹底されておらず、こういったケース自体が初めてだったのか日本人に対するアライバルビザの取り扱いを多くの職員は全く知らなかったようなのです。私の一件以降、チェンナイ国際空港でもアライバルビザの存在がある程度知られることとなったようですから同じような不手際はないとは思いますけれど、皆さんもビザなしで入国される際はどうか気を付けてください。
さて、かれこれ一時間、すったもんだでやっとのことで手続きが終わり手数料の支払いへ、あれ、ドルでもいいんじゃないの?ルピーで払ってということで空港の両替所へ。まだ入国審査が済んでいないのにイミグレーションの外へ連れていかれ両替します。こんな深夜に両替所わざわざ開けてくれたのかな?日本人でよかたなぁと思いつつ両替してもらうと今度はビザ登録用のコンピューターがダウン。深夜ということもあって担当のシステムエンジニアを長時間待つことになりました。
結局空港を出て友人たちに会えたのが予定を大幅に過ぎた午前四時、申し訳なさそうに握手を交わす友達、深夜でなかったら空港のお偉いに電話して対応できたんだけどねって謝っています。彼の他に取り巻きや映画でお世話になったスタッフ達ともここで再開、ただの農家の日本人に総勢20人のお出迎えです。本当にお疲れさまでした。



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一緒に日本で映画を撮った助監督のヘムラージ氏撮影
本邦初公開の少彦名でございます。




チェンナイ郊外、招待してくれた友人が所有する三ツ星ホテル。ここがしばらく私たちの根城になります。

「あ、そうだ、キャンセル便で航空チケットの払い戻しがあったよ」

これからの旅行で必要だからそれは持っていてください。
いよいよ南インドの旅が始まります。








PARVATI KHAN - Jimmy Jimmy Aaja
“Disco Dancer”Movie song






♪『来て!来て!ジミー!!』
インドは君の来るのを待っている!!








Bar Bollywood【中古】



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コメント
ご無沙汰しておりました。
もう・・・たまった写真に追われていて、なかなかゆっくり見て回る事が出来て無くて申し訳ありません。
すくなひこなさんの記事は、いつ見ても不思議な魅力に溢れていて、何だか時間の流れが違う世界のような気さえしてしまいます。
私がインドに行く機会があるかどうかは甚だ疑問ではありますが、とっても興味深い記事ですね。
これからも楽しみにしています^^
Hide | 2017.06.28 17:00 | 編集
Hide さん

時間の流れが違う世界、それ僕にとっては最大の誉め言葉です。実はものを書くとき時間軸って一番気にしていて、物語の中の自分、それを記憶している自分、思い出して書き込んでいる自分、それを読んでいる自分、そういったものをかなり意識して書いてます。その垣根が取っ払われたときなんか自分でも気持ち悪い変な感覚になる。そんな文章が書きたいんです。
インドはどんどん変わってます。十年前、二十年前のインドのことをインド人に聞かせるとびっくりするのがおかしいです。だから今のインドを書くのは意味があることかもしれないと思って書いてみたいと思ってます。
sukunahikona | 2017.06.28 18:29 | 編集
ようやく始まった”アイヤッパへの道”
Vol 20 位まで続くのかなぁ?
普通の人が経験できない事を写真を通して、コナコナさんの文章を通して、ちょこっと一緒に経験した気分になってます。
毎回楽しみに読みますね~
カレーリーフ・久美子 | 2017.07.04 12:54 | 編集
カレーリーフ・久美子さん

ありがとうございます
期待していただけることが何より張り合いです。
書きたいことがたくさんありすぎるので20話で済むかわかりません。頑張ります
sukunahikona | 2017.07.06 18:23 | 編集
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