派遣社員

2018.02.09 (Fri)
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農閑期のこの季節。
毎年、冬は派遣社員として働いている。
今年の職場は大手工業製品製造業。



時間ピッタリに一斉に始動する。
巨大な工作機械の動く地響き。
窓から差し込む真白な冬の光。
金属はこすれあい、蒸気が噴き出し、鋼がきしんでゆく。

一日のノルマに向けて。
一心不乱にねじを巻く。
いつもはうまくいかない三番目の手順が。
一発でパッチっとはまれば。
自然と鼻歌まで出てしまう。

心地よい手にしたスパナが打ち付けあう音色。
トルク調節の目安が手元で小さく『カチッ』となる。
初めての工場。
派遣社員のくせに一部門を独りで任されて意外と楽しくやっている。






Einstürzende Neubauten - Kollaps





アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン
80年代、西ドイツ、ベルリンの重工業インダストリアル・ミュージックの最右翼。鋼鉄を切ったり削ったり叩いたりするバンドです。当時の西ドイツにはこんなバンドがいっぱいあって新譜が出るのがとても楽しかった。
この時代、世界は資本主義と社会主義で真っ二つに分断されて、ベルリンの壁に象徴されるように二つの世界は文字通り巨大な壁で隔てられていた。彼らはお互いがお互いを威嚇し合い、けん制し、その上それぞれの真の姿は壁に遮られ相手の様子さえ垣間見ることは不可能でした。世界が巨大化し社会が熟しきった20世紀後半、アンチテーゼとして巻き起こったパンクムーブメントから始まる一連の音楽革命。それは日々変容し、増殖し、混沌を極め、時には今夜の曲のように非常に攻撃的で暴力的でした。
しかし、それら表現された『暴力』、発露される『狂気』が、実は危ういバランスながらも二つの巨大国家によって管理され抑制されていたというのを私たちは気付いている。どんなに目の前のショーが暴力的に見えたとしてもそれは所詮舞台の上でのこと。観客と演者、敵と味方、悪と正義。世界は強大な力をもってにらみ合ってはいたが、それは非常に均整のとれたとてもシンプルでわかりやすい世界だった。
しかし、東西冷戦が終結した今、それまで、画面の中でおとなしくしていた『暴力』や『狂気』がブラウン管の外、日常の世界に堰を切ってあふれ出してきている。もうすでにあなたのすぐわきに赤い歯茎を見せながら彼らが佇んでいる。そんな日常、そんな現代に『表現』というオママゴトの持つ影響力はどれほどのものなのか。芸術という名のリアリティの郷愁、そこに希望はあるのでしょうか。





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