とら  猫にまつわる不思議な話

2014.07.10 (Thu)
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猫にまつわる不思議な話。
みんなもひとつふたつあると思うんだ・・・・・





 もう、何年も前になるが、福岡に仕事で住んでいたことがあって、明日東京の本社で会議があるから書類や資料をそろえたり旅の準備をしていた。
空港に向かう途中、ケイタイが鳴ったんだ。


なぜかわからないけど、
「あ、これは、トラに何かあったな」
て、瞬間感じたんだ。
着信を見たら母親から。出てみると案の定涙声で、トラがトラが、って。

もう駄目みたいだって。もって一日。
ちょうど今からかえるからって母親に伝えて電話を切った。

トラはもう何十年も前にもらってきたきじトラのオス猫。あれ、何歳だったっけッて考えてみたらどう数えても25歳。20年だってずいぶんな長生きだけど。
名前はボクが付けた。ちっちゃなぬいぐるみを投げると犬みたいに持ってきた。何時も追っかけまわしては、顔から尻尾からこねくり回してた。きっと僕のことは苦手にしてたんじゃないかな。きれいな端正な男の子だったよ。

東京について、一日会議して、久しぶりだから会社全員でカラオケに行って、本当は帰ってトラを看取ってやらなきゃならなかったんだけど、怖くてね。トラが死んでいくのをみるのが。
それで、そのまま夜明かししちゃったんだ。でも、酔えなかったな。あんなに呑んだのに。
朝の電車で、実家に帰って、いよいよ家のドアの前。もう死んじゃったんだろうな。悪いことしたなって、家に入ってみたら家族全員がみんな立ち上がって集まってる。

「お兄ちゃん!早く早く!!」

そこには、箱の中にバスタオルを敷いて、まるでせんべいみたいにペッちゃんこになったトラが横たわっていた。
「早く早く、トラまってるよ!」
ペッちゃんこに変わり果てたトラ。でも、10秒に一回くらいでそのぺちゃんこのおなかがふっと膨らむんだ。
ゴメンねゴメンね・・・・なでてあげたらもう氷のように冷たくなってる。においだって、あの太陽のにおいじゃない。死臭というんだろう、腐ったような甘い匂いがしてる。けど、時折、浅く、フーといいながらおなかが膨らむ。一生懸命まっててくれたんだ。
ゴメンねゴメンね・・・・・家族に言われるままに抱っこしてあげた。冷たくなった体。紙のように軽い。目をつぶったまま力なく抱かれるトラ。とら!とら、!聞こえてるかい。帰ってきたよ!待たせてごめんな・・・・

トラは僕の腕の中で、三度、力なく呼吸をして、最後に大きく息を吐いたら、そのまま動かなくなった。抱きかかえてほんの30秒。苦しかったんだろうな。そう思ったら涙が止まらなくなった。待っててくれてありがとう。みんなが声を上げて泣いた。


一番嫌われてたと思ってたんだけど。
最後まで意地悪しちゃったな。




それから一ヶ月。じつは、不思議なことはこれだけじゃなかったんだ。

またケイタイが鳴った。今度はチビか?例のとおり嫌な予感がした。
チビは、真っ黒の女の子。トラよりもずいぶん若くて、気が強い美人さん。いつも、トラとけんかしてご飯のときでも男のトラを差し置いてがつがつ食べちゃう。みんなあんまり仲がいいとは思ってなかったんだ。

「チビ、死んじゃった」

母親はもう泣いてなかった。
話によると、あれからまったく食事を食べなくなったらしい。見る見る弱っていってトラのあとを追うように今朝亡くなった。それがちょうどトラがなくなった一ヵ月後。同じ日の同じ時刻。

まるで作り話。でも本当なんだ。

猫って、薄情に見えて、実はずいぶんと情が深い、優しいこなんだな。







犬の散歩 / 少彦名

ねこの不思議な話
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コメント
トラとチビ、残念でしたね
文面を読んでいて、状況が目に浮かんできて
いたたまれなかったです。
私も昔、猫を飼ってましたが、
亡くなる前に姿を隠し、後日屋根裏で亡くなっていたのが
発覚しました。
動物は死期が近ずくと、本能的に姿を隠すようですね。

ブルースが出発点だとのことですが、
けっこうコアな曲をアップされていますね。
キャバレー・ヴォルテールは懐かしかったです(笑)
ソウルマン | 2014.03.02 11:48 | 編集
はじめまして。
みんなわかってると思います。死をも
そんな気がします。
悲しい経験がそう思わせます。
Miyu | 2014.07.10 19:25 | 編集
こんばんは。
初めまして、とらにゃんと申します。
にゃんこの死に際に何度も立ち会ってきました読んでいて涙が出てきました。
私も一度だけ不思議な感覚を経験した事があります。
「にゃ~」と言う鳴き声が頭の中で聞こえました。
耳から入ってくるのではなく頭の中で聞こえました。周りを見ましたが猫はいませんでした。不思議な感覚でした。

 とらにゃん
とらにゃん | 2014.07.10 20:45 | 編集
ソウルマンさん

一人で死ぬのは寂しくないんですね。猫って強いと思います。

ブルースギターが原点ですかね。でも、煮詰まっちゃって右往左往しているうちに真っ暗な洞窟に迷い込んだってところです。今は360度転回してシンプルなのばっかり聞いてますよ♪
少彦名 | 2014.07.10 23:48 | 編集
Miyu さん

物言わぬ動物たちだけど言葉以上に伝えようとする力は強いですね。

彼らに会えてよかったと思います。
sukunahikona | 2014.07.10 23:50 | 編集
とらにゃん さん

コメントありがとうございます。
動物に関する不思議なことってこの話にかぎらずまだまだたくさんあるんです。
でも、それが本当かただの気のせいかなんてどちらでもいいんですよね。
その子がとらにゃんさんに会いに来たときもきっとそうですよね♪
sukunahikona | 2014.07.10 23:55 | 編集
はじめまして。ジャンル違いのブログにも関わらず、ご訪問いただいているようでありがとうございます^^
こう猫にまみれていると、第六感のような、人間が失った感覚で生きていることを感じます。
そうそう、猫は薄情のにみえて誤解されやすいけれど、情愛深く、肝心なところでビシッと決めますよね。粋ともとれるその姿に憧れます
少彦名さんのように、この不思議な出来事を、そう受け取れる人間は希少だと思います。優しくて寄り添えなければ感じ取れないです。トラくんと繋がっていたのでしょうね。お別れはいつだって辛いけれど...素敵です。

駆け足でしたが過去に、なんちゃって世界一周をしまして、インド北部を少しだけ滞在しました。終始腹を下し、けどカレーが食べたくなる摩訶不思議。カオスに見えて列車などは整然と予約で埋まっている。ハプニングが向こうからやってきて、なかなかだけど懐の深さも感じる魅力に溢れた場でした。また行きたいです!今度は腹がこなれるくらい長めに♪
旅行記も楽しみにしています^^
長文を大変失礼いたしました〜
なな | 2014.07.11 13:14 | 編集
こんにちわ。
「犬の散歩」は少彦名さんがつくられたのでしょうか。
トラちゃんの」記事を読んだ後に聞きますと、少し寂しげに聞こえてしまいます。
アコースティックギター(で、良いのでしょうか?)の音色が胸に響きます。

動画の花が見かけない花で見入ってしまいました。
初めて見ました、きれいな花ですね。

「月を見てたら」の動画をクリックしたら、PCの前で寝ていたゆんた(猫)がびっくりして、PCをジッと見てました。

想像していたお声と違い、甘い柔らかなお声をされていらっしゃるのですね(笑)

インドの滞在記などを読んでいたため、もうちょっと太い直線的なお声だと思っておりました。

すてきなお声です(^・^)

yumeyunta | 2014.07.11 17:45 | 編集
。。泣いちゃいました。
私、猫って不思議な力があると思うんですよね。

私にも忘れられない猫ちゃんとの体験あります。赤トラのオス猫でイケメンさん。彼との絆以上の猫との出会いは今のところないです。

動物との出会いも一期一会ですね。




| 2014.07.11 21:30 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2014.07.11 22:04 | 編集
言葉にしては軽くなりそうなのでしませんが、こんな気持ちにブログを読んでなったのは初めてです。
いぼ仙人 | 2014.07.11 22:21 | 編集
立て続けはつらいですね
我が家も半年違いで保護した子
お兄ちゃんのチョビ一号が亡くなって仲の好かったペロが急に体調崩して半年後に
二匹にいつも可愛がって貰っていたミーが気力をなくして
後から保護した子達とも打ち解けず
亡くなる時に見守っていた茶チャ[犬]と私の間に入って
茶チャに何度も何かを託すように鳴いては茶チャが舐め
静かに息を引き取って
それからというもの茶チャは私の側から離れなくなったのです
猫と犬
人間と同じ心が繋がっているようです
茶チャママ | 2014.07.12 15:28 | 編集
トラちゃんとチビちゃん、そして、少彦名さんとご家族。
見えない何かで繋がっているからこそ、死期さえも伝わって行ったのでしょうね・・・

うちも犬が父の身代わりになって死んだことがあったりして、
動物たちにはいつも感謝しています☆.。.:*・

すばらしい歌声をありがとうございます^^
mobic(モービック) | 2014.07.12 20:47 | 編集
はじめまして。
ふらっと立ち寄ったのですが、読んでて涙が出ました。
我が家にも3匹猫がいて、そのうち一匹は先日拾った子猫ちゃんで。
3匹は若いし、まだまだ、遠いことのように思っているのですが、いつかは私よりも先に旅立ってしまうことを、時々ふっと考えてしまいます。
家族に看取られ、トラちゃんは幸せだったでしょう。
チビちゃんは淋しくて、追いかけてしまったんですね。
家族としての繋がりを感じました。
ノン | 2014.07.12 23:21 | 編集
はじめまして、
記事を読み、涙が止まりませんでした。

25年分の沢山の思い出、
居なくなって残るものは人と同じですね。

Vince | 2014.07.13 16:27 | 編集
ななさんへ

コメントありがとうございます。
そうそう、彼らって人間よりも人格者?って、思えるような瞬間ってよくありますよね。今でも、トラの目配せする様子や去ってゆくときの背中なんかまざまざと思い出します。いたずらしまくってついにあきれたのか大きくため息をついてきびすを返すところなんかほんとになつかしく思いますw

インドはインド人がいるからインドなんです。時に殺したくなるほどうっとうしい愛すべき人々ですよねw
sukunahikona | 2014.07.13 18:53 | 編集
yumeyuntaさんへ

犬の散歩は前に飼ってたトイプードルの為の曲です。他にも何曲もあるんですけど、今度PV作ってくれる人をネットで募集しようかとも思ってます。

シレネ・ブルガリスって花だそうです。ネットの友達が教えてくれました。ムーミンの花という記事で書いてますので覗いてみてくださいね。

なぜか、がっしりタイプの野生児と思われることがよくあります。本当は、結構な色男だったりするんですよw
sukunahikona | 2014.07.13 19:03 | 編集
花 さんへ

読んでくれてありがとう。泣いてもらえたら天国のとらもチビもきっと喜んでると思います。

今度、赤とらのイケメンさんのお話聞かせてくださいね
sukunahikona | 2014.07.13 19:10 | 編集
rinka さんへ

こちらこそありがとうございます。
とら君は元気にしてますか?彼がほんとに幸せだったかは言ってくれないのでわかりませんが、僕たちは間違いなく彼のおかげで幸せでした。
sukunahikona | 2014.07.13 19:14 | 編集
いぼ仙人 さんへ

そんなに言っていただけると本当に嬉しいです。
この記事を書いてよかったなってほんとに今おっもってます。
sukunahikona | 2014.07.13 19:17 | 編集
茶チャママさんへ

母親は相当きつかったと思います。あれからはもう実家では生き物を飼っていません。
分かってもらえる子達、人がそのときにいっしょにいるってことがどんなに大切か。心がぎゅっとなるようなお話ですね。
sukunahikona | 2014.07.13 19:35 | 編集
mobicさんへ

『月を見てたら』聞いていただけたんですね。ありがとうございます。

ほんとにまっててくれてありがとうって思ってます。でも、今度あったときはすっごい怒られるんだと思いますけどねw
sukunahikona | 2014.07.13 19:45 | 編集
ノン さんへ

コメントありがとうございます。
三匹の子猫、これからどんな物語が生まれるか楽しみですね。
これからどんどん絆を深めていって、忘れられない思い出を一杯作ってくださいね。
sukunahikona | 2014.07.13 19:48 | 編集
Vince さんへ

コメントありがとうございます。
思い出って、嫌なことも当然思い出すときがあるんだけど、彼らに関してはまったっくもっていい思い出ばかりです。彼らからもらった幸せは僕の宝物です。
sukunahikona | 2014.07.13 19:54 | 編集
303さん

ありはとう。思い出してあげるときっと喜んでくれるはずです。
sukunahikona | 2014.07.13 21:08 | 編集
トラちゃんの写真見たとき、一瞬「にゃんまん!?」って思っちゃいました。そっくりです。
長生きだったんですね。
待ってたんですね。往生する前に少彦名さんに会えて満足だったでしょうね。

猫は不思議です。ちゃーんと人間を見ていて、深いところで理解しているようです。わたしは日々、ずいぶんと生きる力をもらっているように思います。
pukupuku | 2017.12.12 15:37 | 編集
pukupuku さん

私も彼に負けないように頑張らなくちゃいけないのですが、やはり一人でいるとめげる音が多いです。猫といえばキジトラ、それくらい彼とは一緒にいましたね。今となっては彼は人生の大先輩です。
sukunahikona | 2017.12.14 22:21 | 編集
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